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コクヨvsぺんてる・プラス株式買収紛争-私なりの素朴な疑問

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経営していくのに不都合な人が入ってこないようにするために株式に譲渡制限をかける制度があり、ただし一方で株式の自由譲渡性を保障するために譲渡承認に代わる換価手続きが定められているのですから、上記のやり方は会社法が株式の譲渡制限を認めた趣旨を没却するおそれがあるように思うのですが。ちなみに江頭先生の「株式会社法」を読んでも、譲渡先が第三者でも株主でも、この「経営支配への介入を防止する」という意味は同じとされています(江頭「株式会社法」第7版 234頁注3参照)。

ぺんてる経営陣の譲渡承認がなくても、コクヨさんとぺんてる株主との間で株式売買契約が有効に締結できるのは、閉鎖会社の譲渡承認のない株式譲渡の有効性が争われた昭和48年6月15日の最高裁判決(民集27巻6号700頁)が「相対効説」に立ち、平成2年の商法改正も「株式取得者からの譲渡承認請求」を認めたからだと思います。相対効説は「会社に対して効力が及ばないとすれば目的を達成でき、当事者間の契約の効力まで否定する必要はないから」というものです。しかし、コクヨさんのやり方を認めてしまえば、この相対効説の根拠も否定されることになってしまうのではないでしょうか。

もちろん名義書換え未了の時点で譲受人が譲渡人に議決権行使を指示すること、会社債権者が株主の議決権行使に指示を与えることなどもありますから、委任状自体の効力まで否定されることはないと思うのですが、委任状取得の目的が閉鎖会社の支配権取得にある、ということであればちょっと違和感を覚えるところです。

もし、今後コクヨさんのような手法で「閉鎖会社でも敵対的買収が行われる可能性がある」ということになりますと、以前のエントリーでも書きましたとおり、株式が拡散するおそれのある閉鎖会社の場合、早めに定款を変更して「議決権に関する属人的定め」(会社法209条2項、同105条1項5号)を設けることも検討すべきではないかと思います。株主平等原則との関係で、そのような定めを設ける目的が正当かどうか争われた重要判例もありますが、ともかく相続による売渡請求権行使と並んで、会社側の知恵として検討するだけの価値はありそうです。

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