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オーストラリアの山火事で動物5億匹が焼死…コアラは絶滅危惧も

写真:AAP Image/アフロ

 オーストラリアで発生している森林火災の勢いが止まらない。

 9月からこれまでに焼失した面積は1200万ヘクタールとも報道されており、日本国土の3割近い計算だ。立ち昇る煙は隣国のニュージーランドのみならず、1万キロ以上離れた南米のチリやアルゼンチンでも観測された。

 オーストラリアは森林の減少などから多くの動物の生息環境が悪化しており、WWF(世界自然保護基金)の会長が政府に改善を求める手紙を昨年公開したばかり。そこに襲いかかった山火事で、絶滅危惧種の動物や昆虫を含めた生態系への影響が強く懸念されている。

 特にシドニーのあるニューサウスウェールズ州の火災が深刻で、同州だけで5億匹近い動物が死んだと推計。野生の固有種の宝庫として知られる観光名所カンガルー島は3分の1が焼失し、この島だけで2万5000頭のコアラが命を落とした。一部ではコアラ絶滅の可能性まで報道されている。

 同州のコアラ病院がクラウドファンディングで募金を集めたところ、全世界から応募が殺到した。2万5000ドルの目標に対し、およそ600万ドル集まり、その額は今も増え続けている。山火事の余波で、オーストラリアの複数のラジオ局は「Fire(火事)」とつく曲の放送を自粛しているそうだ。

 オーストラリアの昨年の平均気温は観測史上最高を記録し、降水量も1900年以降で最も少なく、最悪の干魃状態となっている。

 実は、2019年の平均気温が高いのは世界的な傾向だ。

 欧州連合(EU)が運営しているコペルニクス気候変動サービスは1月8日、2019年の世界の平均気温が観測史上2番目の高さだったと発表した。過去の上位5位の高温記録がすべてこの5年間に出ているという。

 気象庁も令和元年の日本の年間平均気温が、全国的にかなり高かったと発表したばかりだ。

 南半球はいま、夏真っ盛り。これから4月にかけて高温傾向が続く予報が出ている。山火事は鎮火する様子を見せておらず、コアラやカンガルーなど野生動物への影響が懸念されるばかりだ。(取材・文/白戸京子)

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