春名風花さん、ネット中傷に法的措置 苦しめられた10年間「絶対に引きません」
弁護士ドットコムの上記のニュースによれば、はるかぜちゃんが長年の誹謗中傷に対して発信者の法的責任を追及する法的手段に出て、四回目の発信者情報開示請求により発信者を突き止めたという。
被害者の負担の重いこの制度に敢えて挑んだ彼女に、心からエールを送りたい。
民訴法的には、なかなか興味深いのだが、はるかぜちゃんは18歳、そして父親は提訴に反対しているとのこと。
母親のみでも法定代理人としてはるかぜちゃん本人の訴えを提起することはできようが、このケースでは母親が原告となったそうだ。そして母親もともに中傷されている書き込みを標的としたという。
ただでさえ被害者の感じる誹謗中傷と法的に責任を問える名誉毀損との間にギャップが有るのに、上記のような事情とはいえ対象の書き込みが限定されるのは苦労が耐えなかったことであろう。
ともあれ、この訴訟事件を一つのきっかけとして、発信者情報開示請求権という制度が、法的責任追及の準備段階に過ぎないのに本訴を要求されていることのおかしさ、不自然さ、被害者への負担の重さについて認識が広まり、法改正の議論が巻き起これば良いと思う。
訴訟の相手をさせられるプロバイダだって、本来は本訴で争いたいわけではなく、何らかの形で裁判所が通信の秘密による開示制限を解いてくれればよいのである。
今こそ、有り得べき法改正に向けた検討を開始すべきなのだ。