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ゴーン氏によるこの脱出コメディ劇で証明されたこと

さて、元日産社長カルロスゴーンの隠密かつ電撃のレバノンへの日本脱出劇であります。

そして今回は、未確認ではありますが、レバノンの主要テレビMTV(電子版)は三十一日、カルロス・ゴーン被告が楽器箱に隠れ、日本の地方空港から出国したと報じています。

(関連記事)

ゴーン元会長「楽器箱に隠れ出国」 現地メディア報道
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54001500R31C19A2I00000/

さて、今回の日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告の国外逃亡について、逃亡先のレバノンや国籍を持つフランスのメディアはおおむね好意的に伝えています。

レバノン紙によると、ゴーン被告は三十日に首都ベイルートの国際空港に到着。大手紙アンナハル記者は「レバノン市民として合法的に入国した。アウン大統領と面会した」としています。

両親の出身地で被告が少年時代を過ごしたレバノンでは、立身出世の「英雄」として被告を擁護する声が多いく、友人の一人は「新年に訪れた奇跡だ」と歓迎し、「彼はいま、適切な保護下にある」と明かしています。

また仏高級紙ルモンドは、再保釈された四月から監視下に置かれ「妻と会い、話す権利すらなかった」と一定の理解を示しています。

(関連記事)

ゴーン被告逃亡 海外報道は好意的 レバノンや仏メディア
https://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/202001/CK2020010102000104.html

「ゴーン氏の華々しい新展開」と伝えた仏経済紙レゼコーは、連日本件で複数記事を掲載しているのですが、中でも注目すべき深い記事がありましたのでご紹介。

記事タイトルは、"Pourquoi Carlos Ghosn ne court quasiment plus aucun risque judiciaire"、そのものズバリ「カルロスゴーンが法的リスクをほとんど負わない理由」であります。

Pourquoi Carlos Ghosn ne court quasiment plus aucun risque judiciaire

https://www.lesechos.fr/industrie-services/automobile/pourquoi-carlos-ghosn-ne-court-quasiment-plus-aucun-risque-judiciaire-1159717

記事を要約すれば、「カルロスゴーンは偶然レバノンを選択したわけではない」、極めて計画的な「大脱走」であるとの分析です。

ブラジルで生まれたがレバノン出身で6歳で母親と一緒にベイルートに戻った彼はそこで育ち、17歳でフランスのスタニスラス高校に留学、彼のキャリアのおかげで、カルロスゴーンはブラジル、レバノン、フランスの三重国籍者、3つの国籍を持っているわけです。

結果、彼は引き渡しから保護されます。

この企業家はレバノン市民であるため、ベイルートはカルロスゴーンを日本に引き渡すことができません。レバノンと日本は犯罪者引き渡し契約に署名していません。

また、日本からの要望で、フランスがフランス国籍を根拠にパリへの身柄引き渡しをレバノンに要求し、その後彼を東京に送るケースはどうでしょう?

フランス人弁護士は「それも不可能であり、フランスは何も要求することができない」と断言します。。

レバノンとフランスも、刑事問題における相互法的支援協定に拘束されていないのです。

従って最も可能性の高いのは、消極策ではありますが日本によるインターポールを介した国際逮捕令状の申請です。

申請が通れば、カルロス・ゴーンは、逮捕される危険を冒すことなく、レバノンを離れることができなくなります。

日本もしくはフランスと犯罪者引渡し条約を結んでいる国への渡航はリスクを伴うことに、理論上ではなります。

しかし隠密に入出国をする多くの手段を資産家の彼はもっているのです。

以上のことから、仏経済紙レゼコーは、記事タイトル通りの「カルロスゴーンが法的リスクをほとんど負わない理由」があるのだと主張します。

すでに彼が日本の法を犯している事実を無視して「法的リスクをほとんど負わない」と言い切るレゼコー記事なのでした。

・・・

まとめます。

おそらくこの仏紙記事の報じるように、残念ながら彼は逃げ延びる公算が高いのでしょう。

このコメディのような展開は、今振り返れば昨年3月の、保釈に際し、世界中の注目を集めた「変装劇」、あそこから繋がっているように思えてなりません。

当時の産経新聞記事から。

保釈時の変装「名声に泥」 ゴーン前会長弁護人が謝罪

https://www.sankei.com/affairs/photos/190308/afr1903080008-p1.html

あの「変装劇」は日本人弁護士の発案だったそうですが、何が顰蹙を買ったかと言えば他人の発案であろうとも、ゴーン氏自ら積極的に変装してまで世間を欺こうと劇に参加していたことです。

今回の「楽器箱に隠れ、日本の地方空港から出国した」のが事実だとすれば、これも世間を欺く全くのコメディ劇そのものです。

ひとつはっきり証明されたことは、やはりカルロスゴーン氏には法律を守ろうという遵法意識は欠片もなかったことであります。

おそらく日産の社長をしていたときも、遵法意識は欠片もなかったことは容易に想像できるのでした。

やれやれです。

(木走まさみず)

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