- 2012年07月02日 22:35
かゆみとアトピー性皮膚炎。
庭仕事してると、蚊にされるようになりました。しばらく経つと、刺されたところが痒くてたまりません。で、たまらずに掻いてしまうと余計に痒くなります。掻けば掻くほど、刺されたあとの水ぶくれは大きくなるし、そこがまた痛痒くなるし、、虫さされのスプレー塗ればいいんですけど、面倒なので我慢してます。
蚊に刺された程度であればいいのですが、皮膚の病気では、痒いところを掻くと余計痒くなるという状況は、病状を悪化させる原因となります。アトピー性皮膚炎では、痒いところを書くことで皮膚に傷がついてしまい(掻爬といいます)、その傷から皮膚炎が悪化します。すると、さらに痒くなって、そこを掻いてしまって、更に症状がひどくなる。これが「かゆみがもたらす悪循環」です。
かゆみの原因として知られてるのは、ヒスタミンという物質です。皮膚にいるマスト細胞という細胞から放出されるヒスタミンは、かゆみを起こす神経を活性化させます。蚊に刺された時に塗るような、普通の塗り薬には、抗ヒスタミン薬というヒスタミンの作用を抑制する薬が含まれます(炎症を抑える薬も含まれています)。
そして、ヒスタミンを介さないかゆみも存在します。この痛みは、アトピー性皮膚炎のかゆみで問題になってきます。アトピー性皮膚炎では、抗ヒスタミン薬が効果を示さない例が沢山あります。このような状態では、ヒスタミンを介さないかゆみが起こっています。
抗ヒスタミン薬が効果を示さないアトピー性皮膚炎の治療には、副腎皮質ステロイドや免疫抑制剤(タクロリムス)などの塗り薬が用いられます。は、アトピー性皮膚炎の原因である炎症を抑制する作用をしめしますが、炎症が十分抑制できないと、かゆみはしぶとく残ります。すると、痒いところを掻く→掻いたところの炎症がひどくなる→更に痒くなる、というかゆみの悪循環が発動するのです。
以上のことから、かゆみを止める新薬を作れれば、かゆみがもたらす悪循環をとめ、アトピー性皮膚炎の治りが早くできる、というストーリーが考えられます。ただ、ヒスタミンを介さないかゆみを起こす原因物質については、未だよくわかっておらず、原因物質を標的とした新薬開発(原因物質を減らす薬剤どか)は進んでいません。
また、「かゆみを伝える神経」や「かゆみを知覚する脳の働き」を抑える薬というアプローチもされています。とはいっても、「動物が感じるかゆみってどうやって評価するの?」「動物がポリポリ書く行動って、ヒトが感じてるかゆみと同じなの?」という根本的な問題があり、新薬開発には工夫が必要です(測定装置とかはあるんですけど、そのデータをどう解釈するの、という問題ですね)。
かゆみ止めを開発するのは簡単にみえますが、かゆみの種類によっては、なかなか大変な仕事です。そして、そのようなかゆみ止めがもつ効果というのは、やはり大きなものがあるのです。



