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「薬物依存なんて言い訳」暴力団幹部が語るその意味は?

クスリをやめたければ誘惑の多い場所に行かなければいい(イメージカット)

 警察や軍関係の内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た警官の日常や刑事の捜査活動などにおける驚くべき真実を明かすシリーズ。今回はクスリの薬物依存について、暴力団幹部が自らの体験を語る。

 * * *
「薬物依存なんて、捕まったやつの体のいい言い訳にすぎない」

 暴力団幹部はそう言い切った。

 薬物依存は、芸能人や有名人が大麻や覚せい剤で逮捕される度に問題にされ、彼らが薬物と手を切ることができない理由と考えられている。元タレントの田代まさしは、薬物依存リハビリ施設のスタッフになっていたこともあるが、覚せい剤取締法違反で5回目の逮捕。逮捕時51歳だったピエール瀧は20代の頃からコカインや大麻を使用していたといい、沢尻エリカも10年以上前から違法薬物を使用していたと供述。釈放されるや都内の病院に直行し入院、違法薬物を断ち切る治療を受けるためと報じられた。

「薬物依存? ふざけんじゃない!って話だよ」

 暴力団幹部は憤慨する。

「クスリは外を歩けばどこにでも売っているモンじゃない。食事に行けばメニューにズラリと載っている酒とは違う。薬物が手に入りやすい環境にあった、誘惑がたくさんあったんだろうとコメントするやつがいるが、あれはクスリをやったことがない人間の言うたわ言。欲しいやつらは、自分から誘惑されに行くんだよ」

「タバコや酒じゃあるまいし、自販機やコンビニで売ってるわけじゃないんでね。自分から手に入れようと動かないかぎり、クスリは手に入らない。入手できるようなところに自分から行ってるんだ」

 簡単に入手するのは難しいが、その気になればわりと簡単にたどりつくと暴力団幹部は言う。

「沢尻のように、クラブに出入りしていれば誰かしらやっているだろうし、六本木辺りの外国人に声をかければ、必ずつながりができる。ネット販売している者もいるぐらいだから、普通の人が入手するのが難しい品物という認識はもう違う」

「ヤクザにはヤクザが、素人には組織とつながりのある堅気の売人がいる」

 芸能人、有名人であれば、交友関係も広く誘惑も多いと思うが…。

「どこがそういう場所なのか、どんなやつが危ないか、クスリをやっているやつはわかっている。そういう場所に行かなければいいし、そういう相手に会わなければいい。わざわざ探してまで、やらなければいい。自分で手にさえしなければいいわけだ」

「環境や友人の影響もあるのは確かだが、行かない、会わない、買わない、探さない。その場所、その人たちと縁を切るだけで、やめるのはそう難しいことではない。そんなこと言っていたら、俺たちヤクザはどうなる? みんな揃って薬物依存だ」

 組の者はほとんど誰もが違法薬物の味を知っている。

「ここにクスリがあって、組の者に『やれよ』と言っても誰もやらないよ。俺も2度とやらない。1度やったぐらいでおかしくならないことは知っているけどね」

 彼自身、何年も薬物の使用を続けた過去があり、逮捕歴もある。

「1度やったら2週間はひっかかる。2週間、びくびくして暮らすのなんてまっぴらだ」

 違法薬物で捕まれば尿検査が待っている。使用した違法薬物にもよるが、尿鑑定で薬物反応が陽性と出るのは使用から約2週間。1度の使用で、その後の2週間を棒に振るのはごめんだという。

「沢尻エリカが『私のところには警察は来ないだろうと思っていた』って言ってたけど、それわかる!って思ったね。俺も自分のところにだけはこないと思っていたし、やっているやつはみんなそう思っている」

 だから逮捕されるまでやり続けることになる。

「クスリをやるやつにとっては逮捕されるか逮捕されないか、それだけだ」

 逮捕され、実刑を受ければ刑務所に収監される。

「ムショの雑居房では、8人いるとそのうち6人はヤク中だ。そこで薬物の怖さをみんなで話す…なんてことはない。あれはよかった、これは効いた、濃い、薄い、安い、高いとそんな話しか、誰に売ってた、何年売ってたという自慢話だ。本当か嘘かわからないがね」

 クスリの話をしていると、やりたい欲求が強くなるのではと思うが、実際は違うらしい。

「ムショだと自由もなく、入手は不可能。仮にやりたいと思っても、絶対にできないことがわかっているから、あまり考えないようになる」

 暴力団幹部は田代まさしを例に話す。

「ムショにいる間、やめられるんだから依存なんかじゃない。彼は何度も務めているが、1度でも禁断症状で病院に運ばれたり、幻覚で精神がおかしくなったことがあるか聞いてみたいもんだ。拘禁生活中は朝起きて、作業して、飯食って寝るだけ。何らかの治療があるわけでもない。ただ、自由がないだけでね」

「覚せい剤は身体が要求するものではなく気持ちの問題。社会に出て自由を手にした途端、気持ちが弱くなるんだろう。ムショでは普通に生活してたくせに、出てきた途端、毎日が薬物をやめるため自分との闘いだ、などとよく言えたもんだ」

 気持ちの問題、まさにそこが依存の原因ではないかと思うが、薬物が入手しやすい環境にいる暴力団幹部はこう断言する。

「やめようとすればやめられる。俺の周りはみんなやめたよ」

 薬物依存症といえば治療が必要な病気というのが一般的な認識で、依存者がいるのも確かだ。だが暴力団幹部の話を聞いていると、違法薬物使用を繰り返す者、長期間使用し続ける者にとって、薬物依存というラベリングはクスリに手を出す時の都合のいい言い訳、免罪符でしかないのかもしれない。

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