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【読書感想】ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

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Dybe!の「大人の課題図書」に書かせていただきました。
ten-navi.com 「いちばん子どもに読ませたい本」を、大人にもぜひ読んでほしい。


ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

  • 作者:ブレイディ みかこ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/06/21
  • メディア: 単行本


Kindle版もあります。


ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

  • 作者:ブレイディみかこ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/06/21
  • メディア: Kindle版

大人の凝り固まった常識を、
子どもたちは軽く飛び越えていく。
世界の縮図のような「元・底辺中学校」での日常を描く、
落涙必至の等身大ノンフィクション。

優等生の「ぼく」が通い始めたのは、人種も貧富もごちゃまぜの
イカした「元・底辺中学校」だった。

ただでさえ思春期ってやつなのに、毎日が事件の連続だ。
人種差別丸出しの美少年、ジェンダーに悩むサッカー小僧。
時には貧富の差でギスギスしたり、アイデンティティに悩んだり。
世界の縮図のような日常を、思春期真っ只中の息子と
パンクな母ちゃんの著者は、ともに考え悩み乗り越えていく。

連載中から熱狂的な感想が飛び交った、私的で普遍的な「親子の成長物語」。

 僕は基本的に、「親が自分の子どものことを書いたエッセイや小説」が苦手なのです。
 良いことばかり書いてあれば「親の欲目」だと感じるし、ネガティブな描写には「自分の子どものことを、そんなに悪く描かなくてもいいのに……」と思ってしまう。
 椎名誠さんが、『岳物語』を書いたとき、モデルとなった岳くんが、いろんなところで、「あの『岳物語』の子」という目で見られ、「もう自分のことを書かないでくれ」と椎名さんに言ってきた、というのを聞いたこともあります。
 僕自身も、ネットで書くなかで、家族を話題にすることもあるので、偉そうなことは言えないのですが。  
 そういうわけで、この『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』がさまざまな書評やTV番組などで話題になり、書店にこの黄色い表紙が並んでいるのをみても、なんとなく手に取る気分になれなかったのです。

 結局、こうして読むことにはなったんですけどね。

 わたしの配偶者は一貫して自分の息子を元底辺中学校には通わせたくないと言っていた。生徒の9割以上が白人の英国人だという数字を懸念し、うちの息子は顔が東洋人なのでいじめられると決めてかかっていた。英国の中学校は11歳から16歳まで5年間通う。それはとても長い時間だし、最上級生と最下級生の年齢差も大きい。肉体的にいじめられたりしたら、うちの息子は特に体が小さいので悲劇的なことになりかねないとい配偶者は言った。実際、往来でも外国人にレイシスト的な言葉を吐く中学生を見かけることがあったし、よく行っていた中華料理店の子どもが数年前に学校でいじめられて転校したこともあった。

 そこにいくとカトリック校は人種の多様性がある。南米やアフリカ系、フィリピン、欧州大陸からのカトリックの移民が子どもを通わせているし、実のところ、近年、移民の生徒の割合は上昇の一途をたどっている。いわゆる「チャヴ」と呼ばれる白人労働者階級が通う学校はレイシズムがひどくて荒れているという噂が一般的になるにつれ、白人労働者が多く居住する地区の学校に移民が子どもを通わせなくなったからだ。例えば、Mumsnetのような育児サイトの掲示板に行けば、学校選びの時期になると、ミドルクラスの英国人と移民が「あそこの学校は白人労働者階級の子どもが多いので避けるべき」みたいな情報をシェアしている書き込みを見ることができる。

 こういう風潮のせいで、昨今の英国の田舎の町には「多様性格差」と呼ぶしかないような状況が生まれている。人種の多様性があるのは優秀でリッチな学校、という奇妙な構図ができあがってしまっていて、元底辺中学校のようなところは見渡す限り白人英国人だらけだ。

 そういえば、学校見学会の帰りに、息子もぽつりと「ほとんどみんな白人の子だったね」と口にしていた。

 僕は、イギリスの中学校教育がどうなっているのか?なんて、考えたこともなかったのですが、この本には、「地元民と移民が共存している地域で、人々がどのように暮らしているのか」が「元底辺中学校」での出来事を中心に描かれているのです。

 著者の息子さんは、地元のカトリックの名門校に行くこともできたのですが、自由な校風(校内にレコーディング・スタジオがあり、入学翌日に、後日クラスで行うミュージカルのオーディションが開かれるくらい)をつくりあげようとしている「労働者階級白人の子どもばかりが通う、元底辺校」に魅力を感じ、そこに通うことにしたのです。それには、母親である著者が、この「元底辺校」を一緒に見学した際に好感を抱いた影響もあったのではないか、とも述べられています。自分が積極的に「元底辺校」をすすめたことは無い、とも仰っていますが、子どもって、そういう親の反応をみているものではありますしね。

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