- 2012年07月04日 16:11
シラケてる?米大統領選報道
民主党は現職オバマ大統領、共和党はロムニー前マサチューセッツ州知事で確定ということで、昨今の日本の新聞、テレビに大統領選のことが報じられることは殆どないですね。オバマ、クリントンの指名争いを巡るドラマで異様なほど盛り上がった2008年とは様変わりです。
前回2008年は、既存メディアの日々の報道は勿論ですが、それ以外でいろんな話題がありました。このブログでも何回か取り上げました。たとえば、候補を決める民主党大会へのブロガー大量参加とか、両候補のメディア露出度の大掛かりな継続調査が進行中とか。あるいは若者向け音楽局MTVが若者50人にビデオ機能付き携帯電話やパソコンなどに加えお手当てまで供与して「Street Team ’08」を組織、各州から選挙運動の様子を動画中継しまくりました。
しかし、今回はそうした話題に乏しいのです。上記のStreet Team ’08は70万ドル、当時の為替レートだと8千万円相当を投じ、最新機器を使って、若者の政治意識を高めようとしたMTV。今回は<Power Pics>というページを特設して「Millennials(=1980〜90年ごろ生まれた大人という意味らしい)は、最大の有権者層だ。だから君や友人は今年、最大の力を持つ。それをどう使うか、キャプション付きの写真を投稿して教えてくれ。最高の作品はMTVで流すよ!」と呼びかけています。
が、その中身たるや惨憺たるもの。4月末にスタートしたのにも関わらず、投稿された写真はわずかに101枚。で、最も見られたものでも1100台。三桁に達したのが6枚のみ、1回とゼロ回がそれぞれ11枚と、Alexaによれば米国292位のサイトにしては信じられない数字です。
また、2008年には、200人ほどのブロガーをデンバーの大会会場に招き、自由に取材させた民主党ですが、今回については「メディアの取材申し込みを締めきった」という告知があるだけで、ブロガーについての特段の告知が見当たりません。Democratic Convention Watchという専門サイトでも< This year bloggers don’t appear to be getting any special treatment>と書いていますので、今回は特別扱いはないということのようです。
ただ、前回は会場に入れなかったブロガーなどの活動拠点として、会場近くにビッグテントという施設が設けられ、1000人ほどが利用したそうですが、今回も、大会が開かれるシャーロッテ市内に、高速インターネット環境を整備した同様の施設がオープンします。「PPL」という市民団体が開設するもので、広さは前回の9,000スクエアフィート(837平方メートル)だったのに対し約三倍の25,000スクエアフィート(2,325平方メートル)もあるそうです。
ただ広いだけじゃなくて、中で色んな人物を呼んで話を聞いたり、討論会などを行い、それを提携先の地元紙やPBS系列のテレビ局、さらにPPLが運営する市内最大のサイトから流すなどの計画があるようです。詳しくはこちらのPDFにあります。
もう一つあります。いまやアクセス数でニューヨーク・タイムズを凌ぐ、最大の英語ニュースサイト、ハフィントンポストによる「Off the Bus Contest」です。これは2月に始まり今週土曜日の9日で締め切られるのですが、早い話が「党大会に行きたい市民ジャーナリストのプレゼンコンテスト」です。「なぜ、私が選ばれるべきか」を2分以内のビデオにまとめて送り、最大24人が民主、共和の党大会に派遣されます。ただ、現地でどう活動するのか、会場に入れるのかなどは、この告知記事を見てもいまいち不明です。
なお、派遣される市民ジャーナリストには、自宅近くの空港からのエコノミー航空券、ホテル5泊、日当51ドルを5日分が支給されるそうです。スポンサーはハフィントンポストの親会社のAOLですが、一人あたりの費用は大体1,500ドルとかで、最大24人でも総額300万円足らずと前回のMTVの企画に掛けた8,000万円に比べて著しくシケタ額。これで「最良の市民ジャーナリスト求む」と言うのは結構図々しい話です。
繰り返しになりますが、候補者争いがないとこうなるんでしょうね。共和党大会(タンパ・8月27−30日)、民主党大会(シャーロッテ・9月3−6日)が終わって、選挙戦になると少しは盛り上がるのかもしれませんが。



