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崩壊するビートたけし「大抵のことは許してもらえるオイラ」というキャラクター

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高橋秀樹[放送作家/発達障害研究者]

***

1955年(昭和30年)生まれの筆者は、25歳だった1980年、1947年(昭和22年)生まれのビートたけし33歳を強い憧れの目で見ていた。芸人として図抜けた才能を持つ人だと感じたからだ。

筆者はその頃、ぺーぺーの放送作家であったにもかかわらず、幸運にもビートたけしが出演する『笑っている場合ですよ(フジテレビ)』の構成者となることが出来た。ビートたけしが回すコーナーの名は「ブスコンテスト」。彼自身の発案である。

誰がブスかを決めるコンテストに出る女性などいるものか・・・と、当時の筆者は思ったが、「出る人」は、ぎりぎりながらも存在した。無名時代の山田邦子も応募してきた。筆者とディレクターは、邦子にブスコンテストはやめて素人の芸人志望者がネタを披露するコーナーの方に出るように薦めた。

「ブスコンテスト」はコンプライアンス全盛の現在なら、ぜったいに放送出来ないコーナーだ。当時だってやるのはためらわれたからだ。テレビは女性の反発がなにより怖い。だが、ビートたけしならその反発が抑えられる、許されるとスタッフは計算していた。

関東で、漫才ブームのトップを走るビートたけしは、芸人のひとつの類型をもっていた。その類型とは、「大抵のことは言ってもやっても許してもらえるキャラクター」である。

[参考]<芸能人で売れるのはメジャー顔>メジャー顔が全くいなかった2019年M-1

この類型に当てはまるのは、関西なら、横山やすし。関東なら立川談志である。もちろん彼らのこの芸風を蛇蝎のごとく嫌う良識派の人もいるが、50%以上の人は彼らを自分たちとは違う特別な人と認識し、自分では言えない本音を代弁してくれる勇気あるバカとして笑いながら許容した。以来、ビートたけしはそのキャラクターを、現在まで、40年の長きにわたって維持しているように思える。

「こんにちは。川俣〇司です」(当然伏せ字にはしていない)

「寝る前にちゃんと絞めよう親の首」

「何でもゲラゲラ笑いやがって! 本当はお前らみたいな客、大っ嫌いだったんだよ!」

「フライデー編集部を襲撃・謹慎」

「原付バイクで東京都新宿区の安鎮坂付近を走行中に激突事故」

「どうも、フランスだけで人気のある映画監督です」

筆者はいくつかのビートたけし番組を構成した。『世界まるごとHOWマッチ(毎日放送)』、『オレたちひょうきん族(フジテレビ)』、『痛快なりゆき番組 風雲!たけし城 (TBS)』、『OH!たけし(日本テレビ)』・・・。

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