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秋吉 健のArcaic Singularity:時をかける電脳少女!プログラミング教育必修化を目前に控えた今、その教育方針の意義と子どもたちに託すべき未来について考える【コラム】

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プログラミング教育必修化の意義と子どもたちの未来について考えてみた!

12月6日、神奈川県相模原市にある「相模女子大学中学部」の3年生のクラスで、とある公開授業が行われました。その公開授業の表題は「IoTについて考える」。政府が提唱する未来社会のコンセプト「Society 5.0」を題材として、ソフトバンクロボティクスの人型ロボット「Pepper」と教育機関向けマイコンボード「micro:bit」を連携させ、先進的なプログラミング授業を行うというものでした。

2020年度から、小学校から高校までプログラミング教育が必修化されます。本コラムでも何度か取り上げている話題ですが、2017年あたりから教育機関や教材メーカーを中心に、その取り組みが徐々に盛り上がりつつあります。

今回取材した相模女子大学中学部では、ロボットとマイコンボードを使った非常に高度なプログラミング授業が行われましたが、それは非常に重要な意味を持つ一方、プログラミング教育が持つ「1つの側面」に過ぎません。

プログラミング教育とは一体何なのか。プログラミング教育によって日本はどう変わろうとしているのか。感性の原点からテクノロジーの特異点を俯瞰する連載コラム「Arcaic Singularity」。今回はプログラミング教育が持つ意義と、子どもたちに託すべき未来について考えます。


プログラミング教育と教育現場の「今」から日本の未来を考える

■プログラミング教育の目的とは何か

はじめに、みなさんはどこまでプログラミング教育について理解しているでしょうか。プログラミング教育という言葉から、プログラミング言語を学んだり、プログラム技術を習得することを目的としていると考える人は少なくないでしょう。

確かに、プログラミング教育にはそのような側面は間違いなくあります。相模女子大学中学部で行われた公開授業では、先生が与えた題目に対してわずか20分少々でPepperをプログラムし、動かすというもので、生徒たちは見事にその問題をクリアし、自由自在にPepperを動かしていました。

この公開授業がプログラミング教育に関連しているものであることは明白ですし、必修化を目前にした、いわば実証実験としての授業であったことは事実です。


相模女子大学では文科省による必修化以前からプログラミング授業に力を入れている

生徒たちは中学1年時よりプログラミング授業を受けているため、驚くほどすらすらとプログラムを構築していく

しかし、プログラミング教育が第一に目的とするものは「論理的思考力の養成」にあります。そもそも、「プログラミング」という科目は小中高を通してどこにも必修科目として存在しないのです。論理的思考力を養成するため、各科目に「プログラミング思考」を学ばせるカリキュラムが組まれるだけです。

では、論理的思考力やプログラミング思考とは一体何でしょうか。

例えばここに、通信できなくなったスマートフォン(スマホ)があるとします。みなさんなら、その通信不良の原因をどのように調べますか?一般人が行えて、尚且つ考えられる手段には、以下のようなものがあるでしょう。
・バッテリー状態を確認する(充電する)
・通信設定を確認する
・通信設定のオン/オフを行う
・機内モードのオン/オフを行う
・電源を入れ直す
・SIMカードを挿し直す
・ファームウェアアップデートの有無を確認する
・プロファイルを確認する
・別のSIMを挿してみる
・通信できないスマホのSIMを通信できるスマホに挿して通信できるか試す
スマホに詳しい人や業者であれば、まだまだできることは多くあります。トラブルや達成すべき目標に対し、解決のための手順や手段を1つずつ確認していく作業を順序立てて構築する力こそが、論理的思考力です。

こういった「問題の要点を見つけ、解決手段を順序立てて構築する」という力は、訓練しなければなかなか身につきません。その訓練の手段として、順番通りに命令を組み立てなければ正しく動作しないプログラム手順を学ぶことが非常に適している、というだけの話なのです。


わずか20分足らずでアイデアを考え、それをPepperに実行させることができたのも、3年間プログラミングを習ってきた成果だ

論理的思考力とは、言い換えれば「問題解決力」です。問題解決力は現代の社会において非常に重要な力の1つです。

1990年代までの日本では、社会の歯車として規律正しく動ける人材の育成に力を入れてきました。それは「電子立国日本」と呼ばれた時代に、工業中心の経済を効率的に循環・成長させるために必要な資質だったからですが、2000年前後を境に環境が一変します。

突如として始まったIT化社会の到来はソフトウェアの時代とも呼ばれ、働き方や雇用形態の変化と合わせ、個人単位での能力に大きく依存する社会となったのです。

個人の能力に依存するということは、あらゆる問題に個人が対応できなくてはならないということでもあります。それは単に目標達成へのプロセスを構築するためというよりも、むしろ突然のイレギュラーや仕事をする上で起こり続ける問題の効率的な解決などに必要な能力と言い換えても良いでしょう。

その点で、これまでの日本の教育は大きく遅れを取ってしまったのです。IT・ICT分野では、いわゆるGAFAに大きく遅れを取り、ソフトウェアに弱い日本、IT立国になれなかった日本とまで言われるのは、そういった個人の発想力や問題解決力を蔑ろにしてきた証左でもあり、その遅れを取り戻すために導入されるのがプログラミング教育なのです。


フィーチャーフォン時代には国産OSと国産メーカーで健闘していた通信端末分野でさえ、今や海外製OSと海外製端末に席巻されている

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