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ファンを分類することに意味はないんじゃないか

有吉弘行「アメトーーク!の出演を断るとき」 | 世界は数字で出来ている

有吉「いつも言うんだけど、ファンっていうのは思い出派とデータ派っていうのがあるわけよ。データを緻密に調べて、『背番号とか何年の〇〇で、こういう試合でしたよね』って言うヤツと、思い出の人がいるんだよね」

有吉弘行「アメトーーク!の出演を断るとき」 | 世界は数字で出来ている

 ここでは『思い出派』と『データ派』って分けてしまっていますが、果たして本当にそれでいいのか、と思うのです。

 私が考えるに、ファンって明確に分かれてるわけではなくて、『ストーリー』と『パーソナルな背景』と『瞬間の感情』の3軸のグラフ上で分布しています。

ストーリー

 格闘技であれば「実は試合の前に大怪我をしていたのに不屈の闘志で痛みを堪えて闘った」みたいなものは、ストーリー。

 アイドルであれば、モーニング娘。には「平家みちよがグランプリを取ったオーディションの『落ちこぼれ』ばかりを集めて手売りからスタートした」みたいなストーリーがありましたね。最近のももクロで言えば「早見あかりという主要メンバーが脱退を決めて、メンバーに打ち明けて、実際に『ももクロ春の一大事』脱退する」というストーリーとか*1

 野球やサッカーといったスポーツにもあるでしょうし、アニメや漫画などなど、なんでもファンが存在するものには多かれ少なかれストーリーというものが存在します。

パーソナルな背景

 「お小遣いで初めて買ったレコードの音」や「物凄く好きだった人とデートで観た映画の面白さ」「歌詞が聴いた当時の状況に当てはまって泣いた記憶」などなど。そういう、個人的な思い入れやら背景やら。思い出とその時に観ていたものがリンクする、ということってありますよね。

瞬間の感情

 「夏の暑い日に屋外球場のナイターで観た特大アーチが鮮烈に印象に残った」だとか。「サッカー場が揺れるほどの足踏みのフレンジーに酔った」だとか。「武道館で聴いたコンサートの圧倒的な音に心を揺さぶられた」だとか。「深い理由はないけれど、情の部分に訴えかけてきて泣けた」だとか。

 一瞬一瞬の感情の爆発があって、その感情とファン対象が紐付くということはあります。

区切り線のないマップの上に分布しているだけ

 この『ストーリー』と『パーソナルな背景』と『瞬間の感情』の、どこにどれくらいの思い入れを持っていて、どこを掘り下げるか、というのがファンのスタンスの違いになってきます。

 この配置されるマップは区切り線なんてありません。ただ「○○ちゃんに一目惚れした!」という人も過去のストーリーから抑えてて好きになっていった人も、全部同じファン。ただスタンスがちょっと違うというだけ。高低も貴賎もない。分類も区切りもない。

 それでいいじゃないですか。好きなら好きで。


 なんというか、わざわざ『データ派』『思い出派』で分類してしまわなくていいんじゃあないかなあ、と思うんです。分類すると、分類間に線が引かれますし、人は線を挟むと「自分が所属する場所のもの」として戦いをはじめるようになります。そういう分け方が要らない軋轢を生んでるんじゃあないか、とも思うんです。

 ストーリーを語りたい人には語らせておけばいいじゃないですか。「あの時のあの瞬間の感情がすごく良かった」というのも「背番号とか何年の〇〇で、こういう試合でしたよね」というのも、どっちも同じです。そこで目くじらを立てるのは、自分で自分を叩いてるのと同じなんじゃないでしょうか。

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