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英総選挙 保守党が圧勝 来月EU離脱へ

12日の英下院総選挙(定数650、小選挙区制)で、EU離脱を掲げるジョンソン首相の与党・保守党が、過半数の365議席を獲得し、圧勝しました。この選挙結果によって、来月末の欧州連合(EU)からの離脱に道筋がついた、と報じられています。

国民投票によって、英EU離脱のブレグジッドが多数を占めて以来、3年半が経過し、迷走に国民が疲れ切っていた、といわれています。そうした中での総選挙でしたが、与党圧勝の結果に専門家は、保守党の得票が伸びたのではなく、最大野党・労働党が大幅に得票を減らしたことによる「労働党自滅選挙」だと分析しています。

有権者の最大の関心がEUからの離脱に集中している中、労働党内ではEUからの離脱方針をめぐって意見が割れてしまい、明確な方向性を出せず、離脱問題から目をそらすため、電力や水道などを国有化することなど、現実離れした経済政策を打ち出したことが挙げられています。保守党は、ブレグジッド選挙として、離脱を最大の公約に掲げ、労働党の地盤であるイングランド北部や中部など、2016年の国民投票でEU離脱を支持した有権者から票を得ることに成功した、と報じられています。

EUから来月末に離脱することに道筋がついたとはいうものの、相変わらず離脱か残留かをめぐっては、国論は2分されていて、最近の世論調査では残留支持がやや上回っている、ということで、国民の納得が得られるのか懸念されています。また、離脱後のEUとの通商協議は難航し、長期化する可能性が指摘されています。EUは、英国に振り回されてきていて、EU域内の安全保障、移民・難民問題などの議論が滞っているため、選挙で民意が示されたことを歓迎している、とのこと。

英国が抱える課題としては、残留支持が多数のスコットランド、北アイルランドは、今回の選挙で反保守党色を強め、残留支持派が勢力を伸ばしました。ジョンソン首相がEUと合意した離脱協定案は、北アイルランドにだけEUの関税や規制のルールを適用し、北アイルランドを事実上「国外」扱いするものです。スコットランドでは、地続きのEU加盟国アイルランド共和国との統一論がくすぶり、英国の形を変えることにつながる可能性も指摘されています。

英国は、ジョンソン首相の下、自国第一主義を掲げているように見えます。これから英国が、EUを離脱して、単独で行動するのか、多国間協調をするのか、など方向性を示してもらわないと困ります。EUと新たな自由貿易協定(FTA)を結ぶとしても、多くの場合数年かかる、とのこと。離脱後の移行期間である来年末までに結ぶのは難しい、といわれています。

協定離脱案は、移行期間を最大2年間伸ばすことも認めていますが、来年6月末までにEUと延長で折り合う必要があります。貿易協定を結べないまま期限を迎えると、「合意なき離脱」と同じ状況になる可能性があります。これから英国が、他国とどのような関係性を持っていこうとしているのか、日本としても、目が離せない状態が続くと思います。

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