- 2019年12月28日 11:15
「日本が最も親中」と肩を落とす香港デモ抗議者
2/5「逃亡犯条例改正案」の撤回にとどまらない「5大訴求」を掲げ未来の香港人のために闘ってきた。
青い塗料の入った液体を放水する - 撮影=筆者
家族、友人、恋人、さまざまな人間関係にも変化が生じた。「親中派の親と激しくけんかし、家を出た」と嘆く若者もいれば、「あまり仲が良くなかったいとこと、安全確認のため頻繁に連絡を取り合い絆が増した」と語る若者もいた。
最前線の勇武派で20代後半の男性に話を聞くことができた。カフェなどの公の場ではなく、警察が立ち寄る可能性の低い密室で、全身を隠すいでたちで向かい合った。会うことができたのは、知人の仲介でインタビューを申し出てから4日後のこと。こちらが普段どのような媒体で仕事をしているのか、といったことも事前に細かくチェックされた。
■「民主派と勇武派の分断」は幻想だった
警戒心には理由があった。
「警察は12月に入ってから懐柔策を取っている。公式のFacebookページを見ても、抗議者をなだめるような投稿が増えている。トップが変わり方針を変えたのだろう。しかし、水面下では仲間の逮捕が相次いでいます」
香港理工大学の籠城では逮捕者以外も多数の若者がIDを登録させられた。監視カメラ映像、警官自身が現場で映す映像、交通機関やコンビニ、カフェなどで使えるオクトパスカードの記録など、さまざまな情報が警察に集約された可能性は高い。
わざわざ衝突現場で大立ち回りして逮捕することは、警官にとっても危険を伴う。「ある日突然帰宅した家の前で逮捕されるケースが増えている」と苦しい表情を浮かべた。一方、勇武派内に警察のスパイが紛れ込むケースもみられ、外部に情報を漏らしているのは誰なのか、互いに疑心暗鬼になっているようだ。「警戒してすみません」と彼は何度も頭を下げた。
抗議者が籠城する以前の平和な理工大学内 - 撮影=筆者
半年間で自然発生的に生まれた標語は幾つもあるが、その一つに「各自が努力する。仲間割れはしない」という言葉がある。日本人には現在の香港デモをかつての学生運動になぞらえて見てしまう傾向がある。だから、「仲間割れしないはずがない」「平和主義的な民主派市民と勇武派との間で分断が起きている」と考えがちだ。しかし区議会選挙の結果、それに続く80万人デモは、分断が事実ではないことを内外に示すこととなった。
「中国の支配を排除し自由を維持したい。香港警察の過剰な暴力は許せない」。シンプルな感情を土台にした闘いなのだ。そこには細かなイデオロギーも歴史観も存在しない。理論が細分化し対立する素地がないのだ。
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