- 2019年12月25日 11:17
楽天モバイルの頓挫と菅官房長官への逆風で、「携帯値下げ」は大山鳴動して鼠一匹か
2/2相次ぐ週刊誌報道で菅官房長官へ逆風
このような楽天モバイルの状況を受け、胸をなでおろしているのは先行する携帯電話キャリア3社でしょう。
様子見で始まった先行3社の携帯通信料見直しは、携帯端末購入費と通信料の分離こそ実現したものの、トータルでの値下げに関しては元々総額が高かったドコモで1~2割の値下げ、auは従来並、ソフトバンクに至っては実質値上げ状況にあり、今秋時点での携帯料金値下げは不発に終わった感が強く漂ってしまったわけです。

そこに吹き込んだのが、携帯料金値下げの急先鋒だった菅官房長官への逆風です。まずは、菅原一秀経済産業相の辞任。秘書給与のピンハネや後援会関係者へのメロンやカニのばらまき疑惑の渦中に、公設秘書が有権者に香典を渡していたことまでが週刊誌で報じられジ・エンド。
菅原氏は、菅官房長官と同郷の秋田出身でかつ高校の後輩。菅グループ『令和の会』を実質切り盛りしている最側近だけに、その痛手ははかりしれません。
直後に、菅氏と衆院同期でかなり密接な間柄で知られる河井克行法務大臣も辞任します。7月の参院選広島選挙区で初当選した妻案里氏の陣営が、ウグイス嬢に法定上限を超える日当を払っていた「運動員買収疑惑」を週刊誌に報じられ、これまたあっけなくジ・エンド。
ともに菅氏の後押しで入閣した新任大臣であり同じ週刊誌が報じたことから、「携帯料金値下げ発言」に加え「令和おじさん」として急激に総理の座に近づいたと警戒したライバル陣営のリークではないか、と言われています。
さらにここに来て、「首相と桜を見る会」疑惑で政府招待客選びの責任者として連日矢面に立たされる状況に、内閣官房としての懐刀的存在である和泉洋人首相補佐官のスキャンダルまで加わり(これまた出処は、同じ週刊誌報道です)、ご本人も「今は携帯料金云々どころではない」というのが偽らざるところではないでしょうか。
「5G利用料金プラン」の登場で”値下げ”は失速か
ではこの先、携帯電話料金見直し議論はどうなるのでしょう。来春、予定通りに楽天モバイルが参入すれば、そこで再度値下げ議論や値下げ競争が起きるのでしょうか。個人的には既に状況は変わってしまっており、望み薄な感じが否めません。
理由のひとつは、楽天モバイルが工事遅延による大幅参入コスト増となった点。さらにヤフー・LINE統合の影響で、対抗上キャンペーン費用等楽天ペイの運営コスト上昇も予想され、グループとしての楽天の収益確保上から、当初ほどの低料金体系にはならない可能性が高いと思われます。
そしてもう一点。来年は4月の商用スタートを皮切りとした5Gサービスが本格稼働し、これに伴い5G利用料金が新規導入され、またまた携帯料金は実質値上がったのか、値下がったのか分かりにくいまま闇に紛れてしまうように思えます。
菅官房長官の政治的一声から始まった「携帯料金値下げ議論」は、楽天の頓挫と肝心の菅氏を巡る環境の変化から、結局今回も「大山鳴動して鼠一匹」で終わりそうな状況にあると思う次第です。



