


2020年には国論を二分する論争がいくつかあるが、その一つが7月の東京都知事 選挙でえらばれるのは「小池百合子」か「それ以外」か?──というものだ。
本誌・週刊ポストの読者アンケート(※)では【小池百合子】45.1%、【小池百合子以外】54.6%だった。
そこで見解の異なる2人の識者の意見を紹介しよう。
●二木啓孝氏(ジャーナリスト・小池百合子派)
小池都知事に対していろいろ批判もあるが、マラソンの札幌移転騒動を機に潮目が変わったように思えます。東京としての反対姿勢を崩さず、お金も出さずにすんだ。粘った結果、「合意なき決定」を勝ち取ったことで評価が好転した。
都議会では自民党から強い抵抗を受けているが、小池の都民ファーストの会が圧倒的な数を持ち、私立高校無償化などの政策をどんどん実現させている。自民党が反発しても数が少ないため、小池都政は意外に安定しています。ここで「反小池」の都知事が誕生すれば、都政が混乱し、都民にとってはマイナスになる。
次の都知事選ではタレント候補が対抗馬になりそうですが、巨額の予算を持つ都政はプロの政治家が担うべき。その点でも小池都知事が適任でしょう。
●安積明子氏(政治ジャーナリスト・小池百合子以外派)
小池都知事は自らの実績をことあるごとにアピールしていますが、実際は都議会公明党の政策に乗っかっただけです。独自の政策としては都立病院の独立行政法人化を都議会の場でいきなり表明したが、都民に負担を強いることになりかねない政策を根回しなしに打ち出し、都政を混乱させています。
マラソンの札幌移転騒動でも、IOCが早い段階で決めていたにもかかわらず、その情報が小池都知事に伝えられず蚊帳の外でした。これは小池都知事に抵抗する勢力が確かにいるということ。自民都連との関係を見ても、都知事再選後も状況は変わるようには見えません。こうした敵の多い人物が都知事であることは、都民にとってマイナスです。
もっと小さい自治体の首長のほうが向いているのではないでしょうか。
【※本誌読者アンケート「2020年日本の重要問題について意見をお伺いします」から集計。998人が回答。100%に満たない部分は無回答】
※週刊ポスト2020年1月17・24日号