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焼き尽くす者と焼き尽くされる者

皆さんはゲームオブスローンズをご覧になっただろうか。かつてないスケールで壮大なファンタジーと中世戦国ロマンを合わせたような世界観を描いたドラマ。その最終章を受け止め切れないでいたが、単純なハッピーエンドにしなかった作者のジョージRRマーティンの意図が今、ようやく理解出来たような気がする。

歴史は単純化される。日本人が大好きな戦国英雄譚の影には虐殺された無辜の民や敵の雑兵がいる。彼らは好き好んで戦の当事者となった訳ではない。だが、後日映画やドラマで描かれる時、勝った側、殺した側はは英雄となり、負けた側の悲惨な最後は忘れ去られる。戦の勝者は神格化され語り継がれることさえあるが、意味もなく殺された人々は振り返られることすらない。

だが、ゲームオブスローンズの最終章は違った。積年の理由ある恨みを込めて敵の居城を焼き尽くすドラゴンの女王。焼き尽くすところだけを、上から(ドラゴンからの)視点で描けば見ている我々は快哉を叫び、スッキリとした気持ちでドラマの終わりを見届けることが出来たであろうし、それが普通の終わり方だったであろう。だが、このドラマは底の浅い描き方はしなかった。このそれだけではなく焼き尽くされて灰になる住民の姿を同時に描き、正義が一面的ではないことを正当に訴えたのだ。

前のブログ(「対象の向こうに人がいる」)でも記したが、大国間の正当性や正義を振りかざした紛争の陰で名もなき人々が死んでいく。 その不正義を、人はもっと直視すべきだ。トランプ大統領やイラン指導者にそれほどの正義や正当性があるのか?あるいは正義を振りかざす国民たちの声には?

我々は焼き尽くす者の立場でものを考えがちだが、現実には焼き尽くされる者に立つ危険性のほうが余程高い。最近聞くことのなくなった言葉に「一人の命は地球より重い」というものがある。地球より重いは人類のエゴだが、少なくとも「一人の命は、国家のエゴやナショナリズムより重い」と強く思う。それが尊重される社会に進化するように、我々は歩み続ける必要がある。

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