記事

痛いマッサージを罰ゲームにしたテレビ局の罪

「痛みに効果がある」と続けている習慣や運動が、症状を悪化させているかもしれない。腰痛や関節痛について、10のテーマに応じて専門家に聞いた。第8回は「痛いマッサージと痛くないマッサージ」――。(全10回)

強く押すとケガする体の部位

痛いマッサージと痛くないマッサージ、どちらがいいかという2択で完結するような話ではありませんが、たしかに痛くしてはいけない部分とある程度痛くしても大丈夫な部分はあります。

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Satoshi-K

膝は筋肉が少なくデリケートな部位なので、やみくもに強いマッサージをしてしまうのは厳禁。そのうえで、年を取り筋肉が減ってくると、関節が不安定になり軟骨がすり減ってしまいます。その軟骨が関節内に広がることで炎症が起こってしまう。逆に腰の場合、筋肉が膝に比べて厚いので強めのマッサージをしても問題ありません。

タイマッサージでは、マッサージの後のストレッチがセットになっていますが、このストレッチには注意が必要です。ストレッチで筋肉を伸ばしすぎてしまうと、それ以上伸ばされて障害が起きないように、反射的に筋肉が収縮してしまいます。伸張反射と呼ばれていますが、これでは本来のストレッチの目的を果たせません。

痛いマッサージの代表的なものといえば

痛いマッサージの代表的なものといえば台湾式足ツボマッサージがあると思います。あれは毒素を流すという意味合いもあるようですが、目的が治療ではなく「ここが痛いということはこの臓器が悪い」ということを確認するためのもの。言ってみれば、パフォーマンスの性格が強いのです。交感神経も緊張しますし、筋肉も炎症も起こしますし、あまりいいことはありません。

「痛い」と「気持ちいい」の中間であるジェップサバーイの感覚を目指そう。

よくタレントが木の棒で足の裏を押されて悶えているようなシーンをテレビで見ます。ある時期、タイマッサージをはじめマッサージというものが罰ゲームとして取り上げられることが多かったように思いますが、あれによってマッサージ=痛いというイメージができてしまったのではないでしょうか。

タイ語で「痛い」を「ジェップ」、「気持ちいい」を「サバーイ」と言います。この2つの中間である「ジェップサバーイ」の感覚がタイマッサージの世界ではベストとされています。脳がリラックス状態であるα波になるような状態をつくって、リラックス状態に持っていくのです。

体というのは多少痛くした後に、リラックスした状態をつくってあげると気持ちよさを感じます。緊張のあとに弛緩がくる。それがジェップサバーイなのです。

そしてこのジェップサバーイという感覚は個人によって大きく変わることを忘れてはいけません。マッサージを受けることも運動の1つです。そのため普段から運動している人は多少強くしても痛みを感じませんが、運動していない方や体が冷えやすい女性などは痛みを感じやすい。

マッサージをする側も、相手の閾値を測りながらその人に合った施術を探しています。そのため、マッサージを受けていて痛いと感じたときは痛いと言う。これはマッサージを受ける側にとっての基本と言っていいでしょう。

【結論】痛いときは痛いと言うのがマッサージを受ける側の基本

----------
大槻 一博(おおつき・かずひろ)
日本タイマッサージ協会、国際タイマッサージ協会会長
1981年東洋鍼灸専門学校卒業後、東京・武蔵小山にて「太極治療院」を開院。古代文明探求のため中南米や中東など、世界中の遺跡を歴訪する。
----------

(日本タイマッサージ協会、国際タイマッサージ協会会長 大槻 一博 撮影=藤中一平)

あわせて読みたい

「マッサージ」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    PCR至上主義は幻想 韓国で露呈

    中村ゆきつぐ

  2. 2

    テラハ 作り上げたリアルの実態

    浮田哲

  3. 3

    五輪中止は決定済み? 記事に驚き

    天木直人

  4. 4

    ブルーインパルスが都心飛行へ

    ABEMA TIMES

  5. 5

    河井夫妻支えた安倍首相の思惑は

    猪野 亨

  6. 6

    テラハ問題を理解できぬ若者たち

    NEWSポストセブン

  7. 7

    景気回復の奇策「消費税15%に」

    永江一石

  8. 8

    コロナ抑えたハワイ 店舗も再開

    荒川れん子

  9. 9

    フジは迷走? コロナ禍のTV企画

    メディアゴン

  10. 10

    宣言解除で再び出社させられる謎

    かさこ

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。