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30人に囲まれ、サングラスの暴漢に襲われた!『反日種族主義』著者がぶちまけた「アンフェアな韓国社会」 - 「週刊文春デジタル」編集部

「こいつを殺しに来た!」「懲役も覚悟している」

 そう叫ぶ男に襲撃されたのは、日韓でベストセラーになっている『反日種族主義』の共著者で、韓国・落星台経済研究所の李宇衍(イ・ウヨン)研究委員だ。李氏は12月18日、ソウルの日本大使館近くの路上で、集会を開いている最中だった。男は警備中だった警察官に取り押さえられ、事情聴取された。


ソウルの日本大使館付近で、市民から罵声をあびる李宇衍氏(12月18日)

 現場で事件を目撃した産経新聞ソウル支局長の名村隆寛氏が語る。

「李氏は、毎週水曜日に日本大使館前で行われている、元慰安婦を支援する団体が主催する“日本糾弾集会”に抗議しようと、10人くらいで小さな集会を開いていました。彼は、韓国で主流となっている『日本軍の慰安婦は性奴隷』という主張が事実に反しているという立場。

 この日は、『大使館前の慰安婦像の撤去』などを求めるプラカードを持って、静かにたたずんでいるだけの集会でした。ところが集会が始まると、李氏に抗議する30人ほどの人々が李氏を取り囲みはじめて、異様な熱気に包まれました」

 李氏の集会が始まって10分が経過したころ、事件は起きた。

「李氏が取材に集まった記者らと話していると、ガッチリした体型のサングラスをした初老の男が突然、李氏の前に飛び出して掴みかかり、2人は揉み合いになったのです。警察が李氏のそばで警備をしていましたが、虚を突かれた格好でした。スマホで現場からネット中継している記者らもいましたから、現場は騒然となりました」

 男は、刃物などはもっておらず、李氏に怪我はなかった。警察は男を羽交い締めにして拘束され、近くの派出所に連行されたが、後部座席に犯人が乗るパトカーの助手席に、なぜか李氏も同乗させられ事情を聞かれたという。

 李氏は12月4日から毎週水曜日、同様の集会を続けていた。11日の集会でも、「日本にいくらカネをもらている」「恥ずかしくないのか?」「売国奴!」などという罵詈雑言が李氏に浴びせかけられていた。

男を批判しない韓国メディア

 李氏は事件後、「週刊文春デジタル」の取材に、次のように語った。

「合法的に沈黙して行った集会に、暴力を振るうことなど到底あってはならないことです。韓国社会は実に問題が多いと感じます。特に問題なのは、今回の襲撃事件について、韓国メディアに男を批判するような論調が全くないことです。そもそも扱っていないメディアも多い。

 韓国の言論は、私のような人物が物事を言う自由や言論の自由より、『反日種族主義』の方が重要だと考えているのです。だからこそ、この襲撃についても何の問題点の指摘されないのです」

 それでも、李氏はこれまでのデモに、手応えを感じているという。

「応援してくれる人はたくさんいます。そういう応援してくれる個人も、表に出てはくれず、怖がる人がほとんどです。でも、最近は一緒に集会に来てくれる人も出てきています。Facebookにも『応援します』というコメントや「いいね」が何百件も寄せられています。こんな現象は、昔であれば考えられなかったことで驚きです。

 正義連(日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯、旧挺対協)の日本大使館前の集会が継続する限り、また大使館前の慰安婦像が存続する限り、われわれの集会も続けていきます。今後、必要に応じて人数を増やして、継続させようと考えています」

 李氏も執筆に加わった『反日種族主義』は、日本でも40万部のベストセラーとなっている。

「私たちのように考える韓国人がいることを、日本人は知らなかったかもしれません。本が広く読まれることは、韓国で私を応援してくれる人がいるように、韓日関係を客観的にみる努力をする日本人が多くなったのですね」(李氏)

 李氏らが作る団体「反日銅像真実糾明共同対策委員会」は、李氏と男を隔離せずにパトカーに同乗させて任意同行したことに対して、警察を糾弾する声明を出したという。

私は『コンジョウ(根性)』のある人間

 李氏はこの夏「週刊文春デジタル」のロングインタビューに次のように答えていた。

「私への抗議はありますが、それと無関係に研究を続けますし、また研究者はそうしなければならないと思います。私は『コンジョウ(根性)』のある人間ですので(笑)」

 李氏らは来週の水曜日、12月25日にも集会を継続する予定だ。

 ◆

「週刊文春デジタル」では、『反日種族主義』の共著者、李宇衍氏の1万4000字にわたるインタビュー全文「『文在寅の韓国』が分かる52の質問 ベストセラー『反日種族主義』の韓国人学者が答える【全文公開】」を公開している。「永遠の学生運動家・文大統領の素顔」「徴用工判決が法的に妥当でない理由」「多分に温情主義的な朝日新聞」など、日本人には分かりにくい“文在寅の韓国”を理解するためのヒントが詰まっている。

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(「週刊文春デジタル」編集部/週刊文春デジタル)

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