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- 2012年07月05日 09:47
「評価」が「貨幣」を超える日がやってくる!? 岡田斗司夫×田端信太郎対談【後編】
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前編はコチラ→「評価」が「貨幣」を超える日がやってくる!? 岡田斗司夫×田端信太郎対談【前編】
田端:これまでだと「貨幣経済」で評価されなかったけど、「評価経済」なら評価される人って、具体的にどういう人なんですか?
岡田:やっぱりかぶってると思いますよ、正直。なんでかっていうと、キリスト教でガンガンいく理屈っぽいやつと科学の時代になってガンガンいうやつ。似てることは似てるわけですよね。ただその時に、科学の時代になったら、金稼げりゃいいんだと。要するに、金稼いでいっぱいの人を助けようとか、いっぱいの人に給料払おうっていう人は、キリスト教だけの時代より、ビジネスマンっぽいカラーがでてきたの。じゃあ、評価経済時代になってきたら、これまでの資本主義経済と全く同じ角度かといえば、そうじゃなくて。もうちょっと世の中変えようとか、人を動かそうという思いを持っていないと、やたら金がかかる。1つの事業をやるのに、給料余計に払わなきゃいけない。
田端:それはさっきのFacebookの話でいうと、めちゃくちゃわかるんですよ。やっぱり僕、FacebookとかgoogleとかあそこらへんのIPOがおもしろいなと思ってるのは、一見矛盾しているようなんだけど、そういう風に本気で信じてるよってことが、かえって貨幣経済とか資本主義の面で見ても、プライスレスだから「時価総額は上だ!」みたいな方向に行っちゃって、非合理的な振る舞いだとは言えないという部分が、逆説なんだけど、なんか両立しちゃってるんですよね。
岡田:田端さんがおっしゃるのは、「僕が言っていることはすべて“貨幣経済”において説明可能だ」ということですよね?
田端:すべてとはいわないですけど、今日はそういう立場から色々話をさせてもらって。本当に説明できない部分ってなんなのかなっていうのが、僕の今日の問題意識です。
岡田:僕が言えるのは、(評価経済社会)こっちの説明のほうがシンプルでわかりやすい。
田端:評価がある人のほうが、人生をエンジョイできて、好きなところに住めて・・・
岡田:1時間1000円で、8時間働いて、8000円の人の生活がどれぐらい幸せになるのかというと、トータルでみたらそれは評価がないと結構苦しいでしょ。その8000円というのは現代だったらまだ8000円かもわかんないけど、数年後には7000円になって、6000円になって、8000円の使い勝手がドンドン下がっていく。逆に4000円しか持っていなくても、評価が高い人間っていうのは、それの使い勝手が5000円、6000円と上がっていくから、それの逆転がいつかとか、どういう風になるのかというのは、僕もよくわからない。
田端:多分でもあれですかね。逆の立場から言わせてもらうと、100年か200年経って、究極的に気づいた先は岡田さんが言われていることって日常で。人はやっぱりお金を意識しなくなる可能性があるっていうことですかね。
岡田:僕らがなんか言った時に「それ宗教だよ」って見下した言い方するじゃないですか?あれと同じで「それやっぱり金にしかならないな」っていう見下した言い方をするみたいなもんですよ。なくなりはしないけど、2番目か3番目の存在になる。それがね、30年ぐらい先じゃないかなと。
田端:案外はやい・・・(笑)
岡田:そう!案外早いんですよ!これ、劇的に変化すると思っていて。「パラダイムシフト」って言葉使っているのも、この変化って実はものすごい早いぞと。それはこれまでの社会変化って「社会インフラ」という物理的な地面を作ってみないと変化が起きなかったのが、今は通信衛星から携帯に電波送ったようになったじゃないですか。こうなるとパラダイムシフト全体が、地球全体で数年間のうちに起こっちゃうなと。僕が見ておもしろかったのは、マサイ族の兄ちゃんが携帯電話を全員持っていると。今日牛がいくらで売れるのかと携帯でチェックしている。これは純粋に経済的な行為なんですけど、マサイ族ですらネットワーク社会のインフラっていうものを身につけつつある状態で、僕らが「評価経済社会」みたいなものに入るのって「30年」あれば十分じゃないかな。
田端:本を読ませていただいて、もしかして岡田さんがこういう議論を避けられていると感じたのは、この(本)の中に直接、FacebookとかTwitterの話ってほとんど出てこないじゃないですか。
岡田:それは17年前に書いた本だからですよ(笑)
田端:あっ、そうでしたか(笑)すいません、そこを理解していなかったかもしれません。すごいそういう意味で言うと、個別具体的なネット上のSNSとかっていうプラットフォームに依存する部分の議論って、すべて落とされるようなことばっかりですごいなと思ったんですよ。
岡田:あれはニフティーサーブしかない時代に書いたからなんですよ。で、今の時代に合うように、ちょっと表現変えてポッと出した本なんで(笑)
田端:でも、さっきちょっとわかるなーと気がしたのは、テレビってプラットフォームがでてきて、マドンナとかマイケル・ジャクソンとか、今で言うとレディガガとか、あるいはベッカムみたいな。例えば、ベッカムとかもサッカーが上手い下手っていうのとは、ちょっと次元が違うゾーンにまでいっちゃってますよね。別にイングランド代表から落ちようが、活躍してなかろうが、ベッカムはベッカムだということが、もっとミニマムになっておこるみたいなことですよね。
岡田:大地主とか王族しかなれなかったものが、金さえ稼いだら社長になれて、株式公開できるみたいな形で。これまでだったらセレブになれる人間っていうのは血筋がいいか、よっぽどの大成功しなくちゃダメだったのが、ちょっとの成功で自分の評価を貯めて、二部上場ぐらいだったらできるんじゃないのかっていう感じです。
田端:例えば、ベッカムでいうと、ある瞬間から単なるサッカー選手を超えたじゃないですか。元スパイスガールズのヴィトリア夫人が落合(元中日監督・落合博満)の嫁さんみたいに、プロデュースしてるんじゃないかとか色々言われて、ファッション愛好になってみたいなのあるじゃないですか。ある種のセルフプロデュースみたいなのがあったから、ポップアイコンみたいになったんですけど。今みたいなセルフブランディングみたいな言葉ってどう思います?
