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小泉環境相で日本は地球温暖化に対応できるのか

 16歳のスウェーデンの少女、グレタ・トゥーンベリが、アメリカのTime誌の「今年の人」に選ばれた。トランプ大統領は、これを批判して、「馬鹿げている。グレタは怒りのマネージメントが必要だ。友だちと良い英語でも見てこい。グレタよ冷静に!」とツイートしたが、グレタもこれを逆手にとって揶揄した。

 彼女は、地球温暖化対策の実行を訴える「未来のための金曜日」の行動を世界に呼びかけ、これに多くの若者が参加している。

 そして、9月23日のニューヨークでの国連の気候行動サミットを前に、ヨーロッパからヨットで大西洋を横断してアメリカに着いている。CO2を排出する飛行機や旅客船を使わなかったのである。そして、COP25の開催地がチリからスペインに変更されたため、今回は再び大西洋を横断してマドリードに入った。

 彼女は、アメリカ議会で発言し、「科学者の声に耳を傾けてほしい。地球温暖化に対して行動を起こすべきだ」と主張した。そして、自分たちの行動は、「政治家たちに目を覚まさせるためのものだ」と強調している。

 世界の2016年のCO2排出量は約323億トンであるが、国別に見ると、①中国28.0%、②アメリカ15.0%、③インド6.4%、④ロシア4.5%、⑤日本3.5%、⑥ドイツ2.3%、⑦韓国1.8%、⑧カナダ1.7%、⑨インドネシア1.4%、⑩メキシコ1.4%となっている。因みに、アフリカの合計が3.6%である。

 一人当たりの排出量は、①アメリカ14.9トン、②韓国11.5トン、③ロシア10.0トン、④日本9.0トン、⑤ドイツ8.9トン、⑥中国6.6トン、⑦インド1.6トンである。因みに、アフリカ全体の排出量が、世界比で3.6%、一人当たりだと0.95%である。

 アメリカ人がいかに豊かな生活をしているかが分かるし、後発国アフリカの状況も数字が如実に表している。日本一国でアフリカ全体と同じ量のCO2を排出しており、一人当たりだと10倍である。

 先進国が贅沢をして地球資源を浪費したあげく、アフリカのような発展途上国にCO2排出量規制をかすのはおかしいという不満が上がるのも当然である。先進国が率先して地球温暖化対策を講じるべきなのである。

 ヨーロッパでは、地球温暖化対策への取り組みが盛んで、「緑の党」のような環境保護政党が勢力を伸ばしている。ドイツでは、メルケル政権が約540億ユーロ(6兆4200億円)の地球温暖化対策予算を組むことを決めている。

 日本では、「未来のための金曜日」の世界ストライキへの若者の参加ぶりを見ても、マスコミの報道を見ても、地球温暖化問題への関心が高くない。安倍首相もトランプ大統領も国連の気候サミットにもCOP25にも出席しない。異常気象で、日本列島にさらに甚大な被害が出てからしか、立ち上がろうとしないのかもしれないが、それでは遅すぎる。

 CO2を輩出しない再生エネルギーの活用が考えられるが、安定性に問題がある。そこで、原発をどう活用するのか、国民的議論が必要である。電力を安定的に供給するため、エネルギー政策のベスト・パッケージを考えねばならない。小泉進次郎環境相の責任は大きいが、COP25における彼の演説を聞いていると心配になってくる。

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