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楽天は社内公用語の英語化で、官僚主義を脱皮できるのだろうか?

日経新聞電子版に掲載されている、楽天三木谷社長のインタビューを読みました。「英語化を進める劇薬経営」ということで、強烈なオーナーシップを発揮し、社内の官僚化に対抗する経営者の苦悩を感じました。

数年前に発表された、この社内公用語を英語にするという楽天の決断は、大きな反響を呼びました。社員の本音を直接聞いたことが無いので現実はわかりませんが、現場には大きな混乱があったと思います。仕事ができるのに英語ができない人より英語ができるけど仕事ができない人の方が評価される可能性もありますから、人材の劣化につながるリスクもあったはずです。いわゆる「英語バカ」と呼ばれる人たちが力を持ってしまうという懸念です。

さらにインタビューの中で、三木谷さんは社内ジョブローテーションを進めるという計画も明かしています。日本の企業ではよくある定期異動ですが、専門性が求められる業務では、あまり見られない人事政策です。これも社内の官僚化への対策だと言います。

オーナー系の企業では、トップが率先して仕事をすればするほど、周囲の社員は萎縮して、能動的に働かなくなるリスクがあります。なぜなら、意見が対立した場合、オーナーに逆らうことはできないからです。結局オーナーの意向がすべてで、議論して決めるプロセスが成り立たないのであれば、最初から何でも言うことに従う方が楽というのは自然な感情です。ベンチャー企業の官僚化は、トップの暴走が招いている可能性もあるのです。

流通総額1兆円を達成した楽天の次の目標は10倍の10兆円です。高い目標を敢えて設定し、社員を奮い立たせ、自らも追い込んでいこうとしている経営者の覚悟を感じます。「月に行けるんじゃない。だって、見えてるじゃん」という言葉は、大企業ではなく、ベンチャー経営者の発想です。

楽天の英語化へのチャレンジは、『たかが英語』という本にまとめられたようです。

英語を社員に課していく目的は、単なるグローバル化への対応だけではなく、敢えて社員に普段より重いバーベルを持たせる「筋肉トレーニング」の側面もあった。これが今回読んだ記事からの発見だったのですが、官僚化打破のための壮大な実験の結果が出るのはこれからです。

<参考図書>
『たかが英語』 三木谷浩史

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