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先鋭化するネット世論の二極化とそれを招いた理由

長年メディアをウオッチし続けてきた当ブログですが、安倍政権が長期に渡り継続する中で、新聞の論説の二極化が先鋭化してきたと感じています。

もちろん、朝日、毎日、東京が左派・リベラルで、読売・産経・日経が右派:保守派の論調と、安倍政権以前から分かれていたのはご承知の通りですが、ここへ来て、安倍政権支持・不支持のその論説が先鋭化・絶対化してきたと、日々の新聞を読んで分析しているとつくづく感じるのです。

今回は安倍長期政権下で二極化が進むマスメディアについて検証してまいりましょう。

9日に臨時国会が閉幕しましたのを主要6紙の社説が取り上げています。

興味深いことに、朝日、毎日、東京の左派も、読売・産経・日経の右派も全紙がお怒りモードなのです。

ただし怒りの矛先が異なります。

まず左派・リベラル派の社説。

【朝日新聞社説】臨時国会閉幕 政権の専横を忘れまい
https://www.asahi.com/articles/DA3S14288219.html?iref=editorial_backnumber
【毎日新聞社説】臨時国会が閉会 長期政権のひずみ一段と
https://mainichi.jp/articles/20191210/ddm/005/070/146000c
【東京新聞社説】臨時国会閉会 行政監視果たさぬまま
https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019121002000152.html

何にお怒りなのか、それぞれの社説の冒頭を列挙すれば、浮き彫りになります。

【朝日新聞社説】
 説明責任を顧みず、論戦から逃げ回る。安倍政権の立法府軽視も極まった観がある。

 臨時国会が閉幕した。野党は「桜を見る会」をめぐる一連の問題を究明するため、会期を40日間延長する動議を提出したが、与党の反対で否決された。

【毎日新聞社説】
 「桜を見る会」をめぐる疑惑に揺れた臨時国会が、きのう閉会した。

 異例と言える野党の会期延長要求を、与党が拒んだのは、疑惑の早期幕引きを安倍晋三首相や自民党が狙ったからにほかならない。

【東京新聞社説】
 臨時国会が閉会した。六十七日間の会期を振り返ると、さまざまな疑惑や疑問は解明されないままだ。国会は行政監視や国政の調査という機能を有するが、その責任を果たしたとはとても言えない。

ごらんの通り左派の論説は、安倍政権の対応に批判が集中しています、朝日の冒頭の一文、「説明責任を顧みず、論戦から逃げ回る。安倍政権の立法府軽視も極まった観がある」これが象徴的であります。

一方の右派・保守派の社説。

【読売新聞社説】臨時国会閉幕へ 政策論議の劣化を懸念する
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20191207-OYT1T50276/
【産経新聞社説】臨時国会閉幕 役割果たしたとは言えぬ
https://www.sankei.com/column/news/191210/clm1912100002-n1.html
【日経新聞社説】懸案の先送りを続ける国会では困る
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53124990Z01C19A2SHF000/

何にお怒りなのか、こちらも平等を期してそれぞれの社説の冒頭を列挙してみましょう。

【読売新聞社説】
 不祥事の追及に労力を費やし、与野党の政策論争は深まりを欠いた。憂うべき事態である。

 臨時国会は、9日に会期末を迎える。政府が重視した日米貿易協定は承認された。農産品などの関税を撤廃・削減する。

【産経新聞社説】
 臨時国会が終わった。帝国議会から国会へ衣替えして200回の節目だったが、国会本来の役割を十分果たせたと言えないのは残念である。

 日米貿易協定をめぐっては、活発な論戦もあった。大学入試共通テストの議論は英語民間検定試験導入の見送りにつながった。だが、それで満足してもらっては困る。

【日経新聞社説】
国家的課題への議論を深め、合意点を見いだすのが立法府の仕事のはずだ。67日間に及んだ臨時国会は与野党の対立ばかりが際立ち、重要な政策論争は後回しとなった。憲法改正の手続きを定める国民投票法改正案は採決がまたも見送られ、各党の調整力不足を露呈する結果となった。

右派の論説は安倍政権にではなく国会の有り様を批判しています、読売の冒頭の一文、「不祥事の追及に労力を費やし、与野党の政策論争は深まりを欠いた。憂うべき事態である」これが象徴的であります。

興味深いのは、朝日・毎日・東京の主張が、ほぼ安倍政権批判一色なのに対し。読売・産経・日経は、議論が深まらない国会の有り様を批判していますので、もちろん野党批判に主眼を置いてはいますが、安倍政権批判も含まれています。

例えば【産経新聞社説】は、政権に対して「ゆるみが目立った」「説明責任が今も果たされていない」と批判することも忘れてはいません。

【産経新聞社説】
 安倍晋三首相は在任記録が最長になったが、政権のゆるみが目立った。不祥事で重要閣僚2人が辞任した。説明責任が今も果たされていないのはどうしたことか。

いずれにせよ、朝日・毎日・東京の徹底的な安倍政権批判、対して読売・産経・日経の安倍政権擁護、それぞれの政治的な傾斜をより先鋭化させているのは、この社説群を検証してもはっきりあらわれています。

長期安倍政権がマスメディアの二極化を招いたのは何故か。

私が分析する限り先に先鋭化したのは、朝日を代表とするリベラル派です、民主党政権の崩壊と、長期に渡る保守安倍政権の継続(自民の国政選挙6連勝)は、リベラル派にある種の虚無感をもたらし、政権を奪取する気構えを失い、モリカケ・さくらの会と本質的ではない揚げ足取り政権批判に終始するようになります。

そのような左派の先鋭化を受け、右派メディアは政権の問題点は認めながら、左派の先鋭化をたしなめる様に、本質的議論を促します、問題はそこではないだろう、と。

しかしその姿勢は相対的に先鋭化する左派の論説と対立していきます。

結果長期安倍政権のもとでマスメディアの二極化が表出いたします。

読者や視聴者は、マスメディアの報道とは「そういうモノだ」と認識するようになり、自分の政治的な性向に合ったような記事を載せているメディアやサイトを選択し、自分の気に入った記事しか支持しなくなり、そういう記事しか読まない事で、右にせよ左にせよ、読者自身も次第にその立場が先鋭化して、お互いに「ネトウヨ」「パヨク」とののしり合うようになります。

読者や視聴者は、新聞紙という紙媒体やテレビの画面を離れ、より選択の自由度と幅が広いネットという世界に不可逆的に移行していっている中で、世論二極化も進行し始めているとも言えないでしょうか?

ネット上の政治的意見・評価も二極化してしまっています。

ちなみに、この先鋭化するネット世論の二極化が、BLOGOSのコメント欄廃止方針にも影響を与えているかもしれません。

安倍政権の政策を少しでも支持すれば「ネトウヨ」、少しでも批判すれば「パヨク」とレッテルがはられてしまいます。

私は自分の政治的立ち位置を「プチリベラルのナショナリスト」と自称していましたが、今では恥ずかしくて自称するのをやめてます。

ネット上ではすっかりネトウヨ・安倍政権信者の『木走日記』とレッテルいただいている(苦笑)わけです。

ふう。

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