岡田:いや、これ俺もわからないんですよ。普通はさっき話した、じゃあ上場してキャラクターになったらいいっていうのは、これは何が有利で、何が不利なのって、僕もよくわからないんですよ。そのホリエモンの逮捕が、彼の人生にとって得なのか損なのかわからないですよ。でも評価経済上、明らかに大儲けなんですよ!絶対そうだと思う!
田端:それは確かにそうかもしんないですね。
大谷:そこはやっぱり家入さんもそういうことっていう?
田端:むしろ、studygiftはおいしかった?
岡田:多分、彼がやった善意自体疑っている人はほとんどいないので、あの評価は簡単にひっくり返ると思いますよ。
田端:それはJALみたいな感じで、あの経営不振の状態から不死鳥のように甦ったみたいな意味で、マイナスが大きければ、そこにマイナス値がかかったら、一気にプラスになるみたいな。
岡田:JALみたいな企業。さっきおっしゃられた法人みたいなものだったら、この“裏返り”というのがなかなか起きないんですよ。数字を出して、経営がよくならないとダメ。なんせここは個人ですから、一発カメラの前で泣けば、裏返りかねないぐらいの寛大さがあると。
田端:でも、またすぐそこで裏返ることもあるわけでしょ?
岡田:そうなると彼は「ジョーカー」というキャラクターを手に入れることになるんですよ。これはワリとおいしいポジションなんで、いいんじゃないかなと思うんです。
貨幣は2番目か3番目の存在になる
田端:これまでだと「貨幣経済」で評価されなかったけど、「評価経済」なら評価される人って、具体的にどういう人なんですか?
岡田:やっぱりかぶってると思いますよ、正直。なんでかっていうと、キリスト教でガンガンいく理屈っぽいやつと科学の時代になってガンガンいうやつ。似てることは似てるわけですよね。ただその時に、科学の時代になったら、金稼げりゃいいんだと。要するに、金稼いでいっぱいの人を助けようとか、いっぱいの人に給料払おうっていう人は、キリスト教だけの時代より、ビジネスマンっぽいカラーがでてきたの。じゃあ、評価経済時代になってきたら、これまでの資本主義経済と全く同じ角度かといえば、そうじゃなくて。もうちょっと世の中変えようとか、人を動かそうという思いを持っていないと、やたら金がかかる。1つの事業をやるのに、給料余計に払わなきゃいけない。
田端:それはさっきのFacebookの話でいうと、めちゃくちゃわかるんですよ。やっぱり僕、FacebookとかgoogleとかあそこらへんのIPOがおもしろいなと思ってるのは、一見矛盾しているようなんだけど、そういう風に本気で信じてるよってことが、かえって貨幣経済とか資本主義の面で見ても、プライスレスだから「時価総額は上だ!」みたいな方向に行っちゃって、非合理的な振る舞いだとは言えないという部分が、逆説なんだけど、なんか両立しちゃってるんですよね。
岡田:田端さんがおっしゃるのは、「僕が言っていることはすべて“貨幣経済”において説明可能だ」ということですよね?
