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差別糾弾によって、差別を煽る人たち 反ヘイトに名を借りた「正義」の恐ろしさ

 昨年12月、川崎市で、ヘイトに罰則を科す条例が成立しました。全会一致だそうで、自民党から共産党まで賛成したということで、この条例に反対してきた私としては非常に残念な思いです。
川崎市 ヘイト規制に罰則という暴挙 表現の自由に対する重大な脅威 「正義」が暴走する

 ヘイト表現に罰則を科せばこれで差別がなくなるのでしょうか。あるいは差別をなくすための出発点になり得るのでしょうか。

「在日コリアン女性「涙がとまらなくなった」「ゴールじゃない」 川崎ヘイトスピーチ禁止条例成立」(弁護士ドットコム)

「(排外主義者による)街宣でのひどい差別扇動だったり、ネットでのひどい書き込みなど、これからも対策が必要なことはいろいろあるから、これがゴールではなく、まだ始まりです。
でも、ヘイトスピーチ解消法(2016年施行)にもなかった刑事罰を入れるなど、川崎市は現段階では最善のかたちを示してくれました。各地でこれまで策が講じられずに野放しにされてきた、ヘイトスピーチの被害を受けた人たちは喜んでくれていると思うし、まさに差別のない社会の実現への第一歩です。
差別はゼロにはならないかもしれないけれど、差別を許さない社会に向かって市民が歩むことで、市民社会が成熟していく。そのために、これからも実効性や運用ルールの検証をしつつ、市を応援していきたいと思っています」(崔江以子さん)」
 罰則を科せば差別意識などなくなるなどと思ったら大間違い。
 差別意識があるとすれば、それは心の中のものでもあるというだけでなく、実際に社会の中にもあります。
韓国「嫌い」、年代上がるほど多い傾向 朝日世論調査
(朝日新聞2019年9月17日)

「14、15日に朝日新聞社が実施した全国世論調査(電話)で、日韓関係について尋ねた。韓国への好悪を聞くと、韓国を「好き」は13%、「嫌い」が29%、「どちらでもない」が56%だった。18~29歳は「好き」が23%で、「嫌い」より多い。「嫌い」は、高い年齢層に多い傾向がみられ、70歳以上では41%が「嫌い」と答えた。」
 本来、そもそも差別って何? というところから始まるものでしょう。嫌いという発想の人はすべて差別ですか。差別意識だと断定してしまうんですか。
 もともとこれは政治的な意味合いもあります。現在、日韓関係は徴用工問題に端を発して最悪の状況に陥っていますが、これも日韓両政府が煽っている側面があります。こうした事件が起きると、「嫌」が増える傾向にあることからもそれはかなり影響を受けています。

 さらには「嫌」という感情の発し方によっては全く意味が違ってきます。
 朝鮮学校への補助金の廃止は国策ですが、朝鮮学校への補助金を廃止せよが「嫌韓」思想であろうと、差別意識に基づくものであろうと、そこを明確に区別することは不可能です。
 それを罰則で取り締まろうとは、極めて強権的な手法です。このようなやり方で差別意識などなくなるはずもなく、かえって対立を深めるだけのものにしかならないことは、この人たちには全く理解できないようです。

 上記弁護士ドットコムの記事には、師岡康子弁護士のコメントも掲載されています。
「「そもそも、外国にルーツのある市民へのヘイトスピーチは人権侵害で、ヘイトスピーチ解消法によって、国もそれを認めています。ところが、解消法ができても、ヘイトスピーチが止まらなかったことから、今回の条例ができたわけです。教育や啓発では、止めることができなかったんです」(師岡弁護士)」
 自分が気に入らないものは、「力で潰せ」ということです。そこにあるのは絶対の「正義」です。
 恐ろしいとしか言いようがありません。
 これではますます韓国が「嫌い」が増えるだけではありませんか。解消法ができて未だその理念を実現するのための途上にすぎません。教育や啓発で止められない、って一体、どんな教育や啓発を前提にしているのでしょう。これまでの取り組みがどのように評価されているというのですか。そうした過程がすべてすっ飛ばされているのです。要は、罰則を与えることこそが目的となっているのです。

2020年1月3日撮影


 川崎市では、デモや施設の利用を反ヘイトを標榜する団体が暴力的に実力行使で妨害しています。
シットインが向けられた先にあるものが権力なのかどうかが問われている。神原元氏に対して改めて見解を述べておく。
ヘイトに関する講演会だろうと実力で妨害するやり方は問題だ 言論の自由を踏みにじる行為

 どちらも過激で、ひどいです。
 これら実力行使で妨害したことを理由に神原元・弁護士が損害賠償請求訴訟を起こされました。
 そこでの主張は、こうです。(神原元・弁護士のフェイスブックより)
「(訴状の中で江頭節子弁護士は、自分が代理人を務めた京都朝鮮学校襲撃事件を引用し、在特会の行為とカウンターの行為とは「全く同じ」だと論じている。 ヘイトスピーチの加害者と被害者とを同列に並べるのは完全に常軌を逸した主張であり、元の依頼者である朝鮮学校の生徒たちに対する裏切りでもある。」
 私からみれば、在特会の行動もこの反ヘイト集団も全く同列、同次元であり、どちらも過激集団、カルトです。
 当時の神原元氏のツイートには当時の「シットイン」を正当化する主張がなされており、要は実力行使による妨害は正しいと自認しています。代理人かどうかはともかく当事者そのものです。
 デモの許可が出たものを力で潰す、こうしたことが正義であろうはずがありません。私が反ヘイト集団をカルトと評する由縁です。

 先般、北海道でも大量懲戒請求に関して損害賠償請求訴訟が起こされました。
 「余命三年時事日記」に乗せられて懲戒請求を行った人たちに対してまで、「差別」と糾弾するという暴挙でした。
大量懲戒請求に関する北海道訴訟第1回口頭弁論期日

 どうみても私には対立を煽っているとしか思えませんし、それが彼らにとっての自己の存在をアピールするための手段なんだろうと思います。

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