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米中通商合意、不十分な紛争処理制度 離脱に至る可能性も


[ワシントン 15日 ロイター] - トランプ米政権は、中国との「第1段階」通商合意に盛り込まれた紛争処理および履行徹底のメカニズムが、中国の貿易慣行に関して過去に交わした約束と大きく異なる点だと主張する。ただ、合意文書によると、同メカニズムに基づき米側が中国による約束の反故(ほご)を理由に関税を再発動させた場合、合意そのものが崩壊する可能性をはらんでいる。

米中両国が15日に署名した合意には中国による米企業の知的財産権の保護や米企業に技術移転を強要しないとの約束のほか、中国による2年間で約2000億ドルの輸入増額が盛り込まれた。[nL4N29K3WN][nL4N29K4MA]

ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表はこれらの合意事項の履行を確保するため、「実効性のある」強力なメカニズムを導入したと強調。つまり、合意の違反による損害の度合いに応じて関税を発動するという制度だ。

ただ、合意文書によると、合意違反した当事国がそのような制裁措置に同意できない場合に取り得る唯一の手段は合意からの離脱だ。異議申し立てや報復関税の発動に関する規定は含まれていない。

文書は「被申立国が申立国の取った行動を不誠実とみなした場合、申立国に文書で離脱を通知し、合意から離脱することが解決策となる」としている。

トランプ政権の当局者は、合意に「誠実」や「不誠実」の定義づけはないが、事実や経済的影響に基づく行動が想定されていると述べた。

対中貿易の専門家は、履行を徹底させるために実際に行動を取れば、合意の崩壊を招く可能性があると警告する。北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新たな貿易協定「米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」などの通商協定では、第三国による仲裁委員会の設置を通じた紛争解決制度が採用されている。

<90日間の紛争処理手続き>

複数の米当局者は、両国が合意履行に関する申し立てを検証、処理する機関をそれぞれ立ち上げることを柱とする強固な紛争解決制度が盛り込まれたと強調する。

申し立ての処理は90日間にわたり、段階的に高官レベルに至るまで行われ、その後、制裁措置が決定される。

米中両国は定期的な通商協議の再開でも合意。毎月の事務レベル会合に加え、四半期ごとの次官級会合、半期に1度の閣僚級協議が開かれる。

アメリカン・エンタープライズ研究所のデレク・シザーズ氏は、関税発動が正当化されるほど問題が大きいかどうかを「最終的に判断するのは米大統領だ」と指摘。「中国が(米国製品の)購入を行っている限り、大統領は満足するだろう」と述べた。

ライトハイザー氏は記者団に、今回盛り込まれた紛争解決制度は未検証だと認め、「中国に機能させる意向があれば機能する」と述べた。

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