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財務状況がいきなり悪化「いきステ」の大ピンチ

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ステーキチェーン「いきなり!ステーキ」が不振に陥っている。既存店売上高は20カ月連続でマイナスが続き、運営会社ペッパーフードサービスも経営危機に瀕している。店舗経営コンサルタントの佐藤昌司氏は「キャッシュが激減し、借金が増えている。自己資本が12億円まで落ち込み、債務超過の危険性も出てきた」と分析する――。

立ち食いステーキ専門チェーン「いきなり!ステーキ」=2017年3月22日、東京都江東区 写真=東洋経済/アフロ

増収増益の陰で既存店売上高が悪化

ステーキチェーン「いきなり!ステーキ」を展開するペッパーフードサービスが経営危機に瀕している。主力のいきステが不振に陥り、それに伴って財務状況が急激に悪化しているのだ。

これまでは急成長を遂げる中で大儲けし、巨額の資金を獲得していた。営業活動で増減したキャッシュの量を示す「営業キャッシュフロー(CF)」は2018年12月期が64億円のプラスだった。それにより期末の現預金は1年前から23億円増えて67億円まで積み上がった。

2018年のいきステには勢いがあった。この1年間だけで国内店舗数は約200店増え、386店に倍増した。米国事業が不振で損失を出してしまったが、国内は大量出店で急成長を遂げ、いきステ事業の業績は好調に推移。同事業の売上高は前期比2倍の541億円、セグメント利益は2.1倍の53億円と大幅な増収増益を達成していた。

ただその陰では、大量出店による自社競合や度重なる値上げなどで、好調だったいきステの既存店売上高は悪化しつつあった。18年4月にマイナスに転じ、19年11月まで20カ月連続で前年割れが続いている。さらに悪いことにマイナス幅は拡大している。19年8月以降が特に深刻で、同月は前年同月比35.2%減、翌9月が33.6%減、10月が41.4%減、11月が32.8%減と、大幅な前年割れが続いている。

全店の1割弱にあたる44店の閉鎖を発表

いきステの不振を受けて、ペッパーフードサービスは11月14日、19年12月期通期の連結業績予想の修正を発表。売上高は従来より98億円少ない665億円(前期比5%増)とした。営業損益は従来計画では20億円の黒字を見込んでいたが、7億3100万円の赤字(前期は38億円の黒字)に、最終損益は15億円の黒字から25億円の赤字(同1億2100万円の赤字)に下方修正した。こうした状況を踏まえ、いきステ全店の1割弱にあたる44店の閉鎖も発表している。

同日、19年1~9月期決算も発表。売上高は前年同期比15.2%増の518億円と増収だったが、営業利益は98.2%減の4400万円と大幅に減った。最終損益は19億2200万円の赤字(前年同期は11億5600万円の黒字)に転落している。

さらに見逃せないのが財務状況の悪化だ。

18年12月期の営業CFが64億円のプラスだったことはすでに述べたが、19年1~6月期は2億4700万円のマイナス(前年同期は36億6900万円のプラス)に陥ってしまった。これは、店舗販売など営業活動でキャッシュが2億4700万円流出したことを意味する。深刻な状況だ。

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