- 2019年12月12日 17:15
安倍長期政権の本質はお金じゃぶじゃぶと「桜」
2/2■国民はちっとも豊かになっていない
さらに問題なのは、「バラマキ」が続き、財政がどんどん肥大化・悪化していることです。例の「桜を見る会」の入場券のバラマキもひどいものですが、それよりもっとひどいです。
今年度予算は約102兆円、来年度予算は105兆円程度の予定ですが、そのうち税収で賄えているのはたった約60兆円にしか過ぎません。残りの多くは財政赤字です。その財政赤字の残高が名目GDPの200%を超える先進国は日本以外にない最悪の状況です。それらのツケは私たちの子供や孫に回されます。
■「現金給与総額」も「街角景気」もずっと低調
政府がいくら財政を拡大しても、国民の生活は豊かになっているとはいえません。図表3は、働く人一人当たりの給与を表す「現金給与総額」と、体感で景気を感じている人たち(タクシーの運転手、小売店の店頭に立っている人、ホテルのフロントマンなど)を対象にした「街角景気」の数字を表しています。

現金給与総額を見ると、確かに2013年までのマイナスからは脱していますが、その伸び率はわずかです。そして2019年に入ってからは前年比マイナスの月が多いのです。景気拡大が、働く人に恩恵を十分にはもたらしていないのです。
街角景気は、「50」が良いか悪いかの境目ですが、このところずっと50を切っており、経済の最前線で働く人たちの状況をつぶさに表しているといえるでしょう。
■3000日近くの政権期間でも長期的課題は山積のまま
日本の高齢化率は現状28%強ですが、今後まだまだ上昇します。高齢化社会の入り口にすぎないのです。そうした中で、出生率はあがらず、着実に人口は減少しています。今後、10年以上医療費などの社会保障費が急増することはこのままでは間違いありません。それを乗り切る方策を安倍政権は打ち出していません。
この流れが続くとどうなるか。
若年層や現役世代にこれまで以上の負担がのしかかることは明らかです。安倍首相は実に3000日近く政権のトップに立って日本のかじ取りをしてきました。それだけの年月あれば、わが国にやってくる危機を乗り切る長期戦略の策定ができたのではないかと思いますが、本当に残念です。
目先のことだけを考えていると、うまくいかなくなる。企業戦略もこれと同じです。
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小宮 一慶(こみや・かずよし)
小宮コンサルタンツ代表取締役会長CEO
京都大学法学部卒業。米国ダートマス大学タック経営大学院留学、東京銀行などを経て独立。『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』など著書多数。
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(小宮コンサルタンツ代表取締役会長CEO 小宮 一慶)
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