記事

日程闘争が続いた今国会。「大人にこそ主権者教育が必要」

2/2

大人にこそ「主権者教育」が必要

他方で、こうした現状を憂いている議員も多い。

細野豪志衆議院議員は、かつての経験を振り返り、自身も「苦しんだ」と述懐する。

「個人的にはやりたくないと思っていても、国対の指示だとやらざるを得ない。特に若手議員に選択肢はほとんどの場合ない。

一方で、マスコミでは政策論はほとんど取り上げられず、スキャンダル系の質問は取り上げられるのも厳然たる事実。

国会で「戦果」となるのはこっちだ。ここは私も苦しんだ。 」

若者政策推進議連会長の自民党・牧原秀樹衆議院議員は、11月28日、「主権者教育」をテーマに扱った当議連の勉強会において、「大人にこそ主権者教育が必要」ではないかと訴えた。

主権者教育を今の子ども達に行っているが、逆に今の大人たちは誰も主権者教育を受けていない。

どんなに良い政策的質問をしてもあまりマスコミや国民に受け入れられない一方、ちょっとしたスキャンダルの追及をやればそれがテレビに映る。こういうところに国会運営が傾いてきている。

主権者教育をぜひ子ども以外にも届けて、年配の方を含めた日本人全体が、何党であれちゃんとした(政策立案などの)活動に注目し、議員にはそうした活動こそアピーリングであるという時代に変えていければいいな、と思っています。

出典:自民党・牧原秀樹衆議院議員

主権者教育とは、自分と社会の関連を明らかにし、社会参加の動機付けを高めていくことだ。

その中心に来るのは、「投票」ではなく、社会の構成・ルールであり、その変え方である。

なぜこのルール(法律等)が存在するのか?それは今も必要なのか?どうすれば変えることができるのか?そうした問いを出さなければならない。

そして、自らの考えを自由に安心して発言できる環境作りが重要であるが、ツイッターを見れば、「大人」に主権者教育が必要な理由は明らかであろう。

ドイツの政治教育の指針になっている「ボイテルスバッハ・コンセンサス」では、「圧倒の禁止の原則」が定められているが、ツイッター上では一方的な罵倒が飛び交う。

そして、何より重要なのが、「主権者」感覚の無さである。

国民の多くが自らが国を統治する感覚を有していれば、(政治家や官僚を)批判して終わるよりも、この国をどうすればよくできるのかという方向に、言論空間がシフトするはずである。

特にマスコミ関係者にこうした意識があれば、真面目な報道番組を減らすことの弊害、専門性の高い政策論議を報じない弊害がわかると思うが、そうした姿勢は一切見えない。

また、大人が子どもを主権者の一員として認め、意見を尊重しない限り、子どもの主権者意識が育つことは決してない。

最も簡単にできる有効な主権者教育は、学校のルールである「校則」のあり方を生徒に考えてもらい、実際に先生や保護者と協議の上で変えることだが、そうした取り組みをしている学校は極めて少ない。

(模擬投票をしている学校は多いが、身近な学校でさえ、自分たちで変えられないのに、わずか1票投じる練習をすることで「自分は社会を変えられる」という意識が育つと、本当に思っているのだろうか?)

結局、一方的に教える側と教えられる側の関係性から脱却することができておらず、主権者である子どもに決定権を与えることはしない。

先述の日本財団の調査では、他国に比べ、日本では、「自分を大人」、「責任ある社会の一員」、「自分で国や社会を変えられると思う」と回答した若者の少なさが目立つ結果となったが、普段から子どもや若者の意見を尊重せずに、決定権も渡していないのだから、当たり前な結果である。

子ども向けの主権者教育をどうするかは度々問われているが、本当に考えなければならないのは、大人向けの主権者教育をどうするか、大人の意識をどのように変えるかであろう。

日本財団「18歳意識調査」第20回 テーマ:「国や社会に対する意識」(9カ国調査)

関連記事:10代の投票率は3分の1以下。主権者教育と政治報道を抜本的に見直さないと若者の投票率は上がらない

※Yahoo!ニュースからの転載

あわせて読みたい

「国会」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    渋谷で「一揆」補償巡りデモ行進

    田中龍作

  2. 2

    電通らが甘い汁を吸う給付金事業

    青山まさゆき

  3. 3

    コロナが炙り出す質低い大人たち

    毒蝮三太夫

  4. 4

    宗男氏 共産党議員に厳しく対処

    鈴木宗男

  5. 5

    元自民議員 安倍政権長く続かず

    早川忠孝

  6. 6

    「北九州第2波」の表現は大げさ

    木走正水(きばしりまさみず)

  7. 7

    報ステ視聴率危機? テレ朝に暗雲

    女性自身

  8. 8

    木下優樹菜が復帰できない事情

    文春オンライン

  9. 9

    検察庁前で開催「黒川杯」に密着

    SmartFLASH

  10. 10

    重症者少ないアジア 人種要因か

    大隅典子

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。