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18歳の一人暮らしは「風呂なし3万円」で十分だ

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子供に独立をうながすには、どうすればいいか。開成中学校・高等学校の柳沢幸雄校長は「18歳になったら、家から出したほうがいい。住まいは『風呂なし、トイレ共同』で十分。そのほうが独立が早くなる」という――。

※本稿は、柳沢幸雄『男の子の「自己肯定感」を高める育て方』(実務教育出版)の一部を再編集したものです。

※写真はイメージです 写真=iStock.com/Ababsolutum

「安心して帰れる場所」がある子は頑張れる

「安心して帰れる場所があるか」、これは子どもの自己肯定感を育てる上で、非常に大切なことです。単に「安心して過ごせる家」という物理的な話だけでなく、精神的な意味も含んでいます。

落ち着ける家庭という居場所は、子どものチャレンジ精神を育んでくれます。何があっても受け止めてくれる、帰る場所があるとわかっていれば、子どもは思い切って外に冒険に出ることができるのです。

勉強にしろ、運動にしろ、芸術にしろ、外の世界は厳しく、いつも勝てるとは限りません。むしろ負けることのほうが多いでしょう。そんなとき、家に帰ってホッとできるかどうか、次の冒険への英気を養うことができるかどうかは、非常に大切なことです。

頑張り続けられる子というのは、そのような帰る場所を持っているもの。親の役割は冒険に一緒に付き添うことではなく、負けて帰って来たわが子を温かく迎え入れることなのです。

中学受験で第一志望校に不合格になると、子ども以上にがっかりしたり、泣いたりする親御さんがいますが、それは役回りを間違えているとしか言えません。なぜなら、一番つらいのは実際にチャレンジした本人です。親はプレーヤーではなくマネージャーなのですから、必ず一歩引いてお子さんを支えてください。

そのために親は、子どもが負けて帰ってきたときに、どうやって受け入れるかを常に考えておきましょう。それはお子さんにかける言葉かもしれませんし、好きな夕飯を用意することかもしれません。一緒にテレビを見たり、映画に行ったりすることかもしれません。

子どもが安心して帰れる場所を用意してあげられるかどうか。それはかなり重要な親の役割です。

18歳になったら1人暮らしさせる

安心して帰れる場所を用意した後は、そこから追い出さなければなりません。居心地のいい家がいつまでもあると、その先何年、何十年も出ていかないということになりかねないからです。

私は常々、「18歳で子どもは外に出しましょう」と言っています。つまり、高校卒業のタイミングです。進学するにせよ、働くにせよ、家から一度出すのがいいのです。なぜか。このことが、子どもの自己肯定感を大きく上げることにつながるからです。

今、みなさんがお子さんに与えている生活は、かつてないほど高水準のものです。人類史上最高と言ってもいいでしょう。そしてこれ以上、上げることもかなり難しい。しかし、1人暮らしをすれば、生活水準はガクッと下がります。そしてそれが上がったときに、自分の力を感じることができるようになります。

中国の若者は、なぜ生活への満足度が高いのか

日本の若者の保守化傾向は、この高い生活水準にも原因があると考えられます。下がる可能性のほうが高いから、新しいことへの挑戦を躊躇してしまう。それと同時に、今の生活水準は親がつくりあげたものであって、「自分でつくりあげたものではない」ということもわかっています。それゆえに、漠然とした不安を抱えているのです。

これは、日本と中国の若者を比較するとあきらかです。生活に対する満足度を比べると、高い生活水準で暮らしている日本の若者よりも、中国の若者のほうが高い。なぜなら、中国の若者は毎年生活水準が上がっていくことを実感しているからです。

ところが日本の若者の場合、「落ちるかもしれない」という不安があるために満足感が低い。生活水準とその満足度は、必ずしも一致するわけではありません。むしろ大切なのは、「自分の力で生活水準が上がっている」という実感です。階段を上っていることを感じられれば、何かをやろうという気持ちも生まれます。

良いマンションを借りてあげてはいけない

落ちる不安に怯えて暮らすくらいなら、いっそ落としてしまえばいい。それが18歳での1人暮らしです。厳密には、1人で暮らす必要はありません。下宿でも寮でも、親元から離れて暮らすということです。例えば東京や大阪などの大都市は家賃も高いですから、下宿や寮が現実的な選択肢となるかもしれません。立派なワンルームマンションを借りてあげる必要はありません。いえ、借りてあげてはいけないのです。

東京には、地方から、海外から、たくさんの学生が集まっています。みんながいいマンションに住んでいるわけではありません。あまりキレイとは言えない寮や下宿を選ぶ学生も、もちろん多くいます。都心にも、風呂なし、トイレ共同といった物件はたくさんありますし、そういった物件は「バストイレ付き物件」と比べると、たいてい3~5万円ほど安く借りることができます。

親元を離れた生活を、そういった環境からスタートさせれば「自分はどこでも生活できる」という自信をつけることもできます。それこそ働いて「バストイレ付き」の部屋に引っ越したとしたら、自分の成長を肌で感じることができるもの。「一国一城の主」といった気分を味わえるかもしれません。

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