田端:すべてとはいわないですけど、今日はそういう立場から色々話をさせてもらって。本当に説明できない部分ってなんなのかなっていうのが、僕の今日の問題意識です。
岡田:僕が言えるのは、(評価経済社会)こっちの説明のほうがシンプルでわかりやすい。
田端:評価がある人のほうが、人生をエンジョイできて、好きなところに住めて・・・
岡田:1時間1000円で、8時間働いて、8000円の人の生活がどれぐらい幸せになるのかというと、トータルでみたらそれは評価がないと結構苦しいでしょ。その8000円というのは現代だったらまだ8000円かもわかんないけど、数年後には7000円になって、6000円になって、8000円の使い勝手がドンドン下がっていく。逆に4000円しか持っていなくても、評価が高い人間っていうのは、それの使い勝手が5000円、6000円と上がっていくから、それの逆転がいつかとか、どういう風になるのかというのは、僕もよくわからない。
田端:多分でもあれですかね。逆の立場から言わせてもらうと、100年か200年経って、究極的に気づいた先は岡田さんが言われていることって日常で。人はやっぱりお金を意識しなくなる可能性があるっていうことですかね。
岡田:僕らがなんか言った時に「それ宗教だよ」って見下した言い方するじゃないですか?あれと同じで「それやっぱり金にしかならないな」っていう見下した言い方をするみたいなもんですよ。なくなりはしないけど、2番目か3番目の存在になる。それがね、30年ぐらい先じゃないかなと。
田端:案外はやい・・・(笑)
岡田:そう!案外早いんですよ!これ、劇的に変化すると思っていて。「パラダイムシフト」って言葉使っているのも、この変化って実はものすごい早いぞと。それはこれまでの社会変化って「社会インフラ」という物理的な地面を作ってみないと変化が起きなかったのが、今は通信衛星から携帯に電波送ったようになったじゃないですか。こうなるとパラダイムシフト全体が、地球全体で数年間のうちに起こっちゃうなと。僕が見ておもしろかったのは、マサイ族の兄ちゃんが携帯電話を全員持っていると。今日牛がいくらで売れるのかと携帯でチェックしている。これは純粋に経済的な行為なんですけど、マサイ族ですらネットワーク社会のインフラっていうものを身につけつつある状態で、僕らが「評価経済社会」みたいなものに入るのって「30年」あれば十分じゃないかな。
社会変化が起こっている今が一番苦しい
田端:本を読ませていただいて、もしかして岡田さんがこういう議論を避けられていると感じたのは、この(本)の中に直接、FacebookとかTwitterの話ってほとんど出てこないじゃないですか。
岡田:それは17年前に書いた本だからですよ(笑)
田端:あっ、そうでしたか(笑)すいません、そこを理解していなかったかもしれません。すごいそういう意味で言うと、個別具体的なネット上のSNSとかっていうプラットフォームに依存する部分の議論って、すべて落とされるようなことばっかりですごいなと思ったんですよ。
岡田:あれはニフティーサーブしかない時代に書いたからなんですよ。で、今の時代に合うように、ちょっと表現変えてポッと出した本なんで(笑)
田端:でも、さっきちょっとわかるなーと気がしたのは、テレビってプラットフォームがでてきて、マドンナとかマイケル・ジャクソンとか、今で言うとレディガガとか、あるいはベッカムみたいな。例えば、ベッカムとかもサッカーが上手い下手っていうのとは、ちょっと次元が違うゾーンにまでいっちゃってますよね。別にイングランド代表から落ちようが、活躍してなかろうが、ベッカムはベッカムだということが、もっとミニマムになっておこるみたいなことですよね。
岡田:大地主とか王族しかなれなかったものが、金さえ稼いだら社長になれて、株式公開できるみたいな形で。これまでだったらセレブになれる人間っていうのは血筋がいいか、よっぽどの大成功しなくちゃダメだったのが、ちょっとの成功で自分の評価を貯めて、二部上場ぐらいだったらできるんじゃないのかっていう感じです。
田端:例えば、ベッカムでいうと、ある瞬間から単なるサッカー選手を超えたじゃないですか。元スパイスガールズのヴィトリア夫人が落合(元中日監督・落合博満)の嫁さんみたいに、プロデュースしてるんじゃないかとか色々言われて、ファッション愛好になってみたいなのあるじゃないですか。ある種のセルフプロデュースみたいなのがあったから、ポップアイコンみたいになったんですけど。今みたいなセルフブランディングみたいな言葉ってどう思います?
岡田:いや、これ俺もわからないんですよ。普通はさっき話した、じゃあ上場してキャラクターになったらいいっていうのは、これは何が有利で、何が不利なのって、僕もよくわからないんですよ。そのホリエモンの逮捕が、彼の人生にとって得なのか損なのかわからないですよ。でも評価経済上、明らかに大儲けなんですよ!絶対そうだと思う!
田端:それは確かにそうかもしんないですね。
大谷:そこはやっぱり家入さんもそういうことっていう?
田端:むしろ、studygiftはおいしかった?
岡田:多分、彼がやった善意自体疑っている人はほとんどいないので、あの評価は簡単にひっくり返ると思いますよ。
田端:それはJALみたいな感じで、あの経営不振の状態から不死鳥のように甦ったみたいな意味で、マイナスが大きければ、そこにマイナス値がかかったら、一気にプラスになるみたいな。
岡田:JALみたいな企業。さっきおっしゃられた法人みたいなものだったら、この“裏返り”というのがなかなか起きないんですよ。数字を出して、経営がよくならないとダメ。なんせここは個人ですから、一発カメラの前で泣けば、裏返りかねないぐらいの寛大さがあると。
田端:でも、またすぐそこで裏返ることもあるわけでしょ?
岡田:そうなると彼は「ジョーカー」というキャラクターを手に入れることになるんですよ。これはワリとおいしいポジションなんで、いいんじゃないかなと思うんです。




