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首相元秘書・下関市長が目論む“市大支配” ~教員人事・定款変更の強行は「桜を見る会」と同じ構図

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市立大学の経営・運営に対する市の責任とは

 前田市長が、選挙で選ばれた市のトップの市長は、同様に選挙で選ばれた市議会の多数の賛成を得れば、市立大学の予算も人事も好きなようにできると考えているのだとすれば、それは大きな間違いである。

 設置自治体と市立大学の関係は、そのような単純なものではない。

 確かに、市立大学の経営や運営について最終的な責任を負うのは市である。もし、市立大学の経営が悪化し、市に多額の財政負担を生じているような場合や大学の研究教育の成果が上がらず、それが募集倍率の低迷、就職率の悪化等で客観的に明らかになった場合などには、経営責任を負う市として、経営不振の原因になっている研究教育や教員人事、組織体制の構築等への介入が必要になることもあり得る。また、市の施策として、専門的な見地からの検討を行った上で、相応の予算と人員の投入を含めた市立大学の組織体制の抜本的変更の方針を打ち出すということも考えられないわけではない。

 しかし、下関市大の場合には、そのような事情は全くない。募集倍率も特に低くはなく、定員割れの学科もなく、就職率も安定して高い。また、比較的コストがかからない経済学部の単科大学ということもあり、大学の収支は良好で、市に財政的な負担をかけているわけではない。また、下関市大について、総合大学化などが、学内からの構想として検討されたことは何回かあるが、下関市の側で大学の組織体制の根本的な変更に向けて検討され、特定の学問分野について具体的な構想が提示されたことはないようである。

政治的意図による「大学破壊」で、学生、卒業生利益を害してはならない

 今回の下関市主導の「一本釣り教員人事」と、それを可能にする理事会主導のガバナンスに向けての定款変更は、設置者の下関市としての経営責任の観点によるものでも、大学の組織改革の構想に基づくものでもないことは明らかである。学内手続を無視した教授人事を強行しようとしている背景が、安倍首相自身、或いは、昭恵夫人の意向なのか、前田市長自身の個人的意向なのかはわからない。しかし、いずれにしても、政治的な意図から、違法な教授人事と、公立大学を安倍首相直系の政治勢力の支配下に収めようとする策謀が進められようとしていることは紛れもない事実である。

 このようなことを許せば、これまで以上に、学生が負担する授業料の安定的な収益が市の財政に流用され、大学の教育環境が破壊されていくおそれがある(現在も、市の公共工事による校舎整備にはふんだんに予算が使われているが、その一方で、パソコン環境も十分に整備されていないことを、シンポジウムで学生の一人が訴えていた)。

 また、下関市大が、「加計学園の大学のように安倍首相のお友達を集めた大学」と世の中に認識されるようなことになれば、伝統ある下関市大の卒業生にとって、これ程不幸なことはない。

大学幹部も、市も、県も文科省も、なぜ「長いものに巻かれてしまう」のか

 それにしても、今、安倍首相のお膝元の下関市で市立大学をめぐって起きていることを知れば知るほど、本当に「絶望的な思い」にかられる。このような明らかに不当な政治的動機による教員採用人事、専攻科設置とそれを契機とする定款変更などの「大学破壊」に、なぜ、理事長、学長など大学幹部が唯々諾々と応じるのか。教授等の人事は、学内規程で定められている「教育研究審議会の議」も、さらにその前提となる公募、審査や教授会の意見聴取等も経ておらず、明らかに違法であるのに、なぜ、弁護士たる監事が、「違法ではない」などという弁護士倫理にも反する監査意見書を提出するのか(これについては、他の中立的立場の4人の弁護士が「違法」との意見書を提出している。毎日新聞12月7日地方版【下関市立大専攻科新設手続き巡り 弁護士の意見書提出 副学部長、教員採用過程検証求める /山口】)。

市大の設置者の下関市の担当部局は、このような露骨な不当な大学への政治介入を推し進めることに良心の呵責を感じないのか。山口県の担当部局は、過去に公立大学ではあり得なかった不当な定款変更の認可に抵抗を覚えないのか。そして、大学の自治、学問の自由にも配慮しつつ高等学校教育に関する行政を進めてきた文科省は、このような違法な教員人事や不当な定款変更の動きに対して、なぜ手をこまねいて見ているのか。これらすべてが、「安倍一強の権力集中」の中では「長いものにはまかれろ」ということなのであろうか。

 「桜を見る会」をめぐる問題について完全に「説明不能」の状況に陥っている安倍首相を、「当然の辞任」に一日も早く追い込むこと以外に、この国を救う手立てはない。

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