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サラダに無断でかけて出されるドレッシングが許せない

先日、東京藝術大学の戸澤遥さんが、出される食材にマヨネーズが勝手にかけられていて、これはハラスメントであるという公論を打ち立て政党化したという画期的なニュースが流れてきました。

そのマヨネーズ、必要? 「ストップ・マヨハラ党」芸大生が旗揚げ - withnews(ウィズニュース)
https://withnews.jp/article/f0191229000qq000000000000000W09j10101qq000020176A

 さらに、その党首・戸澤さんの兄を名乗る人物もYoutubeで主張を繰り広げておりました。お前ら兄妹で何してんだよと思わないでもありませんが、その主張を耳にするとき、確かに一理あるなと感じます。

ストップ・マヨハラ党の戸澤遥党首の兄貴です!妹の応援をするためと社会の偏見を救う為の動画です https://youtu.be/2QpjW4hM4CA 

 言われてみれば、私もしょっぱい食材があまり好きではなく、ピザに塩漬けのアンチョビが乗って出てくると「うっ」と思いながらそのまま食べるわけですが、やはり許せないのは出されたサラダに於いて無断でドレッシングがかけられているケースです。

 これ、もう逃げようがないじゃないですか。

 若い頃はまだ気力が充実していたので、ドレッシングが掛かっていない部分を丁寧に選り分けて残ったドレッシング部分を葉っぱから振り落として食べるという手間暇もかけれていたのですが、昨今では千切りキャベツや粒コーンまでドレッシングがかかってしまっているのを見ると、精神を統一して無心で速やかに食べ切るという大人の解決を図るようになりました。

 マヨハラ党はマヨネーズの氾濫に対して警鐘を鳴らしていますが、つまるところ、これは消費者における選択肢をどれだけ増やし、自己決定権を保障する社会にしていきたいという公民運動であると私は思います。マヨネーズもドレッシングも拒否をしたい人たちに対する押し付けから解放されるべき食材であり、好きな人は好きなだけかけて食べ、太れば良いのです。

 一方で、完全に一体化している食材については、これはそういう食べ物なのだと許容する社会だって欲しいとも思います。バーガーキングのハンバーガーや、ホットドッグに入っているケチャップまでは食べ物としてのアイデンティティが成立しているのでこれは国民として受け入れなければならない事象です。

 しかしながら、たまに猛烈に酸っぱい地雷のようなピクルスが挟まっていたり、行楽地で作ってくれるバイト君が断りもせずに黄色い一本線で味付けしてしまうマスタードが味覚に困難を呼び覚ましたり、カネを払っている側がなぜ無邪気なハラスメントを受ける前提で世の中が平然と成立してしまっているのか、改めて問われなければなりません。

 やはり、本来であれば期待した味、望まれる食材であるべきだと思うので、塩コショウ類からマヨネーズタバスコマスタードドレッシング類といった調味料についても、極力選択肢を国民に提示し、その自己決定権を容易に行使できる法律の施行が望まれているのは間違いありません。

 それは、妊婦さんがわざわざ自分から「妊婦です」と言わなくても周辺の人が身に着けた「おなかに赤ちゃんがいます」マークで自然と配慮をしたり、前で運転している車のトランク付近に「ヤクザが乗っています」というステッカーを見たら煽り運転を控えるといった、世の中がストレスなく潤滑に回る仕組みを増やしていくことで、マヨネーズやドレッシングから私たちは開放され、より良い社会を構築し、次世代に引き継いでいくことができるのではないかと思うのです。

 問題は、世に蔓延るマヨラーなど、特定の属性を前面に押し出して、それが個性だと思い込んでいる人種への対処です。もちろん、マヨネーズが好きだ、ドレッシングはかけられるだけかけたいという人がいるのであれば、それは自由です。ただし、それはあくまで本人がそうであるというだけであって、マヨラーの周辺100メートルの人が全員マヨネーズ好きとは限らないにもかかわらず、食事処でマヨネーズがあればここぞとなかりに「私、マヨラーなんです」と公言し、訊いてもいないのに自分がいかにマヨネーズが好きかを力説する馬鹿が後を絶ちません。もはや環境汚染と言っても過言ではないぐらい、お前がマヨネーズ好きだという事実で他人の人生の一分一秒を占領しようとするのはやめてほしいのです。

 これはまさにヴィーガン一歩手前の価値観の押しつけの実態であって、ハラスメントの本質でもあります。お前はマヨネーズをかけてサラダを喰う、私は何もつけずに食べる。お互いに、サラダに何をかけるべきかには干渉しない。そして、これらは飲酒や喫煙といった、嗜好品すべてに関わる問題です。

どうやら「健康警察」の次のターゲットは「アルコールは少量でも身体に悪い」らしい酒飲みにとって、アゲンストの風が吹き始めている
#山本一郎 #文春オンライン https://bunshun.jp/articles/-/22067

 つまり、「あなたの体に悪いから」。太っている人にマヨネーズを断念させ、血圧が心配な人にドレッシングを諦めさせ、具合が悪そうな人に飲酒は「身体に悪い」と諭し、妻帯者に禁煙を薦める。おまえのためを思って、他人の自己決定に土足で踏み込んでくる悪しき風潮がいまここにあります。違法でなければ、健康をそこまで害さないのであれば、他人に迷惑を大きくかけるものではなければ、多少はこういうのを嗜むことだって許されるべきではないのか。

 ただ、マヨネーズやドレッシングが異なるのは、「すでにそれらがかけられて出てくること」に他なりません。唐揚げ頼んで勝手にマヨネーズがかかって出てくるとか言語道断だと思うんですよね。隣の席でタバコ吸う人がいれば「すいませんタバコ苦手なんで」と最初は丁重に、やがて「タバコやめろって言ってんだろ」とマウントを取りに行けば概ね災害は去るのに比べて、マヨネーズは取り返しがつかないんですよ。もはや「その店には行かない」以外の選択肢は、ないのです。

 さらに、店の人は別に悪くないのに、同席者に無断で唐揚げにレモンをかける人物がいると事態はさらに悪化します。ふざけるな。酸っぱいの好きじゃないんだよ。しかしここで「レモンはやめろ」と声を荒げると、場が冷めるので黙って大人の解決をしてしまう私たちの側にも、ハラスメントに対して声を上げることをためらう悪しき風潮を助長しています。盗難や性犯罪では被害を被ったと申し出ること自体が気持ち的に憚られるので黙っているという暗数が発生しますが、おそらく世には大量のレモンによるハラスメントの暗数が存在して、日本中の居酒屋やファミレスで同様の悩みを抱える人たちがいるはずなんですよね。

 望まれる「とりマヨの意識改革」においては、もっぱらマヨネーズに対するハラスメントの実態からの解決策が列挙されていますが、広く「当たり前が押し付けられているというハラスメントの現状」を詳らかにし、真に自由で開かれた民主的な日本社会の実現に向けて努力していってほしいと心から願っております。


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