記事

平成24年7月6日

形から入ることの大切さ



 昨日公表された福島第一原発の国会事故調査委員会の報告書が手元に届きました。

 ここでは、歴代及び当時の政府、規制当局、事業者である東京電力による、人々の命と社会を守るという責任感の欠如が厳しく指摘され、今回の事故は天災でなく人災であると結論づけられています。私たちの与党時代も含め、真摯に受け止めなければいけない内容です。

 東電が事故の直接原因を想定外の津波にあったと早々と報告したことに対し、「地震そのものによって引き起こされた」可能性が科学的解析から導けること、
 規制当局が政策推進部門(経産省)から独立性を欠き、被規制産業の利益最大化に傾注してしまったこと(「規制の虜」と表現)、
 事故時の情報処理や政治介入のまずさ、東電は全面退避を決めた形跡がなく、菅前総理により全面撤退が阻止されたと理解することはできないこと、
等々、国会事故調だからこそ明快に指摘できたことが多々あります。

 もし政府の事故調査委員会や民間の事故調査委員会だけだったら、規制当局や行政に不利なことをえぐり出し、かつ国政調査権や議論のプロセスの公開(世論への問題提起)を背景にしてのこうしたまとまった調査をすることはできていなかったのだと思います。

 ここで私が強調したいのは、調査結果の内容より、このように信頼できるプロセス(形)を取ることが現代において非常に大切だということです。

 私が議員立法に関与した原子力規制委員会の設置において、それが政治から独立した行政委員会(国家行政組織法上の三条委員会)としたことや、少し次元は違うかもしれませんが、今国内配備が図られようとしている米軍オスプレイ機の基地配備に関しても同じことが言えます。
 すなわち、原発の規制は信頼できる体制を持つ機関が行うべきであって、再稼働も当該機関のチェックを受けてから行うのが筋であるし、モロッコやフロリダで墜落事故が起きているヘリコプターを受け入れるためにはきちんと原因究明調査結果が出て、機体についての安全性の問題でないと結論付けられたかを検証するというプロセスが必要だということなのです。

 今だいぶ法務省で検討が進んでいる「取り調べの可視化(録画・録音)」にも同様の見方ができると思います。

 複雑な内容を持つ政策や判断を万人の理解を得て行うことが難しいとすれば、やはりその立案・実行の過程で、極力、組織や手続の中立性を確保したり、不利益を受ける方々にきちんと参加してもらったり説明を行ったりするということの重要性は近代的適正手続(デュー・プロセス)の要請です。しっかり進めていきたいと思います。

あわせて読みたい

「国会事故調査委員会」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    原宿の竹下通りが「地方都市のシャッター商店街化」の衝撃

    内藤忍

    05月06日 16:17

  2. 2

    今も裁判で「三女アーチャリー」として…松本麗華氏を25年間も縛り続けるオウム真理教

    松本麗華

    05月06日 15:25

  3. 3

    変異株で感染の閾値が低下した 緊急事態宣言延長は仕方ないか 橋下さんと岩田先生の交わりのない議論を聞いて 責任ない批判は簡単

    中村ゆきつぐ

    05月06日 08:21

  4. 4

    渋野日向子 海外挑戦で欠場も“罰金100万円”規定に相次ぐ疑問の声

    女性自身

    05月06日 10:09

  5. 5

    北米や中国で木材価格が高騰 日本は「買い負け」状態

    ヒロ

    05月06日 14:58

  6. 6

    橋下氏「緊急事態のためにも憲法改正をすべきだが、今の政治家には恐ろしくて任せられない」

    ABEMA TIMES

    05月06日 11:47

  7. 7

    小池百合子知事は東京オリンピック開催中止を進言できるか トップに立つ者の責任

    猪野 亨

    05月06日 08:46

  8. 8

    ワクチン接種は1日67万人ペースでないと年内に終わらない

    諌山裕

    05月06日 13:46

  9. 9

    コロナ感染止まらず・・緊急事態宣言延長へ、どうする東京五輪

    舛添要一

    05月06日 09:05

  10. 10

    中国で大食い動画に罰金160万円の衝撃! 日本も検討するべき5つの理由

    東龍

    05月06日 19:22

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。