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韓国文化はなぜアイドルを自殺に追い込むのか

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祖母に高級マンションを買い、生活費も送っていた

K-POPの人気ガールズグループだった元KARAのク・ハラが自殺したことが、大きな波紋を呼んでいる。28歳という若さだった。

彼女がなぜ死を選んだのかに触れる前に、ク・ハラの短かった人生と、韓国で生まれ、日本を含め世界中を席巻しているK-POPについて書いてみたい。


元KARAのク・ハラさんが死亡 病院内に設けられた祭壇 - 写真=代表撮影/AP/アフロ

『週刊文春』(12月12日号)によれば、ク・ハラの両親は、彼女が幼いころに離婚している。

母親が出奔して、父親が釜山で出稼ぎをしていたため、彼女は兄、叔父、叔母、祖母との5人で暮らしていたそうだ。

「彼女は可愛(かわい)くて素直ないい子でね。休日には叔母さんやお祖母さんと教会でお祈りし、大人になってからは旅行に連れて行っていた」

愛称は「クサインボルト」。運動神経がよく、運動会の短距離走で大差をつけて1位になったことがあり、「ク・ハラ+ウサイン・ボルト」を合わせたものだった。

2008年に行われた公開オーディションに応募して合格し、KARAとしてデビューした。翌年には韓国のヒットチャート1位を獲得。2010年には「ミスター」で日本上陸を果たした。腰を大きく振りながら歌い踊る「ヒップダンス」が話題になり、翌年にはNHKの第62回紅白歌合戦出場も果たしている。

アイドルとして成功してからは、祖母に数千万円もする高層マンションの一室をプレゼントし、生活費も送っていたという。

事務所とのトラブル、「日本へ帰れ」などの罵声も

だが『文春』によれば、この人気絶頂の最中に、事務所とのトラブルが勃発していたというのである。

契約を巡って、「あまりにも事務所の取り分が多い」と、一部のメンバーが対立、双方の溝は埋まらないまま、2016年にKARAは事実上の解散に追い込まれてしまうのだ。

逆風はそれだけではなかった。日本で大ブレイクしたため、韓国からの誹謗(ひぼう)中傷に悩んでいたという。

「韓国のネット上で『親日家!』『日本へ帰れ!』との罵声が、彼女たちに浴びせられたのです」(在韓ジャーナリスト)

ク・ハラは別の事務所に移り、そこから、その子会社に所属するなどしながら細々と活動を続けていた。

昨年、交際相手だったヘアデザイナーとの間で大きなトラブルが起きてしまった。

「別れ話のもつれでお互いの暴力が大きく報じられました。その後、リベンジポルノの存在まで浮上し、法廷闘争に発展。この元彼氏は傷害、脅迫などで懲役一年六ヵ月、執行猶予3年の判決を受けましたが、裁判は今も続いています」(同)

リベンジポルノには、SEX動画もあるといわれ、韓国では「ク・ハラ 動画」というキーワードで大変な数の検索があったそうだが、実際には、そうしたものは出ていなかったようだ。

だが、アイドルにとって、そうした噂(うわさ)だけでも致命傷になる。

友人に「韓国には帰りたくない」と洩(も)らしていた

今年1月、所属事務所との契約が切れたが、事務所の担当者は文春に対して、「我々が再契約を望まなかった。最大の理由はイメージの問題だ」と答えている。

追い詰められた彼女に、口では言えないような誹謗中傷がインスタグラムに溢(あふ)れた。

5月26日、ク・ハラは自殺を図った。その時は一命をとりとめ、病院で1、2週間治療を受け、うつ病と診断され、心理治療も受けたそうだ。

その後、韓国芸能界とつながりの強い、日本の「尾木プロダクション」と6月に契約し、活動拠点を日本に移した。その時期、友人に彼女は、「韓国には戻りたくない」と洩らしていたという。

復帰後は順調のようだった。11月13日に新譜を発表して、翌日から全国4カ所のコンサートツアーを成功させた。来年1月に出す予定の写真集の撮影も終えていたという。

そんな彼女が、再び自殺を考えるまでに追い込まれるのは、所用で一時帰国した時のことだった。

トリガーになったのは、彼女の親友でアイドルグループf(x)の元メンバー・ソルリが自殺したことではないかといわれている。

ク・ハラが自死を選んだのは、ソルリの死から約1カ月後だった。日本に拠点を移した彼女への風当たりが強かったであろうことは、容易に想像できる。

それに今年は、徴用工問題で拗(こじ)れに拗れ、日韓関係は戦後最悪といわれている。日本からの輸入は激減し、韓国から日本への観光ツアーもキャンセルが相次いでいる。そんな中だから、彼女への誹謗中傷は、以前よりさらに激しく厳しいものだったのだろう。

自分のアイデンティティを見失いかけている28歳のク・ハラにとって、生きるよすがを見出すことは難しかったのかもしれない。

プライベートまで拡散されバッシングを受ける

だが、こうしたケースは、韓国では頻発しているのだ。韓国は自殺大国である。40歳以下の死因のトップは自殺だといわれる。

外国のメディアも、世界を席巻しつつあるK-POPのアイドルの死に無関心ではない。

ニューヨーク・タイムズ(11月25日付)は、K-POPのスターたちの私生活はSNSによって拡散されるが、そのためにその人間たちのプライベートまでが明るみに出ることで、バッシングが殺到すると報じている。

ワシントンポスト(11月24日付)は、ソルリとク・ハラの2人は、デートはおろかリアリティのある生活もできず、厳格な規範に従わなくてはいけなかったが、憎悪に溢れたネットの標的になったと報じ、2人の死は、いかに韓国の司法制度が女性を蔑(ないがし)ろにしているかの警告だと報じている。

日本も韓国のことをいえたものではないが、韓国の芸能界は日本以上の過当競争で、その中で心をすり減らし、自殺するアイドルたちが後を絶たないようだ。

私はテレビで見るだけだが、日本のアイドルグループに比べて、K-POPのアイドルたちは踊りと歌がうまい、脚がきれいだ。だが、彼女たちの華やかな微笑みの裏には、汗と血の涙が染みついているのであろう。

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