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- 2012年07月08日 13:59
アイルランドが国債入札を再開
7月5日にアイルランド国債管理庁(NTMA)は、5日に5億ユーロ相当の3か月物証券の入札を実施した。アイルランド政府が政府資金調達を行ったのは、2010年9月以来で初めてとなる。
金融危機後の銀行の救済で深刻な財政危機に陥ったアイルランドは、2010年11月末に欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)との間で総額850億ユーロ規模の緊急支援を受けることで合意した。欧州最大の独立系中央清算機関であるLCHクリアネットが、アイルランド国債に対する証拠金を11月10日に引き上げ、それがひとつのきっかけとなり、アイルランド国債の利回りが上昇した結果、支援を仰ぐこととなった。
アイルランドはこの金融支援を受けて財政の立て直しを進めていたが、6月28日から29日にかけて開催されたユーロ圏首脳会議で、ESMが銀行に直接資本を注入する、つまり銀行へ政府経由ではなく救済基金からの直接の資本注入が可能となり、これを受けて銀行の救済で膨らんだアイルランドの債務問題が解消に向かうのではとの期待から、アイルランドの国債は買われたことで、アイルランド政府はこの市場環境で資金調達が可能となったと判断したものとみられる。
6月28日から29日にかけてのユーロ圏首脳会議では、ユーロ圏の銀行の監督制度を統一することで合意し、さらにESMが銀行に直接資本を注入する、つまり銀行へ政府経由ではなく救済基金からの直接の資本注入が可能になる。EUの財政ルールを順守している国が、EFSFとESMを活用して金融市場で国債を支援することも認められ、スペインの銀行向け緊急融資の条件に関し、返済優先権を放棄することで合意し、イタリアが対象となる可能性がある支援の条件を緩めることでも合意した。
これらの合意はあくまで短期的な措置との認識はあるが、それでも市場はここまで踏み込んだ対策合意までは予測しておらず、この結果を受けてリスク回避の動きは一端後退しつつある。また、銀行への直接資本注入などに対して具体策が決められていないとの指摘もあるが、ユーロ圏首脳会議で合意があった以上、今後はその具体策も詰めてくるものと期待される。
これらにより、欧州の信用不安が完全に払拭されるわけではないが、欧州の信用不安払拭に向けての各国首脳の真剣な取り組み姿勢は評価されるものと思われる。米大手格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズも、ユーロ圏債務危機について、先週の欧州連合(EU)首脳会議・ユーロ圏首脳会議での合意が正しく実行され、欧州中央銀行の一部支援が得られれば、この問題が転換期を迎える可能性があるとの見解を示した(ロイター)。
格付け会社の見解ではあるが、この見方にも一理あると思われる。昨年末から今年に入り、ギリシャの信用不安が後退したことから、一時リスクオフの動きが後退したが、4月あたりからは今度はスペインの金融システム不安の強まりで、再びリスクオフの動きが強まった。しかし、その動きは今回のユーロ圏首脳会議を受けて今後再び後退してくる可能性もありうる。そのひとつの象徴的な出来事として、アイルランドが国債入札の再開が取り上げられるかもしれない。
金融危機後の銀行の救済で深刻な財政危機に陥ったアイルランドは、2010年11月末に欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)との間で総額850億ユーロ規模の緊急支援を受けることで合意した。欧州最大の独立系中央清算機関であるLCHクリアネットが、アイルランド国債に対する証拠金を11月10日に引き上げ、それがひとつのきっかけとなり、アイルランド国債の利回りが上昇した結果、支援を仰ぐこととなった。
アイルランドはこの金融支援を受けて財政の立て直しを進めていたが、6月28日から29日にかけて開催されたユーロ圏首脳会議で、ESMが銀行に直接資本を注入する、つまり銀行へ政府経由ではなく救済基金からの直接の資本注入が可能となり、これを受けて銀行の救済で膨らんだアイルランドの債務問題が解消に向かうのではとの期待から、アイルランドの国債は買われたことで、アイルランド政府はこの市場環境で資金調達が可能となったと判断したものとみられる。
6月28日から29日にかけてのユーロ圏首脳会議では、ユーロ圏の銀行の監督制度を統一することで合意し、さらにESMが銀行に直接資本を注入する、つまり銀行へ政府経由ではなく救済基金からの直接の資本注入が可能になる。EUの財政ルールを順守している国が、EFSFとESMを活用して金融市場で国債を支援することも認められ、スペインの銀行向け緊急融資の条件に関し、返済優先権を放棄することで合意し、イタリアが対象となる可能性がある支援の条件を緩めることでも合意した。
これらの合意はあくまで短期的な措置との認識はあるが、それでも市場はここまで踏み込んだ対策合意までは予測しておらず、この結果を受けてリスク回避の動きは一端後退しつつある。また、銀行への直接資本注入などに対して具体策が決められていないとの指摘もあるが、ユーロ圏首脳会議で合意があった以上、今後はその具体策も詰めてくるものと期待される。
これらにより、欧州の信用不安が完全に払拭されるわけではないが、欧州の信用不安払拭に向けての各国首脳の真剣な取り組み姿勢は評価されるものと思われる。米大手格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズも、ユーロ圏債務危機について、先週の欧州連合(EU)首脳会議・ユーロ圏首脳会議での合意が正しく実行され、欧州中央銀行の一部支援が得られれば、この問題が転換期を迎える可能性があるとの見解を示した(ロイター)。
格付け会社の見解ではあるが、この見方にも一理あると思われる。昨年末から今年に入り、ギリシャの信用不安が後退したことから、一時リスクオフの動きが後退したが、4月あたりからは今度はスペインの金融システム不安の強まりで、再びリスクオフの動きが強まった。しかし、その動きは今回のユーロ圏首脳会議を受けて今後再び後退してくる可能性もありうる。そのひとつの象徴的な出来事として、アイルランドが国債入札の再開が取り上げられるかもしれない。



