さすがにこれは驚いた。
ゴーン被告が何らかの方法で日本を出国し、レバノンに到着し、つい先ほど声明を発表したことが明らかになった。
マスコミから取材された弁護人の一人が、今は何も言えない、と言わざるを得なかったのはまさにその通り。
報道されていることが事実だとしたら、保釈が取り消され、保釈金が没取されることはもとより、いずれは現在のゴーン被告の弁護人は弁護人を辞任せざるを得なくなるだろう。
ゴーン被告には日本で有数と言われる刑事弁護人が複数ついていたのだが、ゴーン被告と弁護団の間に隙間風が吹いているらしいことはある程度分かっていた。
ひょっとすると弁護人がまた交代することになるかも知れないぞ、と一部で囁かれていたのだが、さすがにこんな形で弁護団に不信を突き付けるとは思わなかった。
ゴーン被告が本当に信頼する弁護士はアメリカの弁護士で、ゴーン被告やその周辺の人は、日本の刑事弁護士や日本の刑事裁判には何の信頼も置いていなかったということだろうと思う。
ゴーン被告の金銭への執着が尋常でないことは、一連の報道で承知していたが、どうやらゴーン被告は金の力で何でも出来る、とでも思っていたようである。
アメリカの陪審裁判では時々思いがけない結果が出ることがある。
そういう文化に慣れ親しんでいると、日本の裁判は融通が利かず、思うような判決が出ない、とでも思ったのだろうか。
唖然として声も出ない。
目的を達成するためには手段を択ばない、日本による刑事制裁を免れるためには国外逃亡も厭わない、日本の裁判所や弁護士との信頼関係を破壊することになっても、自分の身の安全が確保できれば構わない。
ゴーン被告は、どうやらそういう信条の人間だったようである。
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- 2019年12月31日 14:15