- 2019年12月22日 12:41
【アメリカの企業業績と景気】
先週20日(金)にニューヨーク株式市場のダウ平均株価が2万8499ドルで取り引きを終えました。最高値の更新です。
ニューヨーク市場は24日がクリスマスイブのため取り引きは午後1時(日本時間午前3時)まで、25日はクリスマスのため取り引きはありません。
9-11月期という決算を発表したアメリカ企業が相次ぎ、企業業績と景気に関する報道が相次いでいます。
なお、年末にかけて予定が少ないため、【今週の注目】はお休みします。
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CNBCは、Nike earnings beat, sales rise, as Jordan brand hits $1 billionの中でスポーツ用品大手のNikeが19日にことし9月から11月までの3か月間の決算を発表し、売り上げは中国での販売が大きく伸びたことから前年同期比で10%の大幅な増加となる103億3000万ドル、最終利益が11億2000万ドルだったと報じています。
とりわけ好調だったのがネット通販で38%の驚異的な伸びとなったということです。ナイキは先月、アマゾンのサイトでの直販の中止に踏み切っています。
一方、売り上げの大半を占める北米市場は、前年同期比で5%の微増にとどまり期待外れだったとしています。ナイキは製品を中国からアメリカに輸入する際に上乗せされた関税の影響が重しになったと説明しています。
CNNはFedEx CFO: Our profit drop was “horrific”(フェデックスのCFO、利益急減は「ぞっとする」)の中で物流大手のフェデックスが17日に発表した9-11月期の決算で、売り上げ前年同期比で3%減の173億ドル、利益が約40%急落したと報じています。
フェデックスの業績は世界経済を映すとされ注目されていますが、CFO=成功財務責任者は電話会見で「いま最も低いところにいる。利益の急減はぞっとする」と述べたそうです。
業績悪化の背景として、米中の貿易対立による荷動きの減少と、重要な顧客だったアマゾンがフェデックスのパフォーマンスの悪さを理由にプライム出荷で使うことを禁止したことを挙げています。
WSJは、フェデックスがことし、4度目の業績見通しの下方修正をしたことから今後も厳しい状況が続くと伝えています。
米中の対立以上に痛手だったのがアマゾンがフェデックスとの契約を打ち切ったことで、みずから貨物航空機をリースしたり、多数の運送車両を購入し、ライバルになったといいます。
アナリストは、アマゾンがネット通販の半分くらいを独自に届けると予想しています。さらに、アマゾンは先週、フェデックスの実績が悪いとしてネット通販の出店業者に対してアマゾンプライムを使わないよう指示したそうです。
FTはアメリカの7月から9月までの3か月間のGDPの確報値が発表され年率にして2.1%の伸びを確保したことや、トランプ大統領が20日に習近平国家主席と電話会談し「よい会談だった」などと述べたことで米中貿易摩擦の緩和に向けて楽観的な空気が広がり、ダウ平均株価が最高値を更新したと報じています。
トランプ大統領は、米中貿易交渉の「第1段階」の合意に達したことで、「正式な署名式を調整中」とも述べています。