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走ったのは靴ではなく、人間だ。

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興味関心の移り変わり、というのは恐ろしいもので、今年は年末からずっと日本にいたのに、元旦にサッカーの天皇杯決勝があったことすら忘れていて、翌日の昼くらいにようやく「そういえば結果は・・・?」とスポーツニュースを見返すような事態となってしまった*1

まだ未成年の頃、テレビ番組にしても、目白押しのスポーツイベントにしても、年末から年明けにかけての一つ一つのイベントにわくわくして、実際に現場に足を運んだこともたびたびあったことを思うと、歳を重ねるというのはこういうことなのかなぁ・・・とちょっとやるせない気分にもなったりして。

だが、さすがに2日、3日で10時間電波をジャックする一大イベントだけは、今年もちゃんと見た。

かつて(昭和の終わりくらい)は、2日のお昼過ぎにダイジェストが放映されるくらいだった関東陸連のローカル駅伝大会も、メジャーエンタテインメントになって久しいし、加えて、東京五輪を控えた今、「箱根駅伝⇒五輪」というルートが再び脚光を浴びていることもあって*2、今年は陸上専門誌だけでなく、Number誌まで昨年末に大特集を組み、さらに付録で顔写真付きの「選手名鑑」まで付ける、というフィーバーぶり。

うがった見方をすれば、どの大学もチームの実力が底上げされた結果、傑出したチームやスター選手が生まれづらい状況になっていて、それゆえ、大会自体のブランド効果を前面に出さないと人気を持続できない、という状況なのかもしれないが、結果的に、日々秒単位のパフォーマンス向上に汗を流している選手たち一人ひとりにまでスポットが当たることは決して悪いことではないと思うだけに、斜陽の時代にわずかながら陸上をかじったことのある者としては、「五輪後」もこの流れが続いてくれることを切に願っている。

で、2日間終わってみれば、青山学院が2年ぶり5度目の総合優勝を飾り、昨年優勝の東海大が2位、という結果。

昨年、名将両角速監督率いる東海大が青学の連覇を阻んで初優勝を遂げた時は、これでしばらく時代が続くな、と思ったし、当時のエントリーでは慎重にお茶を濁したものの*3、主力が抜ける青学と、主力がまだ3年生だった東海大とでは勢いの差は明らかで、原晋監督の時代もいよいよ終焉を迎えるのかな・・・と想像していた*4

だが蓋を開けてみれば、青学は、スーパー1年生・岸本大紀選手、5区の2年生・飯田貴之選手が抜群の輝きを見せ、不安視された4年生も3区・鈴木塁人主将、4区・吉田祐也選手がきっちり仕事をして往路で貯金を作ったのに対し、これまでチームを支えてきた現・4年生世代のエース級をエントリーさせることさえできなかった東海大は、往路でのもたつきが仇となって、後塵を拝する結果となってしまった*5

この辺は、「4年間」名を轟かせた青学のブランド力と、躍進を遂げてからまだ1,2年という東海大のそれとの差によるところも大きいと思われるだけに、後者に関しても、箱根での「成果」に触れて大学の門を叩いた高校生たちが主力に成長する来年、再来年になれば、より拮抗した戦いになるのだろうが、いずれにしても、チームマネジメントというのは、かくも難しいものなのだな、ということを傍観者ながら痛感させられる。

また、前評判どおり往路2位、総合でも3位に食い込んだ国学院大学*6は、元々往路優先シフトを組んでいただけに、復路でも粘り切り、最後の10区(2年生の殿地琢朗選手が集団4チームの争いに競り勝って区間4位で順位を押し上げた)で3位に順位を押し上げた、ということが、来年以降の大きな財産になるはず。

東京国際大、明治大、創価大といった面々がシード権を奪い、早稲田大学も予選会の不振が嘘のような激走を見せて返り咲いた一方で、名門・駒沢大は優勝争いに全く絡めず、さらに2年連続往路優勝を遂げていた東洋大がシード権ギリギリの10位、と、ちょっとした潮目の変化で結果に大きな差がついてしまうこの世界の怖さは今年も存分に発揮されていたのだが、それ以上に、上位2チームが大会新記録を更新するようなスピードレースだったにもかかわらず、途中区間での繰上スタートは1度だけ、最下位の筑波大学でも首位との差は30分程度(昨年なら17位くらいに食い込めるタイムで走っている。また10位~18位くらいまでのチームは12分弱くらいのタイム差の中に納まっている状況である)というところに今の学生駅伝の選手層の充実ぶりを見たような気がして、予選会敗退校も含めて、また来年はがらりと勢力図が変わる可能性もあるな、と思わせる結果だった*7

なお、今大会で、往路・復路の7区間で区間新、しかも、区間によっては傑出した1人の選手だけでなく、複数の選手が一気にそれまでの記録を塗り替える結果になったこともあって、「靴」論争が湧き上がっている。

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