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- 2019年12月28日 08:24
【ボピス】、チェーンストアのアマゾン対策はネットで購入させてお店で渡すBOPIS!

■ウォルマートやターゲットなどの大手チェーンストアはアマゾン対策としてボピスを拡大させている。
ボピスとはネットで購入した商品をお店で受け取る(BOPIS:Buy Online Pickup In Store)ことでアメリカ小売業界ではオムニチャネル用語として定着している。
広義としてのボピスはカーブサイド・ピックアップとも言われるクリック&コレクトも含んでいる。
カーブサイド・ピックアップはネット購入した商品をお店の専用駐車場で受け取ることだ。スタッフが車まで注文品を運んでくれることで車から降りることなく商品を受け取れるのだ。
アマゾンにはセブンイレブン等に置かれたロッカーにGNCなどと提携したチェーンストア等で商品を渡すピックアップ拠点を増やしているものの許容量に限界があり、サービスとしては十分とは言えない。
アマゾンと競合する大手チェーンではボピスを導入することでアマゾン対策にしているのだ。
リテール・ミー・ノットの調査では60%のチェーンストアがボピスを提供しており、昨年の52%から増加した。
同調査では10人中9人の消費者がボピスを主な要因としてネット購入したと答えている。実際、アドビ・アナリティクスのデータでもボピスを利用した買い物が急増しており、今シーズンは昨年に比べて33.2%増となっている。
ボピスの平均注文額(AOV:Average Order Value)はネット購入全体のAOVとなる159ドルに比べて120ドルと低くなっているものの、82%のボピス利用者が注文品をお店で受け取る際に、追加の買い物を行う予定としている。
137社のチェーンを対象にしたボピス調査によると85%の店では注文から2.5時間で受け取ることが可能となっている。前年の65%の店舗による3.6時間の受け取りから大幅に改善されているのだ。
店での受け取り時間も改善が進んでおりカート・サーモンによると4分に短縮された。
フィンテックのシグニファイドの調査でも83%のチェーンではオンライン売上の20%がボピスとしており、ホームデポにようにボピスがオンライン売上の40%以上を占めるチェーンもある。
ボピスはほぼ全てとなる96%のチェーンストアにとってアマゾン対策としており、受け渡しをする際に他の商品の購入にもつながっており、リアル店の強力な集客ツールになっているのだ。
トップ画像:ターゲットのドライブアップで車から降りずに注文品を受け取る利用者。利用者にとっては送料無料のメリットやポーチパイレーツ対策にもなり、購入から数時間が受け取る利便性でボピスが増加する要因となっている。チェーンストア側にとってはアマゾンと差別化できるサービスなのだ。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。今年のサイバーマンデーではターゲットで2種類のスニーカーを購入しました。ネットで購入して近くのターゲットでピックアップするボピスです。送料等はかからないのでボピスは無料。で、数日後にお店に取りに行きました。店内にあるピックアップカウンターでスタッフに注文バーコードをスキャンしてもらい、奥にある保管スペースから持ってきてもらうのです。
数分で済むと思ったら、もう一つのスニーカーが見当たらないということで結局、他のスタッフが売り場まで探しに行くことで10分以上待たされることになりました。担当スタッフはしきりに謝っていましたが、現場はまだボピス・サービスが徹底されていないという感じでした。これに比べてウォルマート・ピックアップタワーは素晴らしいです。
当社のIT&オムニチャネル・ワークショップではピックアップタワーを使った実演を十数回行っています。ピックアップに5秒以上かかったことはありません。
ボピスが拡大したあとには省人化に時短ピックアップのロッカー(店内スペースをとるのがデメリット)や巨大自販機のようなピックアップ装置の導入になるでしょうね。