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和田アキ子、北島三郎、TOKIO……紅白常連歌手たちはなぜ“姿を消した”のか? - 近藤 正高

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 今年で第70回を迎えたNHKの紅白歌合戦。11月14日に出場歌手が決まったあとも、RADWIMPSが白組に加わり、さらに竹内まりや、YOSHIKI feat.KISS〈YOSHIKISS〉、ビートたけしと特別企画での出場者もあいついで発表された。だが、特別枠をのぞくと、出場者は全体的に若返った印象を抱く。今年の出場歌手42組のうち50歳以上は、紅組では天童よしみ(65歳)、石川さゆり(61歳)、松田聖子(57歳)、坂本冬美(52歳)の4人、白組では五木ひろし(71歳)、郷ひろみ(64歳)、福山雅治(50歳)の3人にとどまった。

【写真】和田アキ子、北島三郎、TOKIO……懐かしい?紅白常連歌手の写真を見る(全10枚)


女性歌手史上最多42回目の紅白を迎える石川さゆり ©文藝春秋

20回以上の“常連組”が半分になったワケ

 出場回数で見ると、出場回数が20を超えるのは、今年で49回と単独で歴代2位となった五木ひろしを筆頭に、42回の石川さゆり、32回の郷ひろみ、31回の坂本冬美、24回の天童よしみ、23回の松田聖子、そして2000年以来20回連続の出場となる氷川きよしの7人である。いまから4年前、2015年の紅白では20回以上の出場者(特別出演をのぞく)が12組いたから、半分近く減ったことになる。ちなみにこの12組のうち、今年の顔ぶれにないのは、紅組では和田アキ子(39回=2015年の時点での出場回数、以下同)、伍代夏子(22回)、藤あや子(21回)、白組では森進一(48回)、細川たかし(39回)、SMAP(23回)、TOKIO(22回)である。

 あらためて確認してみると、これら常連歌手のうちTOKIO以外は翌年、2016年には選から漏れたことがわかる。今年へとつながる紅白の若返り化の画期となったのが、まさにこの年であった。森進一は、どこかでけじめをつけねばならないと数年間考えた末、歌手生活50周年の区切りを迎えた前年の出場をもって紅白から退いていた。SMAPもこの年、紅白に出場しないまま解散する。さらに出場40回の大台に乗るはずだった和田アキ子は選ばれず、波紋を呼んだ。一方、同じく出場すれば40回となった細川たかしは、世代交代が必要だとして事前に出場辞退を表明していた。和田もまた、そろそろ世代交代をしないといけないと思いつつも、選から漏れたのは《正直ショックでした》とのちに明かしている(※1)。

北島三郎が最後に言い残したこととは?

 森進一や細川たかし以前にも、紅白を自ら辞退した歌手は少なくない。2013年には、北島三郎が歴代トップとなる通算50回目の出場を機に《50回の区切りで1本、線を引いて、若い人たちに道を譲れればと思った》として、紅白からの引退を宣言したのは記憶に新しい(※2)。ここでもキーワードはやはり世代交代だった。

紅白のオファーを辞退し続けた歌手

 1998年に出場を辞退し、《今後、曲がヒットしても(紅白に出たくなることは)ありません》(※3)と卒業を宣言した都はるみの場合はやや理由が異なる。この年、日生劇場などで1ヵ月公演を打つなど多忙をきわめた彼女は、すでにコンサート・シンガーとして自信を深めており、紅白と共生する意味も興味も失ったという。当時の新聞には、《NHK側は「極めて惜しい」(選定スタッフ)と悔しがりオファーを続けたが、かなわなかった》とある(※4)。

 都はるみは、1984年の紅白をもって一旦は歌手を引退し、後進のプロデュースなどに注力するが、5年後の紅白出場を機に歌手活動を再開していた。1989年、元号が昭和から平成へ改まったこの年、紅白は初めて19時台からの放送となり、21時までの第1部では昭和を振り返るプログラムが組まれた(第2部は通常どおりの歌合戦形式で放送)。このとき、藤山一郎、春日八郎、三波春夫、村田英雄ら昭和を代表する大物歌手がそろい、ザ・タイガースやピンク・レディーも再結成して出演するなか、はるみも「1日だけ」との条件でカムバックする(※5)。曲目は初期のヒット曲「アンコ椿は恋の花」だった。本人としては復帰したいから歌ったわけではなかったが、紅白で歌ったのがきっかけで、また歌をうたいたいと思うようになったという。年明け2月には、以前所属していた事務所に電話をかけ、復帰を伝えるにいたった(※6)。

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