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実質破綻でも「家具屋姫」を更迭できないヤマダ電機の運命

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業績不振とは裏腹に久美子社長のプライドが目立った会見

経営不振にあえぐ大塚家具が、業務提携先の家電量販店ヤマダ電機宛に約44億円の第三者割当増資を実施。ヤマダ電機(以下ヤマダ)は持ち株比率で51%の大塚家具株式を取得し、大塚家具はヤマダの子会社となることが発表されました。

会見での大塚久美子社長の応対は、ひどいものでした。業績不振、他社資本傘下への子会社化、社長続投可否に対して、経営責任を問う声にも全く悪びれるところはなく、むしろ自身の成果として新たな路線を見出したかのような晴れ晴れとした物言いは、違和感以外の何ものでもありませんでした。

今回の件をあくまで資本業務提携と表現し、経営支援、子会社化、傘下入りといった単語が、久美子社長の口から聞かれることはなし。大塚家具の置かれた立場とは裏腹に、久美子社長の不要なプライドばかりが鼻についた会見でした。

共同通信社

父との和解案決裂でハイラインズからの支援も白紙状態に

大塚家具は3年半前、創業者である大塚勝久氏と長女久美子氏の経営権争いによって久美子氏が社長に座り、父が築き上げた高級家具路線から大衆化に舵を切り経営近代化をはかったものの大きく思惑が外れて、2016年3月期から3期連続で大幅な赤字を計上。

今年3月には中国資本ハイラインズからの資本供与が発表され、一度は中国資本の軍門に下るかに見えた名門家具販売企業でしたが、急転直下、大手家電量販店の多角化戦略に飲み込まれる道を余儀なくされました。

「大塚家具『買収』へのカウントダウン。久美子社長は父との復縁で企業存続を目指すべき」

そもそも3月のハイラインズとの当初第三者割当増資38億円、加えて同額の新株予約権で最大76億円と公表された資本供与による提携話はどうなったのか。メディア報道の悪い癖でそのあたりの続報が聞こえてこなかったのですが、調べてみると、当初の38億円は結果的に26億円でストップ。その後は追加支援の見通しが立たず、白紙状態になったといいます。

ハイラインズが提携発表の際に話していた戦略は、同社が懇意にしている中国の家具販売大手イージーホームを通じた中国本土での販路拡大でした。特にイージーホームは中国富裕層取引に強く、大塚家具元来の対富裕層コンサルティング営業ノウハウの取り込みが最大の狙いであったのです。

そのノウハウは創業者勝久氏と側近たちが持っており、現実に勝久氏が側近たちと立ち上げた匠大塚は、業績好調が伝えられてもいます。それゆえ、当時会見の席上で陳海波社長はさかんに勝久氏との和解を望む旨を強調しており、勝久氏の持つノウハウや人脈を求めての資本支援であることは明白でした。

ほどなく久美子社長から勝久氏への和解案が、新たな業界団体立ち上げと勝久氏にその代表の座を用意するという形で具体的に提案されましたが、勝久氏の答えはノーでした。

言ってみれば、娘に自宅を追い出された父が、今度は娘の都合で自宅そばにいてもらいたいので別宅を用意するからそこに住んでくれ、と今更娘に言われたわけです。「はい分かりました」とならないのは当然といえば当然です。

こうして、ハイラインズが最も欲しかった創業者が持つ対富裕層取り込みノウハウは得られずに終わり、結果当初予定された資本支援は完全履行されることなく尻切れトンボに終わってしまったということなのです。

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