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グーグルがモトローラを買収してもアップルを超えられない理由

グーグルがモトローラ・モビリティーズを125億ドル、およそ9600億円で買収合意したことはサプライズでした。

スマートフォンで活気づいている携帯市場のなかでは、勢いづくアップルや韓国・台湾勢と、対照的に元気のないノキア、モトローラ、ソニー・エリクソンの赤字三兄弟は明暗を分けているのですが、グーグルがモトローラを買収した意図はなになのでしょうか。

狙いは、モトローラ・モビリティの持つ特許の魅力だという説と、アップルが、OSだけでなくハードも開発する垂直統合のビジネスで強さを発揮しており、そちらに舵を切るためだという説がありますが、うまくいくのかなとちょっと疑問に感じるところです。

もちろん、有効な特許があれば、アップルやマイクロソフトとライセンス問題で現在よりは有利となり、同盟軍としてのサムスンやLG、またHTCを守ることができます。このところ、サムスンをはじめとしたアンドロイド端末のパートナーが、アップルやマイクロソフトに特許侵害で訴えられており、グーグルのシェアを伸ばすことの障害となりはじめていたため、手を打ったのかもしれません。

また、OSをもつグーグルが、ハードの開発力のあるモトローラを吸収すれば、より競争力のある製品をつくることができるかもしれません。しかし、もはや衝撃的なイノベーションで普及する段階は終っています。むしろ、量を貪欲に追求する工業化のビジネス・モデルをもったサムスンやLG、またHTCを同盟軍としたために、価格下落を招きはじめています。

それに周辺の機能でのイノベーションをいくら追求しても、シェアが大きく変わるというものではありません。それは情報家電が経験してきたところです。

さて、グーグルがオープン戦略で、連合軍を形成し量ではアップルを超えました。しかし、いまなおアップルの壁は厚く、また高いというのが現実です。

グーグルがアップルをビジネスの質量で超えるためには、3つのハードルがあると思います。

まずはビジネスモデルです。アップルの最大の武器は、ハードだけではなく音楽やアプリを売るプラットフォームの強さです。いくらOSとハードを統合して開発力をあげることはできたとしても、利益につながるとは限りません。
もし、圧倒的に音楽コンテンツを抑えているiTunesを崩す新しいプラットフォームのビジネスモデルをつくることができれば、アップルの足元を揺るがすことができます。
そういう意味では、グーグルがチャレンジすべきは、クラウド型で"聴き放題"の音楽ストリーミングサービスを行っているスポティファイのような企業かもしれません。
スポティファイとフェイスブックが提携してアップル社に対抗!?〜クラウド型音楽サービスの近未来は? - コンテンツとメディアの近未来 :

またアップルはすでにアップル・ストアの展開で川下の流通も抑えており、そこまで垂直統合しなければ、アップルのように利益を稼ぎ出すことは容易ではありません。

つぎにブランドの問題です。グーグルはオープンシステムであるために、ブランドが分散してしまうだけでなく、パートナーの製品やサービスの質によってブランド体験にどうしてもバラつきがでてしまいます。今後はスマートフォンの価格競争がいちだんと激しくなってくるので、よけいにリスクが高まります。

もうひとつは、グーグルのマーケティング力の弱さです。いまだにグーグルの収益はほとんどが広告収入です。グーグルには、検索ビジネスやクラウドのビジネス以外では、マーケティングの経験もなく、また技術ももっていません。だから、買収したモトローラのマーケティング力に依存することになります。モトローラの業績を回復させるためのマーケティング費用をグーグルがつぎこむことができるかどうかです。

いろいろ考えると、モトローラ買収に多額の投資を行ったけれど、それだけの見返りを得るためには、まだまだ超えなければならないハードルが存在しているように思います。

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