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「いつでも、どこでも、誰でも、何度でもチャンスにアクセスできる国日本」-故宮川典子衆議院議員について

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 さて、冒頭にも記しましたが、乳がんと診断されてから3年半の闘病生活でした。したがって、文部科学大臣政務官を務めておられた1年強の期間も含め、先に記したことはおおむね、がん治療をしながらであったということだと思われます。これは全く驚くべきことであり、強靭な意志のなせる業ではないかと言いようがありません。ただ振り返れば、今年の春ごろから、自動車に接触する事故にあったとしてやや痛々しそうな歩き方をしておられました。今にして思えば、あれは果たして何の痛みだったのか。あるいは、野田聖子議員による追悼演説でも、昨年5月には入院中であったことが述べられていますが、これも何のための入院だったのか。

 政治家という仕事の宿命として、病気であることを公表することは慎重にならざるを得ません。自分の生命と政治生命を天秤にかけなければならない場合も十分に起こります。特に宮川先生の場合、山梨県が定数減となりコスタリカ制の対象であったこと、またお隣の山梨2区では前回衆院選挙において自民党元職と自民党現職が二人とも立候補して選挙を戦い、当選した現職が追加公認される形で同様の問題の解決が図られていたことも踏まえると、宮川先生がなかなか他人に弱みを見せることができなかった事情も想像するのはそう難しくありません。そのプレッシャーの中で山梨と東京を往復し、東京では公務や政務をこなし、山梨では地元活動を行い、さらに地方出張まで行ってひまわりのような笑顔でニコニコと過ごすのは、どれだけ辛いことだったのか、身体を痛めつけることだったのか、簡単に推し量ることを許しません。今夏の参議院議員選挙の応援中にドクターストップがかかり、最後の入院となったようです。壮絶の一語に尽きます。働き方改革の一環として「病気治療と仕事の両立」が唱えられることがありますが、そんな簡単に言ってしまってよいのかと9月13日以降、いささか悩んでいます。もっと身体を労わってもらうことはできなかったのかと、つい思ってしまいます。とにかく、宮川典子先生は、病との闘いにおいても、本当によく頑張りました。

 衆議院本会議にて登壇する機会があったことは、一つの救いだったと思います。国会議員であっても、特に自民党所属の場合は、なかなか衆議院本会議で登壇し、演説する機会は与えられません。衆議院議員になれば、本会議で登壇し、議事録に自分の言葉を刻みつけることが最初の目標のひとつになりますが、しかし早くて当選2回から、今の当選3回生は機会に恵まれず未経験の方もまだ多いのが実際です。その中で、今年(平成31年)3月14日の衆議院本会議において、宮川典子先生は「大学等における修学の支援に関する法律案」(内閣提出)及び「学校教育法等の一部を改正する法律案」(内閣提出)の趣旨説明に対し、自由民主党を代表して質問に立たれました。結びの数段落を引用します(全文は議事録をご覧ください)。

 「いつでも、どこでも、誰でも、何度でもチャンスにアクセスできる国日本、これこそ今後の日本が目指すべき国のあり方だと私は考えます。人生百年時代を迎えようとも、自分の生きがいを見つけるチャンスがあふれていれば、この国に生きる人々は喜びがどんどんふえていく。日本は資源に乏しい国だとよく言われますが、それならいっそ、日本の資源はいつでも誰でもアクセスができるチャンスの数々だと胸を張れる国になるべきです。
 その国づくりを引っ張っていくのは、間違いなく教育改革です。もし今の日本が閉塞感に覆われているというならば、未来を切り開く力の源、教育で日本を立て直していけばよいのです。
 政治が強い意志を持ち、毅然と改革に取り組んでいくことこそが、子供たちや若者たちの希望を確かなものにすると私は信じております。この改革の歩みを決してとめることのないよう、議場の皆様に強く訴えて、私の質問を終わります。」

 決して整った言葉なわけではないかもしれない。理想論でしかないのかもしれない。動画を見直してみると、決して本調子ではなさそうにも見えます。でも間違いなく、宮川典子先生の40年に及ぶ人生が、これらの言葉に美しく結晶しているように、僕には思えてなりません。結果として遺言のようになってしまった、しかし日本国がなくなる日まで国会の議事録に刻まれているこれらの言葉を、文部科学省の方々および全国の教育に携わる方々には今後ずっと励みにしていただきたいですし、政治の道にあるものは改革の歩みを止めることのないよう、遺志を継いでいかなければなりません。

 主に仕事面のことを記しましたが、個人的には、飲み会で僕がひどく泥酔してしまい松本洋平議員とともに宿舎まで肩に担いで帰ってもらったとか、編笠山や北岳など山梨県内の登山に行った際には宮川事務所の皆さまやお母様や弟君ともどもご歓迎いただいたとか、大学の先輩後輩のよしみでとてもお世話になりました。重ねて感謝を申し上げるばかりです。宮川典子先生、本当にありがとうございました。

 どれだけ言葉を費やしても、もう再び議場などでお姿を目にすることがないのは、誠に残念で寂しいことです。せめて天上にて、早くに他界されてしまったお父様と再会され、肩の荷を下ろして、心安らかに過ごされていることを祈っています。

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