記事

「徹底した逃げ回り」産経も怒る安倍政権の劣化

1/2

記者会見では珍しく「低姿勢」だったワケ

臨時国会が12月9日に閉会した。同国会では「桜を見る会」の問題をめぐって野党が安倍晋三首相を厳しく追及した。

安倍首相は9日の記者会見で、桜を見る会の問題についてこう話していた。

「国民の皆さまからさまざまなご批判があることは十分に承知している」

記者会見では珍しく、安倍首相は終始“低姿勢”だった。この“低姿勢”には問題をなんとか解決したい安倍首相の魂胆が隠れている。


写真=時事通信フォト
臨時国会が閉会し、記者会見する安倍晋三首相=2019年12月9日、首相官邸


11月8日に共産党が問題を追及して以降、政府は来年度の開催中止や招待規模の見直しなどを矢継ぎ早に発表して早期収拾を図ろうとした。しかし、消費者庁から行政指導を受けたことのある磁気治療器販売会社「ジャパンライフ」の元会長が桜を見る会に出席した疑惑など、新たな問題が次々と浮上した。

このため安倍首相にとって悲願の憲法改正の国会論議は全く進まなかった。これまでの記者会見では、改憲の議論を年明けにも始めたい考えを示しているが、果たして安倍首相の思惑通りにいくだろうか。

任期内に安倍首相による憲法改正は極めて難しい

現実問題として2021年9月末までの自民党総裁の任期内に安倍首相が憲法改正を実現することは極めて難しい。安倍首相は7月の参院選で憲法改正の議論の是非を争点に掲げて勝利したことを前提に、臨時国会で野党を巻き込んだ改憲論議を進めたいともくろんでいた。

臨時国会では衆院憲法審査会が自由討議を3回行った。しかしこの審査会に付託されている国民投票法改正案は審議されず、結局、5国会連続での継続審議が決まった。首相は12月9日の記者会見で「国民の皆さまの声は、『(改正論議を)もっとしっかり前に進める』というものではなかったかなと思う」と話し、その表情には悔しさがにじみ出ていた。

得意の外交で、内閣支持率を回復させたいが…

安倍首相は今後、得意と言われる外交で自身の存在感をさらにアピールして、内閣支持率を回復させ、来年1月召集の通常国会で、改憲論議を加速させていくつもりだ。

実際、安倍首相は9日の記者会見では「12月中にイランのロハニ大統領の来日を調整している」と語り、「米国と同盟関係があり、同時にイランと長年、良好な関係を維持してきた日本ならではのかじ取りが、国際社会からも求められている」と説明した。

安倍首相は12月15~17日にはインドを訪問してモディ首相とも会談する。12月下旬には中国での日中韓首脳会談に出席し、中国の習近平(シー・チーピン)国家主席や韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領とそれぞれ首脳会談を行う。

習氏との首脳会談では香港の民主化運動を中国との外交にいかに利用できるか。アメリカは香港の運動を支援する香港人権民主化法を成立させ、中国に圧力をかけてる。文氏との首脳会談では、日本に有利な徴用工問題解決の糸口を見つけられるかどうかである。

いずれにせよ、安倍首相の外交手腕が試されることは間違いない。

まさに専横さで国会や国民を愚弄する安倍政権

この臨時国会閉会に絡めて各紙はさまざまな社説を書いている。

12月10日付の朝日新聞の社説は「説明責任を顧みず、論戦から逃げ回る。安倍政権の立法府軽視も極まった観がある」と書き出す。「逃げ回る」「極まった観」という言い回しは、安倍首相を嫌う朝日社説らしい。見出しの「政権の専横を忘れまい」というきつい表現にも朝日らしさが出ている。ちなみに専横とはわがままで横暴な振る舞いや態度を指す。数の力で野党の反対を押し切り、「安倍1強」とまで言われる安倍政権は、まさにこの専横さで国会や国民を愚弄してきた。

朝日社説は桜を見る会の問題には次のように指摘し、問題の究明を求める。

「政治の公平・公正に対する信頼は政策遂行の基礎である。税金で賄われる公的行事を、安倍首相が私物化していたのではないかという疑念を放置したまま、先に進むことはできない」

「首相の私物化」。桜を見る会の問題の本質はここにある。

「首相は本会議などで一方的に弁明することはあったが、一問一答で詰められる委員会質疑に応じることは最後までなかった。参院予算委員会で、自民党出身の委員長が提案した首相抜きでの質疑すら、与党の反対で実現しなかった。異様なまでの論戦回避である」

「一方的に弁明」「論戦回避」。国会中継を見ていると、朝日社説のこの指摘がよく分かる。

あわせて読みたい

「安倍晋三」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    音喜多氏がみた辻元議員のズルさ

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

  2. 2

    アイリスオーヤマ製TVの凄さとは

    WEDGE Infinity

  3. 3

    フォロワー160万人 AV女優の戦略

    NEWSポストセブン

  4. 4

    日本モデルに再現性ない 報告書

    文春オンライン

  5. 5

    岩田健太郎医師のGoTo批判に疑問

    かさこ

  6. 6

    ヌード講座判決 賠償命令の背景

    町村泰貴

  7. 7

    コロナ終息後に旅行業界は混乱か

    後藤文俊

  8. 8

    菅首相の会見「無に等しい内容」

    大串博志

  9. 9

    具体性なきベーシックインカム論

    WEDGE Infinity

  10. 10

    新ドラえもん映画の引き延ばし感

    fujipon

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。