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レジストの3年包括許可でホッと一息の韓国 関係改善の措置として通貨スワップ締結を叫ぶ

12月24日、1年3か月ぶりに日韓首脳会談が行われました。結論としては、「対話の重要性」確認しただけという、実りのほとんどない会談でした。しかし、韓国マスコミは総じて好意的な報道です。理由は簡単。12月20日に個別許可になっていたレジストを、3年間の包括許可にしたせいです。

■「GSOMIA継続判定期限」3月まで伸びる

もう既に交渉カードになっていない「GSOMIA破棄判断」を、ずーっと「切り札」として報道してきた韓国。12月20日の「レジスト包括許可」で、これまでの報道が嘘ではなくなり、日韓首脳会談を一斉に評価しました。

「日韓首脳会談、韓国各紙は「葛藤解決の第一歩」「ウィンウィンの道を共に模索を」と評価」

日本と韓国の関係が最悪の状態に陥る中、23日に中国・成都で1年3カ月ぶりに開かれた両国首脳会談について、韓国各紙では肯定的に評価する論調が目立った。

韓日首脳が対座して対話の重要性を確認したことは意味のある進展だが、行くべき道はまだ遠い。特に韓日対立の震源である元徴用工問題は一気に解決できる問題ではないという点で忍耐心が必要だ」

https://www.recordchina.co.jp/b769450-s0-c10-d0059.html

 あれだけ「GSOMIA破棄判断は年内」と叫んでいたマスコミは、「問題は一気に解決できるものではない」と姿勢を変え、破棄判断も3月まで伸びてしまいました。

「大統領府「GSOMIAの継続、3月末がデッドライン」...24日の韓日首脳会談に注目」

米国の強い要請などにより、GSOMIAを条件付きで延長したが、大統領府は暫定的に来年3月までをGSOMIA継続の「デッドライン」に定めたという。

韓日対立の契機となった元徴用工問題はひとまず置き、日本の輸出管理の厳格化措置の撤回と韓国のGSOMIA延長を対等交換しようということだ。

http://www.donga.com/jp/List/article/all/20191223/1934207/

 しかも募集工(徴用工)問題は棚上げにして、輸出管理厳格化とGSOMIA破棄撤回を交換するという、まことに韓国にとって都合のいいことを考えています。

菅官房長官が「管理措置の緩和ではない」と会見で述べましたが、韓国マスコミ側で菅官房長官の言葉を報道したマスコミは、全くありません。韓国側にとって、真実よりも名分が立つかどうかの方が大事なので、当然と言えば当然の結果です。

■まことに悪手な「3年包括許可認定」

ま、実際に措置緩和に見えるんですから、どうしようもありません。

「日韓首脳会談でも続く、「誤解だらけの対韓輸出管理」」

健全な輸出実績が特定企業間で6件以上積み上がったために、きちんと自主管理できる企業に限って、特定企業間の取引について認める制度だ。基準になる年間の件数も公表されている。もちろん韓国向け以外でもこうした制度はある。

https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00133/00028/

 単に6件以上の実績が溜まっただけということのようです。しかし、10時間も会議をしないと、同じ発表文にならない韓国相手に、「緩和ではなく通常の措置の範囲」などという説明が通じるでしょうか。

菅官房長官がわざわざ否定の会見まで行わないといけない段階で、韓国に「間違ったメッセージを与える措置だった」と言わざるを得ません。そもそも今の韓国に、たった6件の実績で、包括許可認定を与えることが適切だったのか、その判断の妥当性からもっと考えた方が良かったでしょう。

GSOMIAの破棄とか、首脳会談が行われるとか、そんな理由で「包括許可認定が出る」と勘違いされる方が、今後の輸出管理措置の速やかな履行に大いに損害を与えることになるのです。課長会議で5時間。局長会議で10時間。勘違いした韓国との会議がまた長引くだけでも、6件と言わず、30件や100件の実績を求めるべきではなかったでしょうか。幹部や担当者が長時間拘束されてるだけでも、損害なんです。今の韓国はマトモな相手ではありません。そのことをもっと認識して仕事して欲しいですね。

■「日韓の関係改善に次の措置が必要だ」⇒「通貨スワップだ」

 日本が妥協したと判断した韓国マスコミは、一斉に日韓関係改善の必要性を報道しています。反日傾向の強いハンギョレ新聞ですら、日本との関係改善が必要と報道しているくらいです。

 でも日韓の関係が対等とは思えない改善措置ばかりです。本当にナチュラルに、日本側に負担を強いる措置を出してくるんですよね。

<韓日首脳会談>「韓日関係、反転の第一歩…シャトル首脳外交復元、定例化を」中央日報(2019.12.25)

まだ始まりにすぎない回復段階を定着させるためには次の措置が必要だ。

冷え込んだ両国経済協力の活性化のために通貨スワップ、高官級経済対話の再開、第3国市場への共同進出、青年人材の進出、投資拡大などにも本格的に着手するのがよい。

https://japanese.joins.com/JArticle/260879

 凄いですよね。関係改善に必要な措置として、まず出てくるのが「日韓通貨スワップ」ですよ。なんでそもそも「通貨スワップ」の議論が止まったかと言えば、「従軍慰安婦像」を領事館前に設置しようとしたからで、それがなんにも対処されてないのに、「通貨スワップ」を再開したら、「慰安婦合意」そのものの否定じゃないですか。これのどこが改善措置なんでしょうね。

次の「高官級経済対話」というのは、「日韓ハイレベル経済会議」のことです。いわゆる韓国銀行の信用枠拡大が議題となる会議です。

「韓国、慰安婦像設置→日韓協議中断で経済危機寸前に…再開に必死、米中も見放しで崩壊か」2017.01.20

日本は日韓ハイレベル経済協議の延期も決めている。スワップ協定ばかり注目されているが、実は同協議も非常に大きな影響力を持つものだ。

韓国の特殊銀行(中小企業銀行、韓国産業銀行、韓国輸出入銀行)などは、落ち込みの激しい造船企業や船舶企業への貸し付けが大きすぎて、いつ信用不安が生じてもおかしくない状態にある。これを支えているのが日本の銀行であり、円建て融資や融資枠を設定することで保証になっているのだ。

https://biz-journal.jp/2017/01/post_17787.html

 韓国側は日本側の、融資枠に対するリスク評価を緩和して欲しいと毎回提案してきてるぐらいなので、ハイレベル経済会議を行うことを「改善措置」とするのは、やっぱり韓国にとって都合のいい話であります。

3番目の「第3国市場への共同進出」は、中国のAIIBへの参加を一緒にやろうぜって話ですし、4番目の「青年人材の進出」は、雇用環境が最悪状態の韓国から日本へ雇用枠を増やしてくれって話ですし、5番目の「投資拡大」は文字通り韓国への投資を増やしてくれって話です。

こういう措置の案を、平然と「両国の関係改善のための措置だ」と言ってのけるんですから、日本人とは本当に感覚が違うんだな、と思わざる得ませんね。

2019年は波乱の年でした。でも2020年はオリンピック開催も含めて、もっと波乱の年になりそうです。今この瞬間の判断や措置が、この先50年や100年の、日本の利益と損害を決めることになると言っても、過言ではないでしょう。外務省を筆頭に、各省庁がもうちょっと賢く立ち回って欲しいと思います。国民はみんな見てますよ。

それでは良いお年を。

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