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- 2019年12月22日 11:25
秋吉 健のArcaic Singularity:時をかける電脳少女!プログラミング教育必修化を目前に控えた今、その教育方針の意義と子どもたちに託すべき未来について考える【コラム】
2/2■2030年の社会を形作る人材育成を目指して
Pepperのプログラミングに用いられる「Robo Blocks」のような、命令チップを並べるだけのプログラミングは、少々乱暴な言い方ではありますが「単なる遊び」です。しかし勉強や学習とは、本来遊び心から始まるものです。幼児教育や初等教育の過程で遊びの中から興味・関心を持たせることが重要であることを考えれば、論理的思考力を養うための「入り口」としては十分です。
はじめの門戸は大きく開かれていなければなりません。そこで興味や関心を強く持てる子どもがいたなら、その先にある本格的なプログラミングの世界を学ばせれば良いのです。
プログラミングにあまり興味を持てなかった子どもであっても「遊び」として楽しめたなら、論理的思考力を養う学習教材として合格だったと言えるでしょう。

「学び」の原体験は「楽しむこと」。人は楽しいと思えることを率先して覚えていく
「今の子どもたちが2020年、2030年の社会を作っていく。その頃には事務仕事の多くがなくなるとも言われ、65%の人は私たちがまだ知らない仕事に就くとの予測もある。地球環境の変化も大きくなる中、そういった時代に対応できる柔軟な発想の人材になってほしい」政府が掲げるSociety 5.0とは、IoT技術やAI技術によってサイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を融合させたシステムが、人々の生活をサポートする社会を指したものですが、そうした社会において、女性が持つ豊かでエモーショナルな感覚や生活への細かな気づきは、大きなアイデアの源泉となり得る可能性を秘めています。
「この中からプログラマーを目指す子どもたちはそれほど多くないと思うが、プログラマーは女性の社会進出に役立つ職種でもある。これからの社会で女性が自立して生きていく力を身につけるという点でも大きな意義がある」
そのような時代に製品開発の現場やクリエイティブな仕事で活躍できる人材を育てることこそ、今必要な教育ではないでしょうか。

これからの時代、個人の力がますます試されていくことになる
■子どもたちに託すべき未来と大人たちの反省
現在の日本社会は、大きな閉塞感に包まれています。極端な少子高齢化は労働人口の急速な減少を招き、年間60万人(月間5万人)もの労働力を失い続けています。労働力不足をロボット技術やAI技術によって補おうという流れも強まっていますが、肝心の「人」を増やす施策を行わなければただの応急処置であり、根本的な解決には至りません。
子どもたちにプログラミング教育を行うということは、論理的思考力や問題解決力を身につけ、未来の労働者の個人の能力を高めるということです。個人の能力を高め生産性を高めていくことで、労働力不足を補いつつ効率的で住みやすい社会を構築し、ひいては少子化問題も解決していこうというのが、Society 5.0の最終目標とも言えます。
単なる社会の歯車として、企業に帰属し与えられた仕事をこなしていれば安泰であった時代は終わったのです。いや、そんな時代は20年以上も前に終焉を迎えていたはずなのに、その事実から目を逸らし続けた結果が今の日本でしょう。
同じ過ちをこれ以上繰り返すわけにはいきません。もはや手遅れとなるギリギリのラインです。自ら考える力が試される時代に、考えられる子どもたちを育てることは、大人たる私たちに与えられた絶対の使命です。
PCの画面やPepperを、笑顔と輝くような瞳で見つめる子どもたちを取材しながら、この眼差しこそが明るい未来を創るのだと確信した次第です。

子どもたちが笑顔で暮らせる未来のために



