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- 2019年12月14日 16:10
【HEB】、新アプリにマイHEB!ダラスの流通視察を参考にタイムラグをチャンスに?
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HEBの新アプリ「マイHEB(My HEB)」はこれまでのアプリ「HEB」をアップデートしたものではなく、別のアプリとしてローンチしたもの。
バージョン2.17.1となっている従来のアプリは廃止される。
マイHEBで改良されたポイントはカーブサイド・ピックアップとホームデリバリー(宅配)がアプリ内でチェックアウトできるところだ。
従来のアプリではネットスーパーを選択するとウェブブラウザが起動しHEBのホームページにアクセス後、注文するようになっていた。
ネットスーパーの利用が可能になったマイHEBにより注文履歴からの再注文が簡単になる。パーソナライゼーションによりチェックアウト時のクーポン利用も利用者の注文に対応して提案できるようにも改良が加えられている。
インストアのアプリ利用にも機能が強化されており、ストア内商品検索も可能になり広い店内でも欲しい商品が見つけやすく工夫されている。
マイHEBはアップルやセールスフォースと提携して開発されており、スーパーマーケットのアプリとしては注目されている。
マイHEB以外にもお客が商品バーコードをスキャンしながら買い物を行うセルフ・スキャニング・システムの「HEBゴー(HEB Go)」がある。
オースティン周辺のHEBでテストを行っているHEBゴーはアプリ起動後、メインメニューの「ショップ(Shop)」をタップしてスキャンしていく。
野菜や果物などの量り売りは専用のデジタル計量器にバナナやキャベツなどを置き、タッチスクリーンでPLU(商品コード)を入力、値札シールをプリントアウトする。値札シールにあるバーコードを読み込むことでカートに入ることになる。
HEBゴーでは買い物途中でも合計金額の確認が可能だ。これにより予算内での買い物も手軽に行うことができる。
決済はアプリに事前に登録しておいたクレジットカードやデビットカードで行う。買い物が終了したらショップ画面にあるカートマークをタップし、チェックアウトに移行する。
チェックアウト・ボタンを押すとカメラの状態になり、HEBゴー専用チェックアウト・ステーションにあるバーコードを読み込み、アプリとレジを同期し決済完了だ。
クーポンの使用も可能となっている。決済完了でレシート画面となり、買い上げ点数と合計金額が表示されるので、スタッフに確認してもらって店をでる。
HEBは自動運転車スタートアップの「ユーデルブ(Udelv)」と提携し宅配サービスの実証実験をサンアントニオ近郊で行っている。
特定の場所でシステムが全てを操作する「自動運転レベル4」となる自動運転車「ニュートン(Newton)」を使ったもの。
最大速度が時速60マイル(時速約100キロメートル)で400平方マイル(1,000平方キロメートル)圏内の走行が可能な第二世代ニュートンには、温度管理されたロッカーのような収納スペースが複数設けられており、最大32件の注文を配達することが可能。
バン仕様のニュートンは一般道から高速道路まで走行して利用者宅に注文品を届ける。ニュートンが到着したところで利用者がアプリを操作し、ドアを開いて商品を受け取るのだ。
テストのフェーズ1ではドライバーが搭乗しニュートンのパフォーマンスをチェックする。うまくいけばドライバーレスでの実験も行われるという。
HEBは今年6月、テキサス州オースティン地区に2,300坪のオフィスビル「イーストサイド・テック・ハブ(Eastside Tech Hub)」を開設。
IT部門専用オフィスのイーストサイド・テック・ハブはHEBのデジタルチームのワークスペースの他、買収したオンデマンド買物代行・宅配サービス企業の「フェイバー・デリバリー(Favor Delibery)」の新本社も兼用している。
HEBは今月5日、2億ドルを投資しネットスーパーを強化した店舗にデジタル人員を増やす計画を発表した。スーパーマーケットによるIT投資はまだまだ加速しそうだ。
トップ画像:新しくなったマイHEBアプリ。一番下にアップした旧HEBアプリと比べてもらいたい。
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