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警察がDV・ストーカー被害者の意思決定を支援

毎日新聞より
ストーカー:被害者相談 本人の意思決定を支援へ…警察庁

新たな取り組みでは、ストーカー・DV対策の流れをまとめたチャート図と、被害者が警察に望む対応を記入する書面を相談窓口に導入。相談を受けた警察官はこの書面で、▽刑事手続きをとってほしい▽ストーカー規制法に基づく文書警告などをしてほしい▽口頭で注意してほしい▽現時点では決心できない−−などの選択肢を示し、被害者の意向をたずねる。

 その際、警察の対応は「刑事手続きが原則」であることを伝え、被害届や告訴状の提出を促す。さらに、逮捕には加害者から届いた脅迫メールのような証拠の保全が必要なことも説明する。被害者が対応を決めかねる場合には、その理由を記入してもらう。


「8月から警視庁と愛知、大阪、兵庫、福岡4府県警で試行し、来年以降、全国に広げる方針」ということだが、せっかく警察に助けを求めたのに、実効的な救済に結びつかずに重大な結末を迎えてしまった事例は、新聞などで報じられる以上に多いであろう。
被害者や遺族が怒っても、警察が知らぬ存ぜぬを決め込み、マスコミも警察に遠慮して葬りさるという事態が考えられるし、配偶者間の傷害事件数や警察への相談等の数を眺めると、DVやストーカー事件で何らかの対応を警察ができたはずという件は、大々的に取り上げられる数件の背後に、実は数多く存在するのではなかろうかと、思われる。

このように書くと憶測のように聞こえるかもしれないが、DVに限ってみても、夫の暴力を理由に日常生活を捨ててシェルターに逃げ出さなければならないところまで深刻な被害を受けた妻が、平成22年、婦人相談所だけで4,579件もあるのである。これは婦人相談所だけの統計であるから、民間シェルターを入れればこの倍以上になることだろう(ここは推測)。
同じ年に警察に相談などがあって認知された件数は33,852件であるので、警察に相談するまでに至る程度に被害を受けた人が、シェルターに避難するに至るのはわずかに14%弱、民間シェルターへ逃げた人の推測を入れても30%に満たない。
残る70%の人たちは、警察に相談するような被害を受けておきながら、逃げるには至っていない。
そのすべてが逃げる必要に迫られなかったということであれば、平和なのだが、そうであれば同居配偶者間の傷害や殺人は発生しない。

配偶者間の犯罪は、平成23年だが、殺人が158件、傷害が1415件で、傷害の被害者の93.6%は女性である。殺人の被害者は男女同じくらいなのだが、男性配偶者が被害者の殺人事件は、DVに耐えかねて逆襲したという事例もよく報道に現れるところである。
以上の統計は、この7/2に公表された内閣府の配偶者からの暴力に関するデータpdfによる。

かくして、実際には、警察に相談するまで行っても、その先の救済手続に結びつかないで重大犯罪に至ってしまったというケースが多々存在するというのは、単なる推測ではない。

そうした中で、先日の声を上げられない気持ちのエントリにも書いたような構造が存在するので、冒頭の報道にあった警察の取組みは、是非ともうまくいことを期待したいところだ。
もちろん警察だけにまかせておけばOKというわけではなく、民間支援団体のエンパワーも重要だし、警察の取組みも民間支援団体との協同により、さらに効果的になるのではないかと思うが、それはまた別の話。

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