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【読書感想】リベラリズムの終わり その限界と未来

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リベラリズムの終わり その限界と未来 (幻冬舎新書)

リベラリズムの終わり その限界と未来 (幻冬舎新書)

  • 作者:萱野 稔人
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2019/11/28
  • メディア: 新書


Kindle版もあります。

リベラリズムの終わり その限界と未来 (幻冬舎新書)

リベラリズムの終わり その限界と未来 (幻冬舎新書)

  • 作者:萱野稔人
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2019/11/27
  • メディア: Kindle版

内容(「BOOK」データベースより)
自由を尊重し、富の再分配を目指すリベラリズムが世界中で嫌われている。米国のトランプ現象、欧州の極右政権台頭、日本の右傾化はその象徴だ。リベラル派は、国民の知的劣化に原因を求めるが、リベラリズムには、機能不全に陥らざるをえない思想的限界がある。これまで過大評価されすぎていたのだ。リベラリズムを適用できない現代社会の実状を哲学的に考察。注目の哲学者がリベラリズムを根底から覆す。

 社会が「右傾化」し、リベラリズムが危機に瀕している……
 そう嘆息する「知識人」は多いのですが、リベラル派の肩身が狭くなったのは、本当に「自分のことしか考えなくなった人が増えたから」なのか?

 リベラルとは、その名のとおり「個人の自由を尊重する立場」の人たちを指す言葉だ。個人の自由を尊重するがゆえに、それを阻むもの、たとえば権力の濫用や不平等などを厳しく批判する。そうした立場の人たちが──個々の人間だけでなく、政党やメディアなどの組織も含めて──「リベラル」とか「リベラル派」などと呼ばれる。

 この新書は、「リベラリズム」とは何か?という定義からはじまり、「なぜ、いま、リベラル派とされる人たちが嫌われるようになったのか?」「今の世の中で、『リベラルであろうとすること』の限界」について丁寧に書かれています。

 弱者を助け、万人にとって生きやすい社会をつくろうとするのは、悪いことではないはずなのに、リベラル派の行動をみていると、なんだかイライラしてしまう……その理由がわかったような気がします。

 リベラリズムによって、さまざまな差別やハラスメントが告発され、多くの人にとって生きやすい社会がつくられてきたのは事実です。

 にもかかわらず、現代において「リベラル」といわれる人たちへの風当たりが強くなっているのはなぜなのだろうか。
 思い当たるふしがないわけではない。
 実際、口ではリベラルなことを主張しながらも、実際の行動はまったくリベラルではない、という人はたくさんいる。
 たとえば、私が所属している文系のアカデミズムの世界ではリベラルな主張を掲げる学者が多いが、そのなかには学生や大学職員、若手研究者に対してきわめて権力的にふるまう人も少なくない。
 また、政治の世界でも、リベラルを標榜している政治家や政党が「他人には厳しく、自分たちには甘い」という姿を見せることはよくある。つまり、政府や他党に対してはどんなささいなことでも厳しく批判するが、いざ自分たちに同じような批判が向けられると、とたんに居直ったり自己保身に走ったりする、という姿だ。
 こうした「いっていることと、やっていることが違う」という実態がリベラル派への批判を強めていることは否定できないだろう。
 とりわけリベラルな主張は、権力批判にせよ、弱者救済にせよ、理想主義的な響きをもちやすい。だからこそよけいに「立派なことを主張しているわりには行動がともなっていない。それどころかそれを裏切っている」というように、いっていることとやっていることの齟齬が目立ってしまうのである。
 口でリベラルなことを唱えているからといって、その人がリベラルな人間とはかぎらないのだ。

 「リベラル派」は、立派なことを言っているからこそ、反発を受けやすい、という面もあるんですよね。
 そして、他者からすると、「自分の都合の良い範囲にだけ『リベラル』にふるまっている」ように見える人も少なくありません。

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