中国人は見ている。 (日経プレミアシリーズ)
作者:中島 恵
出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
発売日: 2019/12/10
メディア: 新書
Kindle版もあります。
中国人は見ている。
作者:中島恵
出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
発売日: 2019/12/23
メディア: Kindle版
内容(「BOOK」データベースより)
日本人の「あたりまえ」が、中国人にはこれほど異様に映る!飲み会で豹変する上司にいら立ち、会議後の同僚の「ある行為」に感心。大阪に親しみを覚え、寿司店の「まかない」に衝撃を受ける―。日本を訪れた中国人は、この国の何に戸惑い、何に感動するのか。日中の異文化ギャップを多くのエピソードから探る。
あらためて考えてみると、この新書のタイトル『中国人は見ている。』というのは、こちら側からすると「日本人は見られている。」なんですよね。
中国が経済的に急成長を遂げ、世界の中で重きをなしてくるまでの日本人は「アメリカやヨーロッパから、どう見られているのか」をずっと気にしていたのです。
日本の慣習について、「そんなのは世界標準ではない」と言われるときの「世界」は、常に西欧だった。
ブラッドショップでの「爆買い」や「団体ツアー」などで、「西欧人から笑われている日本人」の話を、僕も子どもの頃、何度もメディアを通じて見たり聞いたりしていました。
この本を読むと、日本と中国の文化のギャップとともに、「爆買い」「トイレをきれいに使えない」などというイメージは、もう過去のものになっていることを実感させられます。
「先進国」から白眼視されるという経験は、多くの日本人が海外旅行をするようになった時期に経験したことでもあるのです。
中国人は、日本であまり中華料理的に行きたがらないそうです。
僕などは、海外に3日くらいいると、日本料理店を探してしまうのですが、日本には「中華料理」の店がたくさんあるのに、本場の人たちにはあまり評判がよろしくないみたいです。
日本には数えきれないほどの中華料理店がある。そし中華料理が嫌いだという日本人はあまりいない。だからなのか、日本人が日本在住の中国人を食事に誘う際、「中華料理にしましょうか」と声をかけることは多い。中国人に「寿司などの生ものは大丈夫ですか?」と聞くことはあっても、「中華料理は大丈夫ですか?」と聞く日本人はまずいない。
だが、多くの在日中国人に取材すると、「日本の中華料理はあまりおいしくない」と答えることが多くて驚かされる。
前述の中国人女性は断言する
「正直いって”日本の中華”は中国人にとって、あまりおいしいと感じられません。東京都内に住む中国人女子の集まりでは、イタリアンなどを選択することが多いですね。日本のイタリアンはおいしいし、おしゃれ。シェアしやすいし、お値段も手ごろ。日本の中華は高級店を除いてゆっくりできないところが多いし、味のわりに値段が高いですから。シンプルな野菜炒めが1000円以上とか、信じられない。
だから、日本人の皆さんにお願いです。私が中国人だからと気を使って、どうか中華料理に誘わないでください」。そう話して笑った。
他の中国人からも”日本風中華”への不満の声が続々と噴出する。これまで「日本の中華は好きですか」と改めて質問しなかったから、日本人が知らなかっただけのようなのである。
「日本の中華は片栗粉を使い過ぎです。ドロドロになったあんかけは、どうしても中国人の口には合いません。あの固まった片栗粉を見ただけで、もう……」
なんていう声もあるのです。
僕は、あの「片栗粉を使い過ぎ」なのが「中華料理」だと思い込んでいたので、意外でした。まあ、海外の「日本料理」でも「これはちょっと……」みたいなものもありますし。
生卵が苦手で、ラーメンは豚骨好き、というような、中国人の食の好みについても紹介されています。
中国人にとって日本人とのメールのやりとりは、まさに「推測+期待+テレパシー」の連続だ。日本語でメールを書くだけでも大変だが、難しいのは業務内容に関しての返信ではなく、その前後につけられている日本語特有の表現をどう解釈するかだ。
北京の日系企業に勤務する30代の魏小燕氏は、東京本社から送られてくる日本人のメールにいつも困惑する。最も苦手なのは「お手すきの際にご返信」という一文だ。
これまで何十回も受け取った。日本語の意味はもちろんわかるが、「お手すき」と書かれた場合、果たしてどのくらいで返信すべきなのか、メールを書いた日本人は皆同じ感覚なのか、よくわからないという。
「今週は忙しいから何日も返信しなくてもいいのか、または今日中に返信しなくてもいいという程度なのか、わかりにくい。日本語がわかる中国人の上司に聞くと、『明日返事するくらいでもいいのでは?』といわれましたが、そのくらいが”正解”ですか?」
魏氏に聞かれたので「正確にはわからないが、すごく急いで
わけではないと思います」と答えた。私自分自身はせっかちなので、このフレーズは使わないが、深く考えず、つい習慣でこうした表現を使う日本人もいる。