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「空き瓶が7万円」国産ウイスキー価格の異常値

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■世界のウイスキー愛好家が驚いた、国産2トップのコンテスト受賞

しかし、「ジャパニーズウイスキー」に世界の注目が集まったのは2001年(平成13年)のこと。英国の専門誌『ウイスキーマガジン』が行ったコンテスト「ベスト・オブ・ザ・ベスト」で、ニッカウヰスキーの「シングルカスク余市10年」が総合1位、サントリーの「響21年」が総合2位と、「ジャパニーズウイスキー」がトップを独占したのだ。

これには世界の愛好家が驚いた。コンテストは世界から47のウイスキーを、イギリス、アメリカ、日本の専門家62人がブラインドで評価する。本場スコッチを抑え、「ジャパニーズウイスキー」が世界最高峰と認められたのだ。そこからの日本勢の受賞記録はすごい。

以降の「ジャパニーズウイスキー」のおもな受賞例を挙げてみよう。

ジャパニーズウイスキーのおもな受賞例

■ジャパニーズウイスキーの輸出金額がこの10年で9倍に

世界的評価が高まったおかげで、2008年(平成20年)に17億円だったウイスキーの輸出額が2018年(平成30年)には約9倍の150億円になった(図表2)。また、2010年ごろにはウイスキー需要の高いフランス、パリのウイスキー専門店でジャパニーズウイスキーフェアが開催され人気を博したのを機に、以来パリのバーや専門店の「ジャパニーズウイスキー」の品ぞろえは日本を圧倒している。

最近の日本産酒類の輸出動向
出典=国税庁

筆者が出張で行ったロシア、モスクワの百貨店やワインショップではメインの棚にずらり「ジャパニーズウイスキー」が並んでいるさまを見た。中国からは「ジャパニーズウイスキー」爆買いツアーの一団に何度もお目にかかった。「ジャパニーズウイスキー」に注目し、率先して買い始めたのはフランスやイギリス、ロシア、中国、アメリカといった蒸留酒最先端の国々であった。

■日本国内のウイスキー人気の火付け役はハイボール

とはいえ正直、海外のウイスキーコンペの情報など、日本の一般庶民はほぼ興味がなかった。のんびり過ごしていたら、あれよあれよと価格が上がり、同時に国内の在庫がなくなってしまった。なんてこった。熟成に最低3年はかかるウイスキーだ。芳醇な香味になるには5年、いや10年、いやいやそれ以上の歳月がかかる。今思えば、「響30年」や「竹鶴25年」など、本当にお宝だったのだ。この先20年も30年も待たなければあの味には出会えない。なくしたものは実に大きい。

そのうえ、国内では別の方向からウイスキーブームが起こっていた。ずばり、「ハイボール人気」である。激しいウイスキー消費の右肩下がり状況を受け、サントリーが仕掛けたのが「サントリー角瓶」のハイボールだ。ときは2008年(平成20年)。ここから国内のウイスキー消費は見事V字回復を遂げた。

回復の理由も実に明確。人気に歯止めをかけている「ウイスキーの商品特性」を、ソーダで割ることですべて裏返しにしたのだ。

スモーキーフレーヴァーや濃厚で個性的な香味で、アルコール度数も高く、食事に合わないウイスキーを、ソーダで割ることによって、軽快で爽快な香味になるし、好みのアルコール度数にすることもできる。

レモンを入れればフレッシュさは増すし、なにより甘くないので食事にも合わせやすい。また人気女優のCM効果で、ウイスキーファンやマニアのみならず、一般庶民もこの味わいを知ることになる。そのころはまだブランドウイスキーも手に入りやすく、だれもが気軽に試すことができ、これで人気に火が付いた。

■酒離れの中、ウイスキーの消費量は増えている

そして実はこの要因が重要なのだが、ハイボールはの原価率がとても低く、儲けが厚い商材なのだ。提供側としては生ビールを売るより断然おいしい。そういうわけで全国の飲食店に一気にハイボールが広がっていった。今や、飲食店では、「とりビー」ならぬ「とりハイ」という人が目立つ。図表3にあるように、現在の国内酒類消費で増加傾向はウイスキー(とワイン)のみである。

今はブランドウイスキーのハイボールはそれなりの値段になっている。お手頃に楽しめるハイボールは輸入ウイスキーか色付きの醸造アルコールかもしれない。

いずれにしても、昔ゴロゴロ転がっていたブランドウイスキーはもはや日本にはない。こんなことなら飲まずにとっておけばよかったと後悔しても全く先に立たないのである。

酒類課税移出数量の推移
出典=国税庁

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友田 晶子(ともだ・あきこ)
トータル飲料コンサルタント
福井県出身。1988年、アンジェ大学、エクサン・プロヴァンス大学、ボルドーにて、語学とワイン醸造を学ぶ。翌年に帰国、田崎真也氏に師事、ソムリエ、ワイン・コンサルタントとして独立。1990年、「日本酒サービス研究会(SSI)」発足サポート(現同会役員)を経て、トータル飲料コンサルタントなる。現在、お酒でおもてなしができる人1700名を率いるSAKE女(サケジョ)の会の代表理事。
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(トータル飲料コンサルタント 友田 晶子)

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