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梅宮辰夫さんが言い残した「令和の芸能界は…」

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BLOGOS編集部

俳優の梅宮辰夫さんがけさ7時40分、神奈川県内の病院で慢性腎不全のため亡くなった。81歳だった。

梅宮さんは、この1年半余りの間に2度のがん手術を経験するなど闘病生活を送っていた。その1度目は昨年9月に「前立腺がん」、そして2度目は今年1月に「尿管がん」だった。

「この2つを含め、これまでの人生で6度のがん(他に「睾丸がん」「肺がん」「胃がん」「十二指腸乳頭部がん」)を経験してきた」

梅宮さんは苦笑いしながら話してくれた。

「もちろん、がんと宣告された時は辛かったね。でも、現実と向き合って主治医や家族とじっくり話し合いながら治療方法を選び、これからは病を乗り越えていくしかないからね」

梅宮さんは昨年、都内から神奈川県足柄下郡真鶴町にある別荘に生活の場を移していた。真鶴は、釣り好きだった梅宮さんにとって、ある意味で〝精神的な憩いの場所〟だったのかもしれない。晩年は、真鶴の別荘から県内の病院に通い週3回、4時間にも及ぶ人工透析を受けていた。

そんなこともあり、今年に入ってからは会う機会もなくなり、代わりに携帯電話で連絡を取るようになった。

ただ、その携帯電話も「体調の良い時」に限られており、話したいことがある時は、まずマネジャーに連絡し、梅宮さんに確認を取ってもらっていた。

「今だったら大丈夫のようです」
「透析の終わった直後だったら多少は元気になるので話せるようなので、○分後に電話してください」

表情を確認できない携帯電話での会話というのは正直言って緊張したものだ。

梅宮辰夫さんと交わした会話

今年は、主に取材で3月26日にショーケン(萩原健一)が亡くなった時、そして、平成から令和に変わることについても意見を聞かせていただいた。その時は体調も多少良かったのだろう、驚くほど長時間に渡っての会話となった。そこで今回は「悼む」意味も込めて梅宮さんの言葉を記したいと思う。

まずは、ショーケンが亡くなったときのことである。

「ショーケンとは、今年に入ってから(都内の)行きつけの寿司屋で偶然に会ったんだよ。もう何十年になるかな…。本当に久しぶりで、俺は気づかなかったけど、ショーケンの方から『梅宮さんですよね』と声をかけてきてね。で、『まあ、お互い歳を取ったものだよな』って言いながら、ショーケンに『ところで元気だったのか』と聞いたら『元気じゃないですよ』って。ただ、俺も病気がちだし、そんな健康について話したくないしね、体調のことを深く聞くのも嫌だったから『そうか大事にしろよ』『今度、一緒に寿司でも食いに行こうや』言って別れたんだよ」
ショーケンとは「前略おふくろ様」での共演からの付き合いだった。「もう45年ぐらいの付き合いになるかな」と言っていたが…。

芸能界が憧れの世界ではなくなった

そして、4月中旬のこと。平成も残り数日という時だった。「芸能界のご意見番」として、芸能界に対しての梅宮さんの一刀両断、意見を聞きたいと思った。すると開口一番。

「それね、昭和から平成になった途端に芸能界はつまらなくなったんだよ。憧れなんてものもなくなったね」

「僕は昭和の半ばから、この芸能界という世界を見続けてきたんだけど、平成になった途端に芸能界が遠のいてしまった感じがするんだよ。芸能界というのは本来、特別な世界なわけさ。だから大衆から憧れを抱かれていたわけだ。石原裕次郎や高倉健、菅原文太、それに松方弘樹…、どいつもこいつもみんな素敵な…魅力的な奴らばかりだったよ、カッコよかった。

だから大衆は、そういったスターのいる芸能界に憧れていたわけさ。どんな世界なのか見てみたいと思ったわけだ。それが、平成になったら一般の世界と…普通の世界と何も変わらなくなってしまった。芸能界が特別な、憧れの世界でも何でもなくなってしまったわけだよ。魅力も何もなくなっちまった。俺のような昭和のスターからすると、この平成の芸能界というのは、どんどん意識というか距離が離れてしまうんだな」

携帯電話を通しての会話ではあったが、梅宮さんは一気に斬りまくった。

梅宮さんは1958年に東映ニューフェイスとしてデビュー。以来、映画やテレビドラマなど数百本に出演してきた。中でも「夜の青春シリーズ」や「不良番長シリーズ」「帝王シリーズ」「仁義なき戦いシリーズ」などは代表作の一つで、60年から70年代にかけて東映の黄金期を担ってきた。

しかし、5年前の2014年に高倉健さんや菅原文太さんらが逝き、2年前の17年には〝昭和の2大スター〟と言われ続けてきた〝相棒〟の松方弘樹さん、さらには渡瀬恒彦さんらも帰らぬ人となった。

特に松方さんとは、映画「仁義なき戦い」(1973年)などでの共演もあるが、釣り仲間でもあり「遊び」も共にしてきた盟友だっただけにショックも大きかった。「弘樹も含め、仲間が一人づつ自分から去っていくのは、これは仕方がないことだよ。だけど精神的には辛いことだった」